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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
204/288

代表

203話




 サンドラは余裕そうな表情を浮かべながらも僕の足取りをしっかりとみている。それはサンドラの目を見ていれば分かる。

「仲間のタイムリミットもあまりない...だから、すぐに終わらせる」僕はそう言って次なる手に出た。

 鳴り響く軽い音が響いた。僕の拳はサンドラの鞭によって止められていて、サンドラは口を開く。

「やっぱりこの程度の物なのね?」サンドラは冷たくそう言い放ち、僕を鞭をゴムの様にして弾き飛ばした。僕は地面に手を着き、減速しながら止まっていく。

「そりゃそうだろ。今まで幹部は仲間と協力してようやく倒してきたんだ。それを僕一人ができるわけがない。わかってるさ。だからこそ、ここで超えなきゃいけないんだ。ハルのために...!」僕は傷を修復しながら言い放った。

「あら、勇者の代わりというには余りにも弱気ね」サンドラはそう言って微笑む。

「だから、お前が油断しているのは僕にとって好都合だ」僕はそう言い放つと同時に再度、拳を握り、サンドラに殴りかかっていた。しかし、もちろんのことサンドラは鞭で僕の攻撃は防がれていた。こうなると、サンドラはまた鞭をゴム様し、僕を弾く事は分かっている。だから、僕は行動を変えた。周囲の鱗に爆発の力を込めた。だから、この周囲の鱗全て、避けることも壊すこともできない障害だ。これを目の前にしてサンドラは避けられない。そして反撃は絞られる。


 僕が考えていた時に身体は後ろへと飛ばされた。球状に広げた鱗を自分の飛んでいくところだけ、避け、地面に触れる。

「危険ね。考えさせるのは」サンドラはそう言って僕が散らばせていた鱗を全て鞭を網の様にして、まとめ上げ、鉄球の様になっていた。そして、鱗の塊の鉄球は僕に振り下ろされた。本来なら鱗を仕舞うことができるが、鱗の支配者がサンドラに変わっているのか、消滅させることができなかった。

 鉄球が僕に当たった瞬間。黒いきのこ雲を上げ、それ相応の衝撃が僕の体中に駆け巡る。

「グッ...!」僕は爆発の衝撃に耐えきれず、声を上げる。

「あらあら、血だらけになって...」サンドラはそう言いながら頬を赤らめながら微笑んだ。


 僕が身体を起こそうとするとサンドラは鞭を固く棒状にし、僕の腹部を刺し、動けなくしたのち、身体に跨ってきた。

「所詮あなたの意志はその程度の物なのね...」サンドラは僕の耳元でそう言い放った。



 そのころ。ラフノは地上に降り立ち、ヤーズとハルと話していた。

「ラフノが戦争を宣言したことでこの町はほとんど獣人によって制圧されたぞ?」ハルはそう言い、剣を振るい、鞘に仕舞った。

「捕まえた近衛はどうする気なの?このままだと獣人が殺しかねないよ?」ヤーズはハルに続いて言い放った。その時響いた叫び声の方向に移動しながら聞く。

 「こんなことしていいと思っているのか亜人風情が!こんなことをすれば大陸中の...!」

「大陸中のなんだって?」ラフノは捕虜に変わりない状態の近衛に近づいて聞く。すると近衛はより一層顔を歪ませ、唾をラフノにかける様に叫ぶ。

「この大陸中の獣人奴隷取り扱いしている町がここに攻めてくるぞ!」近衛はそう言って微笑む。

「そうか。貴重な情報だ」ラフノはそう言った傍から立ち上がり、息を吸う。

「獣人の長はいるか!他の町から来た代表者を交えて解放の条約を結びたいと俺は考えている!」ラフノが力強くそう言い放つと、獣人の長がゆっくりと歩いてきた。

「私は獣人の長アルドリスだ。知っていると思うがな...」獣人の長であるアルドリスはそう言いながら頭をポリポリと掻く。ラフノは長にしか聞こえない声で口を開く。

「殺される心配は要らない。俺が守る。だから、掲げてくれよ。自由を」ラフノはそう言ってアルドリスに微笑みかけた。

「それは助かる...」アルドリスは小さくそう言い放った。



 スノイヤの町でそんなことが行われているとき、既に世界中にその情報が入っていた。そこでこの大陸の二つの代表する町の代表の、二人がたまたま貿易で会っていた時だった。

「ルル・アエロ代表!スノイヤにて獣人奴隷の反乱が起きた模様です!」軽装備騎士の一人が交渉中に大きな声を上げて言い放った。そこでルル・アエロは口を開く。

「馬車を用意しろ。町中の獣人奴隷も全て連れてな」ルルはそう言って、コーヒーを飲みほした。更に続く様に、目の前に座っている男に指示するように口を開く。

「あなたも行きましょう。ランド・キュウ殿」ルルはそう言って男を見る。すると、名を呼ばれた男はゆっくりと立ち上がり、口を開く。

「良かろう。奴隷の反乱が鎮められなければ、交渉もままならん。行こう。スノイヤへ」ランドはそう言い放ち、ルルに並ぶように歩き出した。


 誰も居なくなったルル代表の交渉机にとある紙が広げられている。その紙にはとあることが書かれていた。

『亜人完全抹消作戦』

どうでしたでしょうか?

面白く読めたのなら幸いです!

次回も読んでいただけると嬉しく思います!


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