魔王城内の関係
200話
黄色に白や黒、緑が混じった男がドアから出る。ドアから出るとそこは黒っぽいレンガが敷き詰められ、壁を成していた。雨風を凌ぐのはこの壁や天井があるお陰だろう。
男の背後には目が閉じられたように細く、髪は艶やかな紫で肩まで垂らしていて、重そうな胸を微かに揺らしながら歩く女が歩いていた。彼女は時に男の抑止力とも言われているらしいが、男はそれを知らない。
「ケッ!何が...魔王様の御前だぞ...だよ!」強気な男は手を首の後ろに回して歩きながら言い放った。男は魔王の側近が気に入らないようだ。
「あらあら...声を荒げて...でも、あの方の言うのも無理ないわよ?何せ魔王様に一番近い人なんですからね...?」のんびりとした女がそう答える。「そうかよ!」男は強く言い放ち、早歩きへと転じる。
「ああ、いうのが一番に死ぬ。それは人間の書いた本が言ってる」男勝りな女は男が出たと同時に言い放った。それを聞いているのはスーツの男と、魔王の側近、魔王だけだった。
「最近、幹部が多く死ぬことが多かったため、最近ただのモンスターが活性化しているようです」魔王の側近が女の言葉を無視し、魔王に言い放った。すると魔王は「そうか」と言い放ち、言葉を継ぐ。
「所詮数合わせの幹部だ。実際に使えるのはここにいるものと、さっき獣人魔族に付いて出て行ったやつ。そして、今回破られたガラスナだ。他のものは使えぬ。所詮二人だが...」魔王はそう言い放ち、目を細めた。そこにスーツの男が話に介入しだす。
「そうですね。先の二人は”あの者”を見誤り、勝手に”道化”の術式にかかった愚か者ですしね」スーツの男がそう発言すると魔王の側近が口を開く。
「魔王様のごぜっ...」魔王の側近は放っていた言葉を引っ込めたのは、魔王の手が自分の身体の前に出されたからだ。そして魔王は口を開く。
「良い。続けよ」魔王はそう言い放ち、スーツの男の話を引き続き聞く様に仰いだ。その瞬間スーツの男は誰にも見えぬように微笑んだ。
不気味な空が僕を殺すかのように動いている。僕は地面を鳴かせて歩き出した。魔王城まで、墓地が続いていて、その所々に腐った人間の手が生えている。恐らくゾンビだろう。生者が通れば地面に引き釣りこむ類のモンスターだと感ずく。
「これが終われば、僕はハル達と共に平凡な冒険者になれるだろう...。これが僕の今世紀最大の最後の戦いと言っても過言じゃない」僕は一人でそう呟きながら、墓地へと足を踏み入れた。
刹那、世界が揺らぎ、いつの間にか僕の身体は地面と同じ目線となり、埋まる寸前だった。僕は地面を掴み、脱出を試みるが、その伸ばした手の先にもゾンビの手があり、僕の伸ばした手は空しく突き放され、たった10秒で僕の身体は冷たくひんやりとした地面に埋まった、が僕は即座に拳を握り、真上に向かって腕を振った。その瞬間土は勢いよく噴水の様に飛んでいき、僕の目に微々たる光が差し込み、その瞬間に僕は辺り一帯を氷結させ、僕を中心に小石は飛ばすほど、大岩は少しずれるくらいのの大爆発を起こした。
僕は身体に付いた土を払いながら球の半径を描くように空いた地面を踏み潰し、その場から這い出た。
地面はほとんどが氷結されていて、地面からはもうゾンビは出てこなさそうだった。
「こんなところで立ち止まっていられないんだ...」僕はそう呟きながら魔王城を見る。それが良いほうに転がった。目線の先には爪を剥き出しにした獣人が飛んできていて、僕の眼に触れる直前だった。僕は瞬時に鱗をどこからともなく現し、盾の様に獣人の攻撃を防いだ。
「ケッ!人間のくせに!」獣人はそう言って地面を擦れながら、弾かれた反動で飛んでいく。
「僕をそこら辺の人と同じに見てたら痛い目合うぞ?」僕はそう言って拳を握った。それと同時に獣人が喉を鳴らしだす。
「グルルル...。俺はそこら辺のモンスターなんかと違うんだ!お前こそ自分の身の危険を感じ取ったらどうだぁ!?」獣人僕を煽るように言い放つ。僕はその言葉に一切同時ず、口を開く。
「じゃあ、先に攻撃してきていいよ?僕は勝つから...」僕はそう言って手を広げて、隙を多く出して言い放った。それと同時に獣人は躊躇なく僕の腹を爪と手を駆使し、えぐり取った。当然の様に僕は地面に横たわった。瞬間世界は真っ白になる。
「さて、お前は今からでもまだ助かる。お前に残されたことは2つ」僕はそう言うと同時に中指と人差し指を立てた。その目線の先に立つのは攻撃してきた獣人の男だった。
「なんだこれはよぉ!」男はそう言って、僕近くに寄ってきた。その瞬間世界に法廷が現れた。獣人は法廷掴み、乗り越えようとしてくる。僕はそれと同時に目を瞑る。その瞬間獣人の頭に木槌が落ちた。
「この場で僕に歯向かうのは死を意味するぞ」僕はそう言って目を開く。
「さぁお前に残された選択を教えよう。お前に残された選択肢はこのまま死ぬか、それとも人間に見逃されるか...。選べ。あと10秒で...」僕はそう言って10から数え始めた。
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