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日常から非日常へ。  作者: 稲平 霜
13/288

闘技場のある町

新しい場所に新しい人が出ますよー!

読んで言ってください!

13話




どれくらい歩いた?


かなり歩いた気がするのだが。


 そう思っていると町が見えてきた。


 あそこは恐らく“ アエロ”という町だろう。


アエロでは武器のカテゴリーが多いらしい。


昔からの伝統で闘技場もあるらしいが....。



 僕がアエロの前に着くと門番に声をかけられた。

「身分証明書みたいなのはありますか?」門番はそう言って手を出してきた。


僕は何も抵抗せず冒険者証を差し出した。


門番はパッと見て僕に返してきた。


「どうぞ、お通りください。ようこそアエロへ!」門番はにこやかに笑って迎えてくれた。



 さて、まずは武器屋だ。


このナイフは....、持っておこう....。


 僕はボロボロのナイフを腰にしまった。


 武器屋はどこだ?


って探すまでも無さそうだ。


僕が見つめた先には闘技場。


その両端に店が多く並んでいた。防具と武器のオンパレードだ。



 その途中に幾つか食べ物屋が挟まれている。


 僕は真っ先に武器屋に向かった。


 武器屋には壁に掛けられている武器が幾つもあった。


しかし、僕が好んで買うナイフは売られていなかった。


「すいません。ナイフは売ってないんですか?」


武器屋の人は

「そんなの売れないから売ってないよ!まさか、ナイフ欲しかったのか?残念だったな!他を当たってみてくれ」武器屋の人は手をひらひらさせた。


 僕は思った。


面倒だと。


こんなにも武器屋がある中でナイフを売っている武器屋を探さなくてはならない。


正直面倒くさい。


でも、仕方ない。


ナイフのある武器屋探すか。



 別の武器屋に行く。

「ないよ?」


次の武器屋

「ナイフなんか買ってどうするの?そんなんで身を守れるとは思えんが...」


さらに次の武器屋

「うん、ない」


さらにさらに次の武器屋

「ある訳ないじゃん。ここは闘技場のある町だよ?」


さらにさらにさらに次の武器屋

「あるよ」


案外早く見つかった。


そしてナイフはあと1本だった。


 良かった。


 安堵した時に横から手が伸びてきた。


疑問が生じて横を見ると、女の人だった。


「すみません。このナイフ譲ってくれませんか?」僕はナイフを指さした。


しかし、

「譲るわけないじゃない。ようやく見つけたのに」女の人は譲ってくれる気は全くないようだった。


「君は力ありそうだし、剣の方が似合うと思うよ?」僕が言葉を放ちながら微笑むと、女の人は急に顔が変わった。


「そ、そうか?」女の人は恥ずかしそうにモジモジしだした。


 あ、これちょろいな。押しに弱いと見た。


 「そうだよ!変えた方がいいと思うよ!うん、そう思う!」僕は全力で押す。


「じ、じゃあ剣にしよう!」女の人は剣を選んだ。


 これでこのナイフは僕のだ。


汚いやり方だとは思うがナイフが買えるのなら全てよしだ。


 武器屋の店主にナイフを持っていく。なんか笑われてる気がする。


 ナイフを買って武器屋から出ると道化師の仮面と、格好をした人がいた。


仮面の下から声が聞こえる。

「どうですか旅の方!腕試しで闘技場で闘いませんか!?今なら参加するだけで1000コーカを支払わせて頂くサービスを行っております!どうですか?少しでも自信があるならどうぞ闘技場へ.....」


道化師は煩い動きをした後、お辞儀をした。


 勝てる気がしないからやりたくは無いが、さっき買ったナイフで全財産使い果たしたんだ。


せっかくだし参加だけしてすぐリタイアしようか。


「僕は参加しま....」僕の話している途中で道化師は回りながら大声を上げる。


「ありがとうございます!お陰で明日開催できそうです....。今日の夕方近くに闘技場前に来てください....。お待ちしておりますよ....。ククククッ.....」


道化師は姿を消した。


変わった人もいるもんだ。


 その時、背後から声をかけられた。


さっきの女の人だ。

「お前も明日出場するのか?」


「おう。お金のためだけどな」


「そうか。明日お前とも当たるかもな。私の名前はハルだ。よろしくな」ハルと名乗る女の人は手を出してきた。


僕はそれに応じてハルの手を握った。

「そうだ。折角だし今から町を見て回らないか?武器屋にしか行ってなくて町並みがまだしっかり見れてないんだ」ハルは僕の前を歩く。


「どうせ後で会うことになるだろうし、いいよ。行こうか」僕はハルの隣まで歩きながら言った。


 「この町は人があまり外に出ていないのだな」ハルがこの町の第1印象をズバリと言った。


 確かに人が少ない気はする。


武器屋が多いから、武器を打っている人が多いのが理由としてあるかもしれないな。


 「ちょっとご飯食べたいんだけど....。来る?」僕は店の方を指さした。


「いいぞ」ハルはなんの躊躇なく承諾した。



 僕の選んだ店は肉料理が多めの店だ。


 店に入ると肉の美味そうな匂いと共に店員の声が響いた。

「いらっしゃいませー!」元気のある挨拶だ。


 僕は適当な席に座り、壁に書かれているものを注文する。

「牛串を、2本」その一言の注文だ。


「私のはいらないのだが?」ハルが頬を掻いた。


「じゃあ2本僕が食べるからな」


「やっぱり食べる!」ハルは口元から涎が流れる勢いだった。


 ハッキリしないやつだな。



 牛串が机に置かれると僕は牛串を頬張った。


肉汁が口の中に溢れて疲れた体に染み渡る。


 少しの間、静寂が流れた。



 食べ終えると、お金がないことに気がついた。僕はハルを見つめる。


「まさか、お前、お金ないのに店に入ろうなどと言ったのか....?」ハルは恐る恐る僕に聞いてきた。


 そのまさかである。


さっきナイフを買ったせいで全財産を無くしたのを忘れていたのである。


僕は考えに考えた末にひとつの答えを出した。


 「店員さん....。明日闘技場出るので今日はお金払わなくていいですか?」僕は手を口元に置いた。


すると予想外の答えが帰ってきた。

「闘技場に出場するのでしたら別に払わなくていいですよ!明日頑張ってくださいね!前回の優勝者もいますからお気をつけて!」店員は両手を前に突き出し、僕らが店を出るときには見送ってくれた。


 「お前なぁ....。しっかりしろ....」ハルが僕に文句を言おうとしている。


そこで

「あ、夕方だ。闘技場に行こうか」僕はハルの言葉を遮った。



闘技場前に着くと既に参加者が多く集まっていた。


人数はパッと見た感じだと20人近くいた。


そこに道化師が現れ、仮面の裏から話し出す。

「では、明日のルール説明などを行わせて頂きます....」道化師は文末に合わせるようにお辞儀をした。

どうでしたか?楽しめたのなら良かったです!

ではまた次回を楽しみにしていてください!


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