異世界の日常は非日常
あらすじが絶望的なので読んでくれる人がいなくて前書きすらも読んでくれなそうですが、読んでくれたら幸いです。
では、どうぞ...
一話
日が山々から昇る。この景色を何度見ただろうか。僕らを照らす青い太陽は北から昇ってくる。
僕はおもむろに立ち上がり太陽を見つめ、呟いた。
「今日も一日頑張りますか」
* * * * *
ガラガラガラガラ....。馬車の音だ。現在僕がいるところは王都である”アスファル”。この世界で最も人口が多く、最も商売が盛んである場所。簡単に言えばそういうところだ。王都には色んなものが揃っている。それはもちろん”情報”も例外ではない。依頼も大抵王都からの発信が多めだ。依頼というのも色々ある。馬車の護衛やモンスター討伐、他にもあるがここでは止そう。
さてなぜ僕がアスファルに居るかと言うと、とある理由からだ。
時を遡ること昨日のこと。
* * * * *
僕の住んでいる村の名前はコセトマだ。王都からは少々離れている。どちらかと言えば近いほうだ。
―――――――早朝...
「今日からお前も冒険者の仲間入りか...。寂しくなるな...」立派な顎鬚を生やした老人が僕に言った。他でもないおじいちゃんだ。
「まぁ今日でこの村を去るのも少し寂しい気はするけど...。頑張ってみるよ!」僕は溌溂に答えた。
「ところでどこに行くんだっつ?」村の子供が聞いてきた。
「そうだねー。王都に一番近いイラスラって町かなー」中腰になって答えてあげると同時に村の門から馬車の車輪が回る音が聞こえてきた。
「馬車が来たみたいだ。じゃあ僕行ってくるよ!」
「「「いってらっしゃーい!!!」」」村の全員から別れの挨拶を受け取り、馬車が走り出した。
あれから一時間くらいか...。
「すいませーん。イラスラまでどれくらいかかりますか?」馬車の前方にいる御者に問いかけをした。すると御者は
「まだ着きそうにないですねー。着くとしたら明日の朝くらいですかねー」と語尾を微妙に伸ばしながら答えてくれた。
仕方ない。王都に一番近い町だから遠いのも理解できる。しかしたった一日で着くと考えれば、すぐな気がする。
「ところでお客さん。イラスラへ何しに行くんです?」御者が自然に聞いてきた。
「冒険者ですよ」一言で終わらせてしまったかと思うと、御者は
「そうですかそうですか!いや、今日私の娘も冒険者になるみたいでね!親目線からすると危ない気がして...」御者は僕の言葉に口角をあげ、高らかに自らの娘の話をしだした。どこの親も心配症だとそう思った。
「今日はここの村に泊まらせてもらいましょうか」そう御者が言うと宿屋に誘導された。すでに予約は出来ていたようだった。
村の名前は”クネゴボ”。僕の住んでいる村の隣の村だ。ここも農村のようだった。
夕暮れの景色を見るため宿屋から外に出た。
しかし、馬車に降りてからというもの、視線を感じていた。家の影、野菜などを出荷するために積まれている木箱の影。そもそも貧しい村はこういうものなんだろうな。物陰から向けられていた視線の正体が突如でてきた。
「おじさん。この村に何の用なの?」物陰から現れた三人の中の子供の一人が僕に問いた。
「おじさんはね。冒険者になるためにイラスラへ行こうと思ってるんだよ」子供の口調に少々似せて僕は端的に答えた。
「どうせあんたもこの村を襲撃しようとしてるんだ」やんちゃそうな子供が嫌味ったらしく言った。
「?。何かあったの?」僕自体は何の悪気もない質問をしてしまった。しかし、子供たちは気にはしていない様子だった。
「つい最近冒険者と名乗る盗賊が私らの村を襲撃してきたばっかで子供らは不安なのさ。それは私らも同じだけどね。」突如、子供たちの親と呼べる人たちが会話に入ってきた。
「旅先にはトラブルが付き物ってか...」無意識に頭を掻きながら言った。
宿屋に戻り窓の外を見ると空は既に闇に包まれていた。
――――――その夜。
パチッ....パチパチッ...。
火が燃え上がる音がして目が覚めた。慌てて宿屋から飛び出すと森は紅蓮に覆われていた。村人の悲鳴とともに他にも声が聞こえた。
「今回はこの前みたいなお守りはいねぇ!てめぇら!狩りつくせ!」リーダー格と思しき人が雄たけびを上げていた。
「どうして、こんなことに....」唖然として突っ立っていると突如痛みが僕を襲う。
「っっっ!あああああああああああああああああああ!!!」喉が潰れそうなほど叫んでしまった。
「お前この前この村にいなかったよなぁ!じゃあ金持ってるよな?だせよ」倒れこんだ僕の耳元で襲撃者と言える男が言った。先ほどから周りが見えていなっかったのだろう。周りには夕方ごろに話した子供たち、子供たちの親。みんなが血を流して倒れているのが見えた。灰になるまで燃やされて殺されている人。きっと僕も同じようになるのだろう。
「早く出せよ」襲撃者は僕を急かす。しかし僕の体は痛みでうまく動けない。周りから襲撃者が集まってくる。
――――もう、逃げられない――――
そんなとき空から黒炎が舞い落ちる。黒炎は襲撃者をすべて排除したのだ。
....という逆転劇はなく。僕はただひれ伏すしかない。このまま死ぬのだと、このまま冒険者にならず死ぬのだと、僕は未練しかないな。と、そう思った。
ああ、終わりだ。僕の首めがけて襲撃者の剣が触れる。鉄の匂いが混ざり更に鼻につく匂いになる。痛くない。何も感じない。感覚のない世界。いや。夢なんかじゃない。僕は助かったんだ。
「大丈夫か?」青年の声が僕のに耳をつく。
「こ、ここは...?」唖然として僕は聞いた。
「よかったな。お前がいち早く王都にきて兵士団に押し掛けてくれたおかげでみんな無事だぞ」青年の兵士に代わりごつい兵士が僕に言った。
「僕が王都に行った...?」困惑だ。困惑しかない。僕は死んだはず。死んだはずなんだ。どうして生きれてるんだ。
少々頭を冷やすと周りが見えてきた。子供たちの泣き声、消火活動、村人の治療。
「君たちは私!”ゼリアス=アストラスト”が王都にて保護させてもらう!もう安心だ!」ゼリアス=アストラストと名乗る男はこの村全体に響く位、大きな声をあげた。
「助かった、のか」「よかったぁ...」「助かったのはいいけど...」「明日からどうすればいいんだ」不安の声、安堵の声どちらもある。僕にはまだわからないが多い。しかし、今は助かったことに喜ぼう。
――――翌朝。
王都へと馬車が走り出した。
* * * * *
と、まぁ。話が長くなったがそれで今王都”アスファル”にいるわけだ。
とりあえずせっかく冒険者になれるチャンスなんだ。まずはギルドを探そう。そう思って足を踏み出すと後ろから声をかけられた。
「やあ。君は確か昨日の兵士団に押し掛けてきてくれた方だったな?」挨拶と同時に身に覚えのないことを聞かれた。
「あ、はい。あなたはアストラストさん?」僕は慣れない敬語を使い、身分を確認しようと名前を言った。
「そうだよ。そうだ。折角だし少し話をしないか?」木の下を指さしてアストラストは言った。
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