ピストル(桃花)
今日は昔話をしたいと思います。
さてみなさんピストルというじゃんけん必勝法を知っていますか。
まず、ぐーを作ってそれから親指と人差し指を開きましょう。
これでピストルの完成です。
このピストル。じゃんけんのグー、チョキ、パーを全て兼ねるので
相手が何を出そうとそれに勝つ手をあとから宣言するだけで
自動で勝利できるのです。
反則と言われても気にしない。
強気に押せば優しい人なら譲ってくれます。
だから奈々とやるときはこのピストルは最強。
友達とやるときや給食のプリンじゃんけんは後から
ブーイングがつくのでできないけど……
しかし母とやったときはひどかった。
あのとき私は『うふふ』というレストランで
期間限定で出ていたイチゴパフェがどうしても食べたかったから
母とじゃんけんで決めることにしたんだ。
買ったらパフェを食べれる負けたらフローリングの床を
雑巾掛け。
もちろん私は最初からピストルを使用
『じゃーんけーんぽん』
母はグー、私はピストル
「何よその手」
「パーだよ。だから私の勝ち、やったパフェだ」
母は納得いかない様子だ。でも勝ちは勝ちだもん
「なるほど。桃花言い忘れてたけど3回勝負」
あ、なんかズルい
「いいよ。別に」
でも何回やってもピストルには敵わないんだから。
無駄なあがきじゃん
『じゃーんけーんぽん』
母はチョキ、私はピストル
「それパーよね」
「いや、グーだよ」
「さっきのパーとどこが違うのか教えて欲しいんだけど」
・・・えっ。思わぬ質問。・・・
「この人差し指が少し曲がっているのがポイントだよ。これはグーなんだよ」
苦し紛れに違いを説明する
「事前にその情報がないから今の勝負は無効よ」
「そんなぁ〜〜」
ピストルで決着がつかないだなんて
それとチョキとの違いも考えないといけないじゃん
まぁ、いいや。
「桃花。次とまたその次じゃんけんしたら私の質問に先に答えてくれる?」
急になんだ。
「何?別にいいけど」
なんだろ、なんか悪いことしたかな私
『じゃーんけーんぽん』
母はピストル、私もピストル。
えっ
「お母さん、そ、それは何」
「桃花は何を出したの?」
「お母さんが先に答えてよ」
これ後に宣言したほうが勝ちになるからゆずれない
「いや、桃花が先よ。さっき言ったこと覚えてるでしょ」
・・・あ、嵌められた・・・
そう母は
「次とまたその次じゃんけんしたら私の質問に先に答えてくれる?」
と言ったので必然的にあと一回この状況が繰り返されるのだ
こうして私のピストル必勝法は敗れ去った
かわいそうな桃花ちゃんはこの後、雑巾掛けをしたとさ