プロローグ
みなさん初めまして!!虎猫 好です。
この作品が初めての小説になるので至らない点があるかと思いますが。最後まで頑張っていきたいと思うので、最後まで読んでいただけると幸いです。
自分は小説を書くこと自体初心者なので、「ここをこうした方がいいよ」などというアドバイスがあればぜひコメントに残してくださるとうれしいです。
まぁ単純に感想を書いてくれてもすごくうれしいです。
テンプレ要素も多く含まれてますが最後まで楽しんでいってください。
――――ガシャガシャガシャガシャ
俺の後ろからたくさんの鎧姿の兵士が追いかけてきている。
「勇者様、お待ちください‼」
「いやだねっ‼俺はこの国から出たいんだ‼」
鎧姿の兵士の一人が俺に向かって声をあげるが、俺はその声に従う気は全くなかった。しかし俺の逃げる先には20mはあろう城壁がそびえたっていた。
後ろからは兵士、前には城壁と逃げる場所がないと思ったのか、またもや先ほどの兵士が俺に声をかけてきた。
「勇者様、もう逃げる場所はありません。おとなしく王城に帰りましょう。お仲間たちもきっと心配されてますよ。」
その言葉を聞き俺は口角をわずかに上げた。
「俺を心配してる奴なんてクラスメイトにはほとんどいねえよ。そもそも誰が逃げ場がないなんて決めつけた。逃げ場ならいくらでもあるじゃねぇか…。」
俺は上に向かって思いっきり飛びながら言った。
「空になっっ‼」
地面を蹴ったと思った瞬間、俺はもう城壁の上にいた。後ろには呆けたような顔をした兵士たち。前にはどこまでも続きそうな森が広がっていた。
俺、日山和人は見事に兵士たちを撒いて新たな冒険に飛びた・・・・・・・・・・・・・
「飛び立てるわけねぇーだろうがっ‼なんだよ下から上は余裕なのに上から見たら高すぎんだろ‼こんなん飛び降りれるわけがねぇよ‼そもそもなんで俺がこんな目に合わなきゃならねぇんだよぉぉぉぉ」
なぜ俺がこんな目に合っているのかというと、数日程時を遡ることになる。
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「はぁ・・・今日からまた学校が始まるのか。」
4月8日。長期休暇後初日の授業、おそらく学生達はこの日を憂鬱に思い前日までの休日を思ってしまうだろう。
それは今年から高校2年生になる和人も例外ではなくついつい口からため息が出てしまう。しかし、和人にとって学校というのはどんな時であろうと居心地のいいものではなく、そのことが輪をかけて和人の気分を憂鬱にしている。
和人は憂鬱な気分を引きずりながらいつも通りあまり物音を立てないように教室に入る。
その瞬間。男子からは睨まれ、女子からはひそひそと話され時々「気持ち悪い・・・」、「今年も一緒のクラスとかないわ」などいろいろと辛らつな言葉が聞こえてくる。なぜここまで和人は嫌われているのか・・・。
和人の容姿はごくごく平凡なのだが、髪はぼさぼさ。学校では基本一人でずっと小説を読んでいる。なので周りからあまり話しかけられず、しかも一部の男子生徒によって和人はオタクのレッテルを張らている。しかしこれだけでここまで嫌われるだろうか。
そう。和人がここまで嫌われるようになったのは彼女が原因だ。
「和君、おはよう。まったく、ちゃんと髪の毛を直してから来るようにいつも言ってるでしょ。これからも直してこないんだったら私が毎朝家に直しに行っちゃうよ‼」
「ったく。雪は相変わらず口うるさいな。髪の毛なんてどんなでも雪には関係ないだろ。」
彼女、白羽雪は和人の家の隣に住んでいる幼馴染で何かと和人に世話を焼いてくる。しかも、美男美女がたくさんいるといわれているうちの学校でもだんとつで可愛く、性格・成績ともにトップクラス、黒髪を腰当たりまで伸ばし、垂れ気味の目は優し気に映り、薄い唇は、彼女の美しさを余計に際立たせている。
どんな人にも分け隔てなく接する彼女にはそれは絶大な人気があり、そんな彼女が、不清潔で不真面目な和人に対し他の人以上に世話を焼くものだからそれだけでほかの男子から嫉妬や恨みのこもった眼で見られる。
(というか明らかに雪からくっついてきてるのに俺にそんな目を向けられてもねぇ)
「口うるさいってどういうことなの‼私は和君のことを思って言ってるのに。」
「そういうところが、口うるさいっていうんだよ」
「うぅ~和君がいじめるよ~」
俺は彼女の相手をいい加減切り上げようと思っていたらドアからまた新しい影が3人現れた。
「雪。日山君。おはよう」
「白羽さん。和人。おはよう」
最初に挨拶をしてきたのは涼川凜だ。雪とは親友関係で、ポニーテイルにした青みがかった黒髪が特徴的であり、いかにも大和撫子という雰囲気を醸し出している。彼女は小さいころから剣術を習っており、周りの大人たちからは神童と言われるほど剣の才能を持っている。
次に挨拶してきたのは和人の唯一の親友である平野光汰だ。短めの茶髪をオールバックにしており、その面構えはそこら辺の不良よりも不良らしいといえるだろう。しかしそのような容姿に比べて性格はとても義理堅くどんな人にも平等に接するという、なかなか信頼できる男だ。
そして最後の一人がここにきてようやく声を発する。
「おはよう、雪。相変わらず彼の世話を焼いてるのかい?そういうところは雪のいいところだけど、いくら雪が言っても何も変えようとしない彼に雪の大切な時間を割くのはどうかと思うけどね。」
と、言ってきたこのイケメンは、星野怜輝。いつも雪。光汰。凜。と一緒にいて、学校では勇者や、王子と言われるほどの美男子で、成績優秀。スポーツ万能の人生イージーモードのイケメンだ。
身長180㎝と背が高く、体は引き締まっている。誰よりも正義感が強く、どんなことでも自分から率先してやるという性格だ。しかし彼にも欠点があり、恐ろしいほどの勘違いをし思い込みも激しい。
「おはよう。凜ちゃん、光汰君、怜輝君。和君のことは私が好きでやってるんだから別に気にしなくてもいいよ怜輝君。」
そんな3人に向かっていつも通り挨拶をする雪。最後の雪の言葉に一段と和人に対する視線がきつくなった。
しかしここまではいつも通りだ。ではなぜ俺がここまで憂鬱な気分になっているかというと。
―――バンッ‼‼
教室の扉が開きそこから新しい制服に身を包んだ可愛い女の子が入ってきた。ネクタイの色を見るところ新入生であることが分かった。いきなり入ってきた彼女にクラスの皆は困惑している。
俺がここまで憂鬱な気分になっている原因は彼女にあるのだ。なぜなら彼女は俺の姿を見つけるなり、満面の笑みを浮かべながらこう叫びながら抱き着いてきたのだ。
「お兄ぃちゃぁぁぁぁん!あそびにきたよぉ。」
そう。彼女は俺の妹の日山雫だ。セミロングの茶髪。兄の俺とは違い、顔はとても整っており、153㎝と少々小柄だが、その人懐っこい笑みで見ている人の保護欲を掻き立ててくるのだ。しかし彼女にはとても大きな問題がある。それこそが俺を憂鬱にしている原因なのだがそれは、超重度のブラコンなのだ。
今のように雫は人の目も気にせずに俺に抱き着いてくるのだ。
(さてここで問題、学園一の美人に世話を焼かれ、後輩の可愛い妹が抱き着いてきている。この状況を見たクラスメイトはどのような態度に出るでしょうか?・・・・正解はまるで汚物を見るような目で俺を見てくるのです)
いままでの視線でも十分居心地が悪かったのに、このような目で見られることが分かっていて憂鬱にならないことがあるのだろうか。いや、ない。
俺がこんなことを思っているうちに何か周りの生徒達が騒がしい。何かあったのだろうか。
そう思いふと俺が顔を上げると目の前がカッっと急に光った。
数秒後、目の前の光景を見た俺たちは周囲を呆然と見渡していた。目の前には怪しげなフードを被った者と、ドレスに身を包んだこの世のものとは思えない美しさを持った少女がいた。
呆然としている俺たちを前に彼女は言った
「ようこそいらっしゃいました‼勇者様方っ‼」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、どういうことなの。
俺は腕の中に妹を収めながら、彼女が言った言葉に対し呆然と口を開いていた。
次話
主人公無能レッテル張られます‼