表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

第二話

授業がすべて終わり、俺は帰路につく。自転車を漕ぎながら、はあ、と思わずため息がでた。

悩まされているのは一通のはがきが家に届いたからだ。



≪佐山北小学校・同窓会のお知らせ≫

書いてあるのは、日時・場所。そして、出席される方は以下のアドレスにメールしてください―――出欠の返事は○日まで、そんな簡素な内容だ。

今と同じで当たり障りなく過ごしていた小学校。仲がそれなりに良かった奴もあるが、あまり乗り気がしないのだ。ならばさっさと欠席で返事を出せばいいのだが、締め切りが着実に近づいているにも関わらず俺はまだ返事をしていなかった。


「ただいま」

玄関の扉をあけるが返事はない。実家暮らしだが、両親は共働きでまだ仕事から帰ってきてないようだ。

2階にある自分の部屋に向かう。机の上には例の同窓会の葉書があり、それを一瞥してベットに寝っ転がる。


「はあ・・・」

なぜ、行こうと思わないのか。

無機質な白い天井を見て考える。





女の子の姿が頭に浮かんだ。小学校で隣のクラスだった子だ。――――名前はなんだったっけ。


髪の毛を飾り気のないヘアゴムで後ろにまとめている、どちらかと言えば地味な少女。





なんでその子が思い浮かんだんだろう。





ああ、そうだ――――――水やりをしていた子だ。



――――――優しいだけじゃダメなんだよ。

その言葉が頭をよぎった。






「あはは・・・・そうか」


馬鹿らしいことに俺はまだ昔の出来事を引きずっていたらしい。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ