音楽家がみんな絶対音感を持っている、は幻想
昨日テレビを見ていて、ちょっと待ったぁあああああと叫んでしまったので書いておこうかと。とあるピアニストがバラエティー番組に出演していて、音楽家の90%は絶対音感を持っている、と発言。これは、ほぼ幻想です。僕の弟を教えているビオラ(バイオリンの少し大きく低音が出る楽器と思ってください)の先生はプロオケマンですが、相対音感です。同じく、僕の恩師、打楽器の先生も相対音感です。プロオケマンです。前者のビオラの先生に言わせると、先生が所属するオケの中でも絶対音感の人は少ないとのことです。一人二人ぐらいしか知らない、と。また、僕がいた音楽大学。合唱でアカペラ(伴奏が無いもの)をやりましたがその練習中に、絶対音感を持っている人はアカペラで辛くなるかもしれないけれど我慢してください、と言われました。つまり音大の先生が、絶対音感を持っている人が希少な存在だと認めているのです。ちなみに絶対音感を持っているとアカペラがつらい、というのは、伴奏が無いので段々基準音が分からなくなる現象が生じる為です。相対音感の人は基準音が一つか二つあってはじめてその音の正しい音程が分かるのです。勿論プロの合唱団ならばアカペラでも最初から最後まで音程を保つことも可能です。相対音感を持っている人でも基準音からすぐに正しい音程を探す訓練を積んで、絶対音感に近い感覚を持っている人もいます。逆もあります。絶対音感でも、442Hzのドレミファソラシドでラベル付けしてる場合。バロック音楽、という昔の音楽では基準は438Hzでした。そのバロック音楽をやるときは絶対音感を持っている人でもラベル付けに間違うこともあり、自分の歌っている音程は442Hzのドレミファソラシドなので、気持ち悪く感じてしまったり、音痴に聞こえてしまうことがあるのです。