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必要なもの  作者: 雨妣
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第二話:目覚め

目を覚ますともう朝だった。


  薬に感謝して、洗面所へと向かう。


鏡を見ると、予想どうり目の下に濃い影ができていた。


 そんなことは無視する。


 蛇口を捻ると勢いよく水が流れ出す。


 透き通る水を掬いとって顔を洗い、


  素早くタオルで滴る水分を拭き取った。


 軽くついた寝癖をくしで直し、リビングに向かう。


  親とあいさつを交わし、椅子に座る。

  

  何も喋らないまま朝食を食べ終え、


 足早に洗面所へ歯を磨きにいく。


 時計を確認すると、いつも家を出る時間が来ていた。


 急ぐでもなく、私は鞄を持ち腕時計をして家を出た。


  近所のバス停まで歩いて、まだ肌寒い夏の朝を肌に感じながらバスを待っていた。


 妙に心地のよい排気ガスの音と共にバスはいつも通り、


  時刻表の時間よりも数分遅れてやってきた。


  バスの中には、顔見知りの数人の学生と二人の老人が乗っている。


 お気に入りの後ろから二番目の席が空いているのを確かめると


 ホッとして、歩いて固いクッションに座る。

 


この席は中学校に入学して初めてこのバスに乗った時に座った場所で、


 地元の友達が進む高校とは違う

 

 少し離れた学校に進んだ私には知り合いもおらず、


  小さな緊張と期待を感じていた。



 桜はもう地面に舞い散り、道路の端にゴミのように集められていた。


 それを見た私は少し胸が痛んだが、結局何もすることもなく


  窓の外を眺め続けているだけだった。



 


 そんなことを思い出していると、いつの間にか学校前のバス停に着いていた。


 定期を見せてバスから降りた。


  学校に入って靴を履き変えて教室に向かう。

  

  中では昨日と変わることのない光景で、男女の喋り声が響いている。


  席につくと大程一緒にいる友達が私を見つけて、


  「おはよう」と声を掛けてくれたので返事をした。

  

 

  間もなく担任が入ってきてHRが始まった。


  皆ぞろぞろと自分の席につき始める。



  担任の話を所々聞きながら外を見ると、


   もう太陽が昇っていた。


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