プロローグ
薄暗い空間。
しばらく目を開けていたせいか、
段々と周りが見えてくる。
窓から微かに入り込んでくる電灯の光が私のカーテンを照らす。
眠れない。
目を閉じると、瞼の裏に何かが張り付いているような感覚に襲われる。
ここ最近、何をしていても無気力だ。
考える事すら面倒で、全ての物に対する興味や関心を全く感じない。
でも何故か、今涙が流れている。
何も感じないはずなのに、
目から生温かい液体が頬を伝っている。
疲れた。
億劫だ。
他は何も感じない。
目の回りは熱いのに、手先は冷えきっていた。
喉が渇いてきて、ベッドから起き上がり
ティッシュで涙を拭きとった。
音をたてないよう台所に行き、コップに水を入れ、
再びに部屋に戻り一口水を飲んだ。
一気に何もかも気力を失い、
テーブルの上に無造作に置いてある
睡眠薬を取り、水と一緒に飲み込んだ。
布団を首元まで引っ張り、ゆっくりと目をつぶると
さっきまでの瞼の裏にあった物は消え、
黒い布が覆いかぶさるようにして、
ようやく私は眠りについた。