第二話:出会いと、揺れる心
「ノブオ様、スライムを倒した時の剣技、見事でした!」
始まりのダンジョンから帰還したノブオに、一人の男が声をかけてきた。男の名は、服部半蔵。ノブオの父に仕える家臣の一人だ。
「半蔵殿、過分なお言葉です。ただの偶然です。」
ノブオは謙遜して答えた。しかし、半蔵の目は真剣そのものだった。
「いえ、偶然ではありません。ノブオ様は、ガチャに頼らずして、己の力でモンスターを倒した。それは、並大抵のことではありません。私には、ノブオ様こそ、この小国を救うお方に見えます。」
半蔵の言葉に、ノブオは少し困惑した。彼はまだ、自分の力に自信を持てていない。ガチャに頼らない自分の選択が、本当に正しいのか、不安を感じていた。
その日の夜。ノブオは、自室で神の声に悩まされていた。
「半蔵は、お前のことを見くびっているぞ。ガチャを引けば、もっと強くなれる。彼を見返してやれ。」
神の声は、ノブオの心に囁き続ける。半蔵に認められたい、というノブオの願望を突いてくるのだ。
「うるさい!」
ノブオは、思わず大声で叫んだ。
「なぜ、ガチャを引かなければならないんだ! 自分の力で、強くなりたいんだ!」
ノブオは、激しい怒りを覚えた。神の声は、彼の意志を揺さぶろうとしている。
その時、部屋の戸がノックされた。
「ノブオ様、よろしいでしょうか?」
半蔵の声だ。ノブオは深呼吸をし、落ち着きを取り戻した。
「入れ」
半蔵は、静かに部屋に入ってきた。彼は、ノブオに一通の手紙を差し出した。
「これは、近隣の大名、武田家からのものです。我々小国に、
同盟を申し出てきました。」
武田家。それは、この地域で最強を誇る大名家だった。彼らとの同盟は、小国にとって大きなチャンスとなるかもしれない。
「同盟……ですか。」
ノブオは、手紙を手に取った。その時、再び神の声が響いた。
「武田家との同盟は、ガチャを引く絶好のチャンスだ! 彼らは、強力な武将や武具を持っている。お前も、彼らの力を手に入れろ!」
神の声は、武田家との同盟を、ガチャを引くための口実にしようとしている。ノブオの心は、激しく揺れ動いた。
「半蔵殿、武田家との同盟は、本当に必要なのか?」
ノブオは、半蔵に問いかけた。
「はい。武田家の力があれば、この小国は安泰です。しかし、それだけではありません。武田家との同盟は、ノブオ様が活躍する舞台を広げることにも繋がります。」
半蔵は、真剣な眼差しでノブオを見つめた。彼の言葉は、ノブオの心に響いた。
ノブオは、決意を固めた。ガチャに頼らず、自分の力で、この国を守る。武田家との同盟を、そのための第一歩にする。
「分かりました。半蔵殿。武田家との同盟、積極的に進めましょう。」
ノブオは、力強く答えた。そして、心の中で、神の声にこう告げた。
「俺は、お前の言う通りにはしない。俺は、俺の力で、天下を取る!」




