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第08話 何もなく一週間経過、夜のこと

 目が覚めると、日差しが目に入ってきた。 私は手を伸ばして、眼鏡を手に取る。 いつものように体を起こして立ち上がり、机に座ってパソコンへ向かった。

 昨日思いついていた小説の内容を、まだ文章に起こしてない。 寝起きだが息つく(ひま)もなく、私は小説を書き始めた。

 昨日のことを思い出した。 葉月(はづき)に無理やり学校に連れていかれて、その後二見(ふたみ)さんって子に出会って、一緒にチェーン店のカフェで活動したんだ。


 私は文章を書いている手を止めて、パソコンを操作していった。 ふだん使っている大手小説サイトを表示させて、葉月のユーザーページに行ってみる。

 メッセージを確認しても、昨日別れた後にはなにも来ていない。 今のところ、特に動きはないみたいだ。

 画面をそのままにして、私は立ち上がった。 風呂に入るべく、家の1階へと向かった。


 暗い脱衣所に入って、汗にまみれた服を脱いでいく。

 もうパンツが古くなっていたことに気づいた。 雑に洗濯しているからか、それとも安物を買っているからか、悪くなるのがめっちゃ早い。

 私はクタクタになったパンツを丸めて、洗面所の横にあるゴミ箱に投げ捨てた。


 洗濯を終えると、カラスの行水で体を洗い終えた。 いつものように電気をつけずに、残り湯に浸かりながら考える。

 葉月は『部活』を作りたいんだっけ。 うーん、部活ねぇ。

 今どきネットが当たり前なんだから、学校なんて小さな枠組(わくぐ)みだ。 そこから飛び出して、柔軟(じゅうなん)に活動するのは、私は悪くないと思う。

 しかし外での活動となると、学校の部活とは色々違う点がある。

 部室がないから、昨日みたいに活動する場所を決めなきゃいけない。 もし活動場所が決まってないなら、誰かが言いだして『この場所で何時から活動ね!』と言わなければ、集まることにすらならない。

 昨日、歩き回って活動場所を探したけど、いちいち探すのも面倒くさい。

 こう考えてみると、学校の部活というのはそれだけで環境を整えてくれていることに気づく。 うーん、学校の部活って意外と良いものかもね。

 ……とりあえず、葉月からの連絡を待ってみよう。 そう思いながら、私はお湯を出た。




 と思ってたら、一週間何もなし!


「無いんかいっ!!!」


 私は一人でツッコミを入れる。


 夜、部屋の電気をつけて私は机に座ってパソコンに向かっていた。 1日の終わりだから私の(かみ)の毛はボサボサで、体からは異臭(いしゅう)が発せられている。

 パソコンに向かっていて、目の前には小説サイトの葉月のユーザーページが表示されていた。

 この小説サイトには、SNSみたいな機能がついている。 普通のメッセージ以外にも、簡単なチャット機能などもあるのだ。

 しかしメッセージは来てないし、他のところにも何も書いてない。


 画面をそのままにして立ち上がると、私は部屋の外へ向かった。 向かうはトイレである。

 水分を飲みすぎているから、頻尿(ひんにょう)になってしまっている。 トイレに行く回数も半端(はんぱ)じゃないのだ。

 私は静かに部屋の扉を開けて、コソコソと抜き足差し足でトイレへ向かう。

 え、なんでコソコソしてんのかって? そうよねぇ、私も分かんないわ。 なんとなく、同居人との摩擦(まさつ)を可能な限り減らしたいのである。


 トイレの扉もそうっと開けて、静かに閉める。 ズボンを下ろして腰をかけると、かっこよく頬杖(ほおづえ)をついて、『考える人』のポーズを決めて考える。


 葉月は、小説を書く活動がしたいんじゃなかったのか? あれから放置って、どういうことだろう。

 もう一人の『二見さん』はどうなったんだろう? 葉月と一緒に公園で待ち合わせた、びっくりするほど特徴がなかった、空気みたいな女の子。

 あの子とも、私は連絡を取ってない。 この一週間、本当に何もなかったのだ。

 学校で(いそが)しいとかだろうか。 いや、葉月は夏休み中の学校は、小説を書くためだけに行っていると言っていた。 補修(ほしゅう)があるとかでもないんだろう。

 ……放っておいてもいいのかもしれないけど、ちょっと気になる。


 部屋に戻ると、私は再びパソコンの前に座った。 葉月のユーザーページから、メッセージを送ってみる。

 『どうする?』と一言書いて、送信した。

 一瞬で返信が来た。 『やりますっ!』だそうだ。

 はやっ! 早すぎて、BOTにでも話しかけてんのかと思ったわw

 向こうもパソコンの前で座ってるんだろうか。

 とりあえず、葉月はやる気はあるらしい。

 続けてメッセージを書いてみる。 『どこで?』と書いて、送信っと。

 ……。…………。………………。 1分経過、3分経過、1時間経過……。


「来ないんかいっ!!w」


 私は再びパソコンの前で、一人でツッコミを入れる。

 まあいっか。 気にせずに、自分のことをやっていよう。 葉月が生きてるのは分かったし。

 私はユーザーページを離れて、再び自分の小説を書き始めた。

 そうめん食べよう!(黒縁)

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