豆苗への盲目的了見を悟った
100均の店に行ったら、2個よりどりで100円の種の袋が並んでた。今まで、種を買って植物を育ててみようだなんて考えたことすら無かったが、俺の『なんか植えたい病』はまだ続いてる。この種は声無き声で俺を呼び止めた。
これは、未来の人工食糧難に対する俺の無意識な恐怖が引き起こす現象であると自覚はしてる。
スナップエンドウの袋を手に取り、もう一個はどれにしようか? 葉野菜の育成は俺には絶対無理だろう。ダイコン、にんじんみたいな根菜は場所的に無理。仕方がないので、食えないが、ネモフィラという青い花の種を選んだ。
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袋開いてビックリ。
ネモフィラの種って粉かよ? こんなんから芽が出んの? ・・・って、まいたら芽が出て来たよ!
けどさ、芽って繊細だよね。夜中の強い雨に打たれて瀕死。種さん、ごめん。種からはムズい。苗を売ってる理由を改めて認識。
スナップエンドウも5本、ひょろひょろ伸びて来た。で、ツルが絡む用に設置したネットの前にプランターの位置を変えてた時に、ちょっとぶつかったら、2本折れてしまった。これしきで折れるとは、なんて繊細なんだよ。お前らひ弱過ぎんだろ? 折れたらもうダメ? けど、スーパーで売ってるスプラウトの豆苗って、水に漬けとくと2度目も生えるらしいから、なんとかこれも生き返って貰いたいとこだけど。
・・・って、ん(´・ω・`)? 待てよ。そういや豆苗って苗じゃん! 字面がまんまマメのナエじゃねーか。
もしかしてタネ買って苦労しなくても、豆苗買って育てたら豆が出来るってことだよな・・・?
なーんでもっと早く気づかなかったんだよ、俺?
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休日の朝、摘んで小さなボールに入れたイエローストロベリーグァバを食おうと、キッチンで洗ってた。
「うちでなったやつ。ガサツも食べてみる? イエローストロベリーグァバって言うやつ。ネットで見たら、皮ごと食べられるらしいよ。俺は半分に切ってスプーンで食べるけど」
「ふーん? でもここは取った方が良くない?」
ガサツは黄色い実を1個、ボールからつまみ、おしりについてるギザを指でピッピとむしると、おもむろにパクッと食べた。
「・・・うん、ウマイ。イチゴっぽい味するね〜」
「え? イチゴ!? ホントに?」
俺はその味には今まで全く気づかんかったけど、もしかして名前の由来はそこだったのか?
そう言われてから食してみると ((( ;゜Д゜)))!
アレレ? ホントだ! 今さらだけど、本当にイチゴ風味が仄かにあることに気づいたという・・・
ふぁ~・・・言葉で受けた脳の認識によって、味が違って来るもんなんだね〜。
でも、この甘酸っぱさは、さっぱりしたイチゴの甘さとは全く別物だよ。やっぱトロピカル味。
人間の感覚は全ては脳の認識だって、改めて知った感じ。
情報と脳+体験。
刺激を受けた神経は、脳に電気信号で伝える、というならば────
個人が個人である為の脳に、外部の意図によるマッドなテクノロジーにて、妙な働きかけされたらえらいこっちゃだよな。身体の外からも内からも、世界規模でやられたらたまったもんじゃねーよ。