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腐りかけの果実  作者: しゃむしぇる
二節 開花
80/88

4-2-2

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 数日後、エリーが煙草を買いに出かけると……ある人物と出くわした。


「おや、こんなところで出会うとは。偶然ですねぇ~。」


「テメェは……。」


 エリーと出くわしたのは眼の吸血鬼。


「いい趣味じゃねぇぜ?人の体に変なモンつけやがってよ。」


「その節はすみませんねぇ~。あぁでもしないと、あなた方の居場所がつかめなかったものですから。」


「まぁいい、んで何の用だよ。」


 買ったばかりの煙草の箱を開けて、エリーはそれを吸いながら眼の吸血鬼に問いかけた。


「これの回収と……。」


 眼の吸血鬼がエリーの体に向かって手を翳すと、彼女の体につけられていたマーキングが外れた。


「あなたの健康確認ですよ。アレ、使ったんですよねぇ?」


「使ったよ、おかげさまでアタシもテメェらの仲間入りだ。」


「そんなに悲観するようなことではないんじゃないですか?事実命は助かり……強力な力まで使えるようになりましたよねぇ?」


「まぁな。ってかよ、一つ聞きてぇんだが……結局テメェらは何がしてぇんだ?敵だったアタシを助けたり、わざわざ依頼してきたりよ。またアタシはテメェらに牙を剝くかもしれねぇんだぜ?」


 その問いかけに眼の吸血鬼は、少し困ったような表情を浮かべると苦笑いしながら言った。


「残念ながら、それは私でもあずかり知りませんねぇ~。」


「テメェら自身が知らねぇってのはどういうこったよ。」


 その発言にはさすがのエリーも呆れてしまっている。


「なんと言っても、こちらも上からの命令を遂行しているだけですから。」


「上?」


「えぇ、上です。私たちはただの働きアリにすぎないのですよぉ~。」


「達ってことはヴラドの野郎もか?」


「彼もその枠に外れていませんよ。皆上の命令を遂行する働きアリでしかないのです。」


「ハッ、まぁ良い。テメェらの事情なんざ深く知るつもりはねぇ。ただ……またアタシの前に立ちふさがんなら……ぶっ殺す。」


「おやおやぁ~ずいぶん強気になりましたねぇ。」


「不幸にもテメェらと同じ土俵に立っちまったからなぁ。」


 いつの間にかエリーの手には血液でできた鉤爪が装備されていた。


「おぉ、怖い怖い……ではこの辺で失礼しましょうかねぇ~。」


 一歩目の吸血鬼が踏み出すと彼の足元に巨大な目が現れる。


「それでは、失礼します。その力、ぜひ有効活用してくださいねぇ?」


「言われなくてもやってやらぁ。」


 そしてエリーが瞬きした次の瞬間には眼の吸血鬼は目の前から消えていた。

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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