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エリー達がラボへと戻る道中、煙草を咥えていたエリーの口元からポロリと火がついたままの煙草が落下する。
「おい、エリー。煙草……っておい!?」
バリーが助手席に座るエリーに目をやると、彼女の腹部に大量の血が滲んでいた。
「エリーお前っ、けがしてるじゃねぇか!!」
「死に土産に……はぁ、良いモン置いてきやがったぜあの野郎。コフッ……。」
エリーと黒井の戦いの決着がついたあの瞬間、コンマ一秒首を切り離すのが遅れ、エリーは腹部を黒井の触手に貫かれていたのだ。
血の溢れ出している腹部にエリーが手をやると、べっとりと自分の血が手に付着する。どうやらとめどなく溢れ出しているらしい。
「気張れ、もう少しで着く!!着けば姉さんが何とかしてくれるはずだ!!」
「え、エリー……。」
徐々にエリーの意識が混濁し始める。それとともに急に体が冷えてくるのを彼女はその身で感じていた。
(やべぇ……体が急に冷えてきやがった。この感覚、何回も感じたあの時の……死ぬときに感じるやつだ。)
自分に差し迫る死の予感……。普通であれば絶望する状況だが、エリーはふとあることが気になっていた。
(もしここで死んじまったら、また時間は戻んのか?しばらく死んでねえからわかんねぇ。でも、ま~たあのクソ野郎と殺りあうのは……めんどい…な。)
そしてエリーの意識は闇の中へと沈んでいくのだった。
「……ん……あ?」
次にエリーが目を覚ますと、彼女はベッドの上に寝かされていた。体を起こそうとすると、ズキンと腹部に激痛が走る。
「うぐっ、いっ…てぇ。」
服をまくって腹部を見てみると、包帯で綺麗に巻かれていた。それを見てエリーはふと笑う。
「ははっ、今回も何とか生き残れたのか。」
ずきずきと痛みが走る腹部をさすってエリーがベッドから起き上がると、部屋のドアがガラガラと音を立てて開いた。
「あ、エリー。目が覚めたんだね、良かった良かった。」
そして入ってきたのはリースだ。
「お袋……。」
「丸々三日、寝込んでたんだよ。帰ってきてすぐオペしたけど、本当にギリギリだったんだから。」
そう話しながらリースはエリーに繋がれた点滴のパックを新しいものに変える。
「あれから三日も経ってんのか。で、ヴラドの野郎どもの奇襲作戦はどうなったんだ?」
「あっちはあっちでしっかりと成功したみたいだよ。つい昨日報酬も置いてってくれたよ。」
リースはエリーのベッドの隣に置いてあったアタッシュケースを指さした。
「開けてみなよ。私はもう中身が何なのかは聞いたからさ。」
「ん。」
エリーはリースからそのアタッシュケースを受け取ると、ゆっくりと開けた。するとそこには、近代的な注射器が一本入っていて、何やら赤い液体で満たされていた。
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