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腐りかけの果実  作者: しゃむしぇる
第四章 一節 人と吸血鬼と
71/88

4-1-3

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 ヴラドが去ってからすぐに、メイの端末に情報をまとめたファイルが届く。


「エリー、これ……。」


「あぁ、なんでかわかんねぇが……お袋の気まぐれで吸血鬼どもに協力することになっちまった。そいつはその依頼の情報だ。」


「日時は明々後日、時間は夜22時……。場所は()()()()()()!?」


 驚き戸惑うメイにエリーは首を傾げた。


「その青木なんたらってどこのことだ?聞いたことねぇぜ。」


「山梨県にある富士の樹海のことよ。たしか数年前に立入禁止になってたはず……。」


 富士の樹海という言葉にピンと来た様子のエリーは口を開く。


「富士の樹海って言やぁ、よく行方不明になる……とかそういう噂のある場所だろ?」


「えぇ、こんなところにいったい何があるっていうの?」


「な〜んか、政府の奴らの実験施設があるらしいぜ。そこを跡形もなく破壊すんのがアタシへの依頼ってことらしい。」


 煙草を取り出し、火をつけて吹かしながらエリーは言った。


「だが、今回ばっかりはメイ。お前の力も必要だ。」


「私?」


「あぁ、今回の依頼……ただ破壊するだけが依頼じゃねぇ。研究記録も何もかも全部消さねぇといけねぇんだ。」


「なるほどね、確かにそういうことなら……私も一緒に行かないといけないわね。でも、私戦闘はからっきしだけど、大丈夫かしら?」


「問題ねぇ。死ぬ気でアタシが守ってやるさ。メイは大船に乗ったつもりでいりゃあいい。」


「ふふふ、それもそうね。それじゃあちゃんと私のことは守ってね()()()?」


「誰が王子様だよ。」


 そうして二人が笑いあっていると、そこにリースがやってきた。


「仲がいいようで何よりだね二人とも?」


「あ、リースさん!」


「話は聞いたよ、そういうことならバリーも一緒に連れていくといい。」


「バリーのやつも?こっちとしちゃあ、ありがてぇが……お袋は大丈夫なのかよ?」


「あらあら、だ~れの心配してるのかな?一応これでもここに居る誰よりも強い自信あるんだけどなぁ~。」


 にやにやと薄ら笑みを浮かべながらリースは言う。


「けっ、言ってろい。すぐに追い越してやるよ。」


「あはは何十年後になるかな~?ま、楽しみにしとくよエリー?」


 くつくつと笑うリースの背後にバリーが現れた。


「それじゃあそういうことだから。バリー、メイちゃんのことは頼んだよ?」


「了解しました姉さん。」


 そして現れたバリーに向かってエリーは問いかける。


「なまってねぇだろうなぁバリー?」


「この前のみたいな不覚は取らないさ。エリーは知らないだろうが、あの後姉さんにみっちりしごかれたんだからな?」


「はっ、お袋にしごかれたんなら安心だな。」


 エリーはそれが一体どういうことなのかを理解しているため、苦笑いすると同時に少し安心する。


「ほんじゃま、頼むわバリー。」


「おぅ、任せろ!!とは言っても、化け物と戦うのはエリーの任せるぞ?俺はそっちは専門外だからな。」


「あんだよ、そっちも手伝ってくれりゃあもっと助かんのによ。」


「そいつは冗談きついぜエリー。」


 そして三人はヴラドたちの作戦決行日まで、綿密なブリーフィングを行い当日に備えるのだった。 


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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