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ヴラドを自分の研究室の中へと招き入れたリースは、さっそく彼にここに来た目的について問いかける。
「さぁ、さっそくだけどそちらの要件を聞こうか?」
「うむ。そこにいるエリーから話は聞いたと思うが、政府の者たちが何やら我々吸血鬼の体を使ってよからぬことを考えているようだ。」
「その話なら聞いたよ。キミたちの体を使って人工的に怪物を作り出してるんでしょ?」
「そういうことだ。人間だけで完結している事象ならばまだしも、我々吸血鬼をも巻き込んでいる故……こちらでも無視はできぬ。」
そう言ったヴラドにエリーが苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら言う。
「もとはといえばテメェらが変なクスリばら撒いたせいだろうが。芦澤カナっつう吸血鬼さえ現れなけりゃあ、誰もテメェらの存在に気づくこともなかったんだぜ?」
「まったくその通りだ。それに関しては返す言葉もない。」
くつくつとヴラドは笑う。
「さて、ではそろそろ本題に入ろう。後日、我々は吸血鬼対策部隊の本部へと総攻撃を仕掛ける。」
「その手伝いをしろってか?」
「いや、自らの失態は自らで拭く。」
「じゃあ何をしろってんだよ。」
「我々が総攻撃を仕掛けている間、やつらの研究所を破壊してほしいのだ。研究の記録も何もかも跡形もなく消してほしい。」
「へっ、誰がテメェらに手ぇ貸す……。」
エリーが断ろうとする前に、リースが口を開いた。
「報酬は?」
「そちらの望むもの……こちらで用意できるものであれば、なんでも用意しよう。」
「へぇ、随分太っ腹じゃない?つい先日まで私たちだってその政府と同じようなことをしていたんだよ?そんな私たちに依頼をしていいのかな?」
「今のところ、しっかりと実力が把握できているのはお前たちだけだからな。それに政府の輩のように非人道的なことをしているわけでもないのだろう?」
ヴラドはリースの瞳の奥を覗き込みながらそう言うと、リースはクスリと笑った。
「あはは、まぁいいさ。エリー、いけるかい?」
そしてリースはエリーのほうに視線を向けた。
「はぁ、どうせ断るっつったってやらせんだろ?」
「まぁね~、この場を穏便に収めるためにも頼むよ。」
「わ~ったよ。」
一つ大きなため息を吐き出しながら、エリーは一つ頷く。しかしそのあと、エリーはヴラドのほうをにらみつけながら言った。
「言っとくがテメェらのために動くわけじゃねぇ。今後アタシらの脅威になりうるモンをぶっ壊すだけだ。」
「クク、どういう形であれ構わん。では契約成立だな。」
ヴラドは立ち上がると、彼の真下に巨大な目が現れた。
「詳しい日程は後日連絡する。満足な結果は得られた故、今日のところは失礼するぞ。」
「二度と来なくていいぜ。」
「我輩もそう願っているさ。」
そして不敵に笑うとヴラドは消えていった。
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