表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐りかけの果実  作者: しゃむしぇる
二節 対吸血鬼専門部隊
65/88

3ー2-9

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 一ノ瀬からの着信にメイは警戒しながら出た。


「もしもし?」


『お久しぶりですメイさん。』


「今日は依頼?」


『はい、実はこちらで吸血鬼が複数潜むアジトの場所を発見しました。2か所あるのですが、片方はこちらの部隊で制圧しますので、エリーさんにはもう片方を制圧していただきたいのです。』


「ふぅん?そっちの部隊だけじゃ片付かないの?吸血鬼実験で生み出した()()()()もいるんでしょ?」


 メイのその鋭い問いかけに、少しの間端末の先の一ノ瀬が言葉に詰まる。


『その情報をどこで?』


「別に?風のうわさで流れてきただけだけど?」


『そんな風のうわさで流れるほど、最高機密のセキュリティーは甘くありません。……まぁ、それについてはいいでしょう。深く言及するつもりもありませんから。』


 なにやら一ノ瀬は以前と比べると少し高圧的だ。そんな態度のまま、一ノ瀬はメイへと向かって問いかける。


『それで、受けていただけますか?』


「……。」


 メイは一瞬エリーへと視線を向けた。するとエリーは一つ頷く。それが了承の合図であることをわかったメイは、一ノ瀬へと答えを告げる。


「わかった。その依頼、受けるわ。」


『そう言ってくださると信じていました。それでは座標を送ります。至急向かってください。』


 それだけ言うと、一ノ瀬との通信が切れてしまう。


「だってさ、エリー?」


「依頼ならしゃあねぇさ、ナビ頼む。」


 準備を整えながら、エリーはメイに言った。すると、メイの端末に1件のメールが入る。


「メール?座標のメールかしら。」


 メイが確認するとそのメールの送り主は一ノ瀬で、今回向かう場所の座標と、末尾に一言あることが書いてあった。


『今回の依頼完了で、お二人への依頼は満了といたします。』


「エリー、今回の依頼で最後だってさ~。」


「はっ、たった2回出ただけで終わりか。ま、関係ねぇか金さえもらえりゃあそれでいい。ほんじゃ最後の仕事に行ってくるわ。」


 パイルバンカーの入ったアタッシュケースを携え、耳に無線をはめたエリーはラボを出た。そしてメイのナビゲートに従って、吸血鬼のアジトがあるという廃ビルの目の前へとやってきた。


『エリー、その廃ビルが吸血鬼たちのアジトらしいわ。潜入には気をつけて。何がいるか情報がないから。』


「わかってる。」


 エリーは無線を切ると、廃ビルの中へと一歩足を踏み入れた……その次の瞬間、エリーの背筋にゾクゾクと悪寒が走る。

 それと同時に彼女の肩にポン……と背後から何者かが手を置いた。


「こんなところで出会うとは偶然か?」


「テメェはっ……ヴラドッ!!」


 エリーの背後に現れたのはヴラドだった。彼はエリーのことを見下ろしながら、赤い瞳をキラリと光らせる。


「何の用だよ、それともここにいる吸血鬼どもってぇのはテメェのことか?」


「吸血鬼……?クク、なるほどそちらはそういう風に聞いてきたというわけか。」


 くつくつとヴラドは笑う。


「どういうこったよ。」


「それは中に踏み入ればわかること。せっかくだ、今宵は手を組んでやろう傭兵エリー。なぁに遠慮はするな。行くぞ。」


「お、おい!!テメェ引っ張るんじゃねぇっての!!」


 高らかに笑うヴラドに引きずられエリーはずるずると廃ビルの中へと連れ込まれるのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ