3-1-10
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エリーとメイはラボに戻ると、リースを交えて今後のことについて話し合い始めた。
「二人ともお疲れ様、ブリーフィングはどうだったかな?」
「どうもこうもねぇな。ただ、一方的に情報抜かれただけだ。」
「あはは、まぁ彼等がいま一番望んでいるのは吸血鬼についての情報だろうからね。その情報共有という意味でのブリーフィングだったんだろうね。」
「あいつらがその情報を有効活用できるかは、また別の話だけどな。」
「エリーに一人ボコボコにされてたものね。」
クスリと笑いながらメイが言った。それに対して呆れながらエリーが口を開く。
「アイツはダメだ。人殺しの経験がねぇし、実戦経験もからっきしだ。」
「黒井って人は?」
「知らね、まぁ部隊のトップだから、そこそこやるんじゃねぇの?」
「まぁ、やるやらないに関係なく、二人とは別行動を取るのは約束だからね。あっちはあっち、こっちはこっちさ。」
そう言ってリースは、エリーの前に修繕を終えたパイルバンカーを置いた。
「おっ、もう直ったのか。」
「ふっふ〜ん、ただ直っただけじゃないよ?本体の重量はそのままに、二発まで撃てるようにしたんだから!!」
「ほぉ〜。」
試しにエリーはそれを腕に装着し確かめていると、メイが口を開いた。
「そんなヤバそうなの食らっても、リンちゃんのところに現れた吸血鬼は生きてたんでしょ?」
「あぁ、アイツはどうやら他の吸血鬼と違って特別だったらしい。だが、お袋の改良のお陰で次は殺せる。」
自分のことを何度も殺した、あの憎たらしいヴラドの顔を思い浮かべ、エリーは殺意を剥き出しにした。
「やる気が高いのは結構だけど、私達が対策しないといけないのは、リンちゃんのところに現れた吸血鬼だけじゃない。ってのはもちろんわかってるよね?」
「…………あぁ。」
「よし、それじゃあ次はコレだ。」
そしてリースが今度取り出したのは瓶に入った赤い液体。
「吸血鬼を作る薬か。」
「うん、中に入ってる液体のことを調べてみたんだけど……99.9%血液で間違いないよ。」
「誰の………つったってわかるわけねぇか。」
「流石にそこまではね。でも一つ、吸血鬼って存在を根本から根絶する可能性は見出だせたよ。」
リースのその言葉で察したメイが口を開く。
「その血液を摂取して吸血鬼が増えているのなら……その血液の持ち主を消してしまえば…………。」
「そう、理論上吸血鬼はもう増えることはできなくなるはずだ。その存在に近付くために、二人には対吸血鬼専門部隊っていう最高の隠れ蓑を有効活用して欲しい。」
「……まさかお袋がほぼ独断で、アタシらにこの依頼を受けさしたのは最初からそいつが狙いか?」
「あはは、さぁ……どうだろうね?」
エリーの問いかけにリースはクスクスと笑みを浮かべるだけだった。
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