3ー1-6
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二人はすぐに近くの遮蔽物へと移動し、ロックの銃弾を躱す。しかしフクロウは遮蔽物へと走る途中足を銃弾がかすめてしまっていた。
「くっ……。」
柱の陰で足を押さえて苦しそうな表情を浮かべるフクロウ。その様子を見てエリーはあることを判断する。
(あの足じゃ戦うのは無理だな。アタシがやるしかねぇか。)
そしてエリーは一気に飛び出すと同時にハンドガンを二発撃つ。しかしロックは撃つ瞬間の銃口の位置を見極め、飛んでくる銃弾を腕で庇った。
「効かねぇぜこんな豆玉ァ!!」
エリーの銃弾を庇ったロックはすぐに重機関銃をエリーへとむけて放とうとするが、一瞬視界を腕で遮ってしまったことによりエリーの姿を見失ってしまっていた。
「チッ、狙いはこれか。」
すでにロックの背後に回り込んでいたエリーは持ち替えていたナイフをロックの首に突き立てる。しかし、皮膚を貫いた瞬間刃から硬い感触が伝わってくる。
「首の下にも金属仕込んでやがんのか。」
「残念だったなぁ!!」
ロックは乱暴に重機関銃を鈍器代わりにして背後にいるエリーを殴ろうとする。鈍重なロックとは違い身軽なエリーはそれを軽いバックステップで躱す。すると、何を思ったのか彼女は懐から煙草を出して火をつけて吸い始めたのだ。
「ふぅ……。」
「千載一遇のチャンスを逃して最後の一服ってか?」
「ば~か、足元よく見てみろよ。」
煙草の煙を吐きながらエリーは言った。警戒しながらロックが足元に目をやるとそこにはピンが抜かれた手榴弾が転がっていた。
「しまっ!!」
気が付くと同時にそれは爆発し、ロックの体は爆発に巻き込まれてしまう。それを眺めてエリーはぽつりと言う。
「いくら体に金属埋め込んでたって爆発の衝撃を逃がせるわけじゃねぇだろ?」
そして爆発が収まると、もうズタボロになっているロックが倒れていた。しかしまだ息がある。そんな彼にエリーは近づくとハンドガンを突き付けた。
「あばよ。」
一発引き金を引くと、今度こそロックの息の根が止まる。
「ひ、う、嘘だろ!?」
逃げ出そうとする半グレのリーダーの男。エリーは容赦なく男の両足を撃ち抜いた。
「あぎぃぃぃぃっ!!」
「テメェはそこで大人しくしてな。」
そしてエリーは怪我をしたフクロウへと駆け寄る。
「おい、大丈夫か?」
「掠めただけです。このぐらい……。」
そう強がってはいるものの、撃たれた場所が悪い、撃ち抜かれている太ももからは血がどくどくと溢れて止まらない。
「動くな、今止血してやる。」
エリーは慣れた手つきでフクロウの太ももに包帯を巻き、圧迫して止血する。
「ん、これであとはお袋が何とかやってくれるだろ。」
「……感謝します。」
「いいってことよ、ほんじゃ終わらしてくるぜ。」
エリーは這いずってでも逃げようとしていた男を銃で撃ち抜いて殺した。
「にしても、なんでこんな半グレがロックみてぇな用心棒雇ってやがるんだ?ロックの野郎はビジネスとか言ってやがったが……少し調べてみるか。」
エリーはロックたちが出てきた部屋の中を調べ始める。すると、巧妙に隠されたアタッシュケースを発見する。
「こいつが怪しいな。」
アタッシュケースにかかっていた鍵を銃で撃って破壊するとエリーはそれを開けた。すると中には見覚えのあるものが入っていた。
「……!!こいつはっ。」
中に入っていたのは赤い液体が入っている瓶。
「吸血鬼化する薬だ。まさかこいつで何かビジネスをやろうとしてたのか?……考えるのは後だ、今はこいつを持ち帰ってフクロウの手当てをしてもらわねぇと。」
エリーはそれを再びアタッシュケースにしまうと、怪我をしたフクロウを連れてラボへと戻るのだった。
フクロウをラボに連れて帰ると、すぐにリースが彼女の処置を施した。
「うん、一先ずこれで良し。まぁ一週間は安静だね。」
「ありがとうございます。」
「いいってことさ、ツバキのお付きさんだからね。キミ達にはしっかりとツバキを守ってもらわなきゃ。」
そしてフクロウの処置を終えたリースはエリーのもとへと向かう。
「お待たせエリー。」
「フクロウは?」
「大丈夫、あの分ならすぐに元の生活に戻れるさ。それで、ヤバいものを見つけてきたって言ってたけど、何を見つけてきたんだい?」
「こいつだ。」
エリーは赤い液体の入った瓶をリースに見せた。
「こいつは吸血鬼化する薬に間違いねぇ。前に死んだときリンの家で同じのを見た。」
「ほぅ!!これは思わぬ収穫だね。」
「こいつが何なのか、調べてもらってもいいか?」
「もっちろん!!お母さんに任せなさい。」
無い胸を張り、リースは自信満々にそういったのだった。
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