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狂乱武舞  作者: 鹿末玄胴爾
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第六話「意外」

 時は遡り金城がジェノサイズの戦闘員と鉢合わせた頃、倉沢達はーー


「林山、林山っ!! くそがっ……」


 襲撃に遭っていた。


 車は民家に突っ込んで大破し黒煙を上げ、道の真ん中に投げ出された林山は頭部を強打し意識が飛んでいた。

 何度も倉沢は必死に呼びかけるが、林山は頭から大量の血を流して目を覚さない。


 そんな倉沢の背後に一つの影が迫る。


「死んだんか。こいつは悪いことしてもうなぁ」


 肩に散弾銃を担ぎ、醜悪な笑みを浮かべる男。装着している服は金城が対峙した二人組と同じ物で、ジェノサイズの一員だ。

 倉沢は傀儡にされた『チンピラ』の存在しか知らず、裏にジェノサイズがいる事は知らなかった。


 睨みつけることしか出来ない倉沢の髪を掴み、その男は真顔で問いかける。


「お宅らのお嬢様は何処にいてはるの?」


「は?」


 問いかけの意味が解らず、倉沢は顔を引き攣らせた。そんな彼の顔をその男は本気で殴りつける。

 血を吹くのと一緒に二本の歯が飛んでいった。


 ふらつく倉沢を引き寄せ、額をぶつかり合わせる。


「名前はなんやっけ……。あー、おいっ!!」


「は、はいぃ」


 彼自身は目標を把握してないようで、済みの方で棒立ちしていた青年に声をかけた。

 青年は怯えながら倉沢達の方へ向かってくる。


 その青年の顔を見て倉沢は目を見開いた。


「……テメェ、このクソ野郎!!」


 倉沢は青年に飛びかかろうとするが、散弾銃の男に引きずり倒れされて腹部に銃口を突きつけられた。


「あんま動かんときぃ。撃つで? 容赦なく」


「つ、津田さん」


 抑え込む彼に対して青年は名前を呼び、話しかけた。津田と呼ばれた男は額に青筋を浮かべ、散弾銃の銃床を青年の顔面に叩きつける。

 青年は鼻の骨と歯を十本近く折り、泣きじゃくりながらその場に蹲った。


「腹立つわぁ。何でこんなカス共を使うんやろ」


「頭が悪けりゃあ空気も読めんやろ? 言われた事は何も出来んし、すぐケツ捲って逃げてまう」


「平岡のおっさん、イカれてもうたんかぁ?」


 口に出せば出すほど怒りを露わにし、倉沢を手放して蹲る青年に再度銃床で殴りつける。

 今度は左脚に叩きつけ、青年の脚はへし折れた。


「だすげ、ばっ……、やべでぐだっ」


 青年は助けてくださいと懇願するが、津田は聞き入れることなく黙々と甚振り続ける。


 それを倉沢は逃げるわけでもなく、見ていた。


「ゴミクズが」


 這いずって逃げようとする青年の後頭部に、力強く銃床を叩きつけた。皮膚を突き破って頭蓋骨を砕き、脳漿と変色した血液が溢れ出る。

 津田は顔を歪め、纏わり付いた血を払った。


「……銃、汚れてしまったやないな」


 最後に絶命した青年に銃口を向け、三発の鉛玉を撃ち込んで身体を粉砕する。

 血、骨、皮、肉と臓物が辺り一面に飛び散った。


「あ、しもうた。聞くの忘れてたわ」


 全身に返り血を浴びた津田は振り返り、倉沢を見た。


「なぁ」


「そっちに行ってもええかな?」


 散弾銃から内蔵の弾を取り出してばら撒くと、身体を屈めて散弾銃を地面に置いた。

 そして、倉沢と目を合わせながら両手を上げる。


「理由は」


「一人劇場で話した通りや。不満しかないねん」


「ふん。ならば、手始めに奴らを始末してくれ」


 倉沢の視線の先には、二台の黒色のバンと五台のバイクが走ってくる。

 彼らは武装しており、倉沢に殺気を向けていた。距離はおよそ四百メートル。

 ゆっくりと近づいてきている。


「お安いご用やね」


 証明するために散弾銃を拾い上げ、弾を込め直すと迷う間も無く即座に発砲した。

 先頭のバイクが乗っていた一人が上半身に穴を開け、絶命しながら後方の一台のバイクと衝突する。

 突然の裏切りに動揺し、全ての車がその場に停止した。


 彼のイカレっぷりに倉沢は口角を上げる。


 完全に的となったバイク乗りに次弾を撃ち込む。頭部が破裂し、その血を浴びたもう一人は勝手に転げ落ちるとバンに頭を打ちつけ、絶命する。

 最後の一台のバイクは方向転換し、逃げようとした。


「逃さへんで」


 逃げられずタイヤに穴を開けられ、軌道がズレてしまいガードレールにぶつかって崖の方に落下する。

 残りはバン二台のみとなった。


「何でバンは撃たないんだ?」


「防弾仕様や。あれは」


 津田を敵と見做した構成員がゾロゾロと降りてくる。全員が防弾チョッキを着け、強力な銃を所持していた。

 敵の人数は十二人、倉沢と津田は二人。


 迫り来る彼らに向かい、発砲しようとする。


 その時ーー


「ぐわああああぁ!?」


 一台のバンが突然爆発した。漏れたバイクの油に引火し、隣のバンも大爆発する。

 武装した兵士達は爆風に巻き込まれ、崖の方へ落ちたり火だるまになりながら悶え苦しんでいた。


「「なんやっ!?」」


 二人のところには寸前で爆発は届かず、目の前の惨状に度肝を抜いていた。

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