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狂乱武舞  作者: 鹿末玄胴爾
3/7

第二話「殺し屋」

「鞄の中に必要な物が全て入ってます」


 倉沢は鞄を金城に差し出し、それを受け取ると鞄の中から拳銃を二丁取り出した。

 マガジンを引き抜き、弾が空なことを確認して嵌め込むと次に状態の確認をする。

 スライドの硬さ、ハンマーや安全装置の作動性、最後にトリガーを引いて発砲すると凄まじい轟音が辺りに鳴り響いた。


「社長が愛用していたER-型の拳銃です。それを特注で仕入れました」


 真剣な眼差しをする倉沢を見て金城はため息をつき、拳銃を懐に入れた。


「殺し屋を引退した身だ。こんな大層なものは必要ないんだが……」

「私個人の決まりです。その型の銃しかありえません」


「……そうか。今度は大事にしないといけないな」

「えぇ、この世に同じものは二つもありませんから」


 何処か懐かしそうな顔をするが、すぐに切り替えて襲撃班に制裁を加えるため準備をする。

 着ていた作業着を脱ぎ、鞄の中にあった防弾チョッキを取り出して羽織る。

 外れないようにボタンをしっかり止めると、次に小型のポーチを腰へ巻きつけてその中に弾薬、短刀、もう一丁の拳銃を収納した。


 武器などを相手側から見えなくするために、脱いだ作業着をもう一度着直した。一段落がつくと金城は胸ポケットから煙草を取り出し、火をつけて煙を吐く。


「……林山は何処だ」

「休憩所に自分の私物を置いてるみたいで、取りに行きました」


 金城は吸うか? と煙草を差し出すと倉沢は頷き、受け取る。ライターを取り出す前に金城は自分のジッポを倉沢の手に渡した。

 軽めに頭を下げ、倉沢は火をつける。


「懐かしい味ですね」


 同時に上を向いて煙を吐き出した。


「あぁ、そうだな」


 煙草が燃え切る手前で火を消し、吸い殻を入れるポーチの中に放り込んだ。

 金城は腕を伸ばすと軽めな準備運動をし、車のドアに手をかける。


「倉沢、林山のことを頼む」

「はい。華麗に守りながら迅速に社長をサポートするつもりです」


 そう言葉を交わすと金城は車へ乗り込み、倉沢は自分が乗ってきた車に林山を誘導する。

 二人が乗ったことを金城は目で確認すると、エンジンをかけてアクセルを踏み走り出した。

 それと同時に倉沢も車を発進させ、互いに逆の方向へ向かった。


 誰もいなくなった解体現場に、怪しげな男が現れる。


「ーー元殺し屋か。厄介な相手だな」


 男は呟くとその場から踵を返した。

難しい!!

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