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氷血の魔法使い 〜死なない魔法と氷の魔法使い〜  作者: もりりん
二章 対抗戦
9/11

[2-1]基本的なこと

 ここ、反乱軍対抗魔法学院では集会が行なわれようとしている。

 理由は先日、反乱軍がこの学校を攻めてきたからだ。それによりこれからの方針を説明するらしい。

 すると隣にいる裕翔が――

「やっぱり今年は対抗戦やらないのかな?」

 対抗戦。それは、この国にある4つの反乱軍対抗魔法学院がそれぞれの学校の実力を図るため、そして生徒の実力向上のために毎年開催する行事だ。

 しかし、今回は反乱軍がうちの学校に攻めてきたので対抗戦をするのかわからない。

 そうしていると学園長が体育館に入り、周りの会話も無くなる。そして、集会が始まった……


 最初に、学園長が今回の襲撃について話しだした。

 内容は、神楽さんを反乱軍が狙って襲撃したことを告げ、そして先生たちのほとんどが出張に行っていて、反乱軍の撃退に支障が出たことに対して謝罪していた。

 そして、次に神楽さんが舞台の上に上がってきていた。

 そして話し始める。

「今回の反乱軍からの襲撃は私が不死鳥という一族だからです。不死鳥の一族は他者に炎を浴びせることで命を与え、傷や病気も治すことができます」


 「それが反乱軍にとって不利益だったのか今回、私を狙いに襲撃してきました。だからこそ、私のせいで皆さんに危険をもたらしました。でもごめんない。 普通は再び襲撃される恐れがあるため退学するかもしれませんが、私はこの学校に残る理由があります。それは5年前、反乱軍の襲撃により、弟は反乱軍になってしまいました。だからこそ、弟を助けるため、反乱軍に復讐するために、ここで力をつけます。だから許してもらおうなんて思いません。でも、それでもここに居させてほしいです。お願いします」


 そして、神楽さんは深く頭を下げた。……それから、周りから拍手が鳴り響く。

 それは神楽さんを歓迎するように、この学校に居ても大丈夫というメーセージのように聞こえた。

 そして、神楽さんはもう一度、頭を下げて、舞台から降りる。

 僕は、どうしても神楽さんをお姉ちゃんと似ていると思ってしまう。

 神楽さんは自分が反乱軍に狙われていると知った。でも、自分が出ればみんなが助かるとわかったら割って出た。もう弟を助けれないかもしれないのに。

 それは、僕をかばって助けてくれたお姉ちゃんと……


 僕は、そこで思ってしまった。


 神楽さんは自分を犠牲にしてみんなを助けようとした。

 でもそれは神楽さんが弟を反乱軍から助けることができなくなってしまう。

 もしお姉ちゃんが神楽さんの状況で弟の僕とみんなを天秤にかけたらどうするのだろうか?


 僕にはそれが分からなかった……


 そのあと、葵先生が舞台へ上がった。


 そして……


「今年は反乱軍がこの学校に攻めてきたが、各学校と話し合い、結果、対抗戦は実施するとなった。」

 そこでみんなは驚いていたり、嬉しそうにしていたりなど様々だった。

 実際、僕も驚いたし、嬉しかった。魔法を実戦で使えると思うとワクワクしてくるなー。

 裕翔なんて、体で小さく踊っているようだし。

 そして集会は終わったのだった。


 ……教室に戻り、席に座る。

 僕は、神楽さんに魔法が使えるようになったのは神楽さんのおかげだ。だから感謝の言葉を言いたい。しかし、聞きたいことがある。それは、神楽さんにとって気分の悪いことだ。

 すると、神楽さんが隣の席に座る。

「神楽さん。氷結病を直してくれてありがとうございます。」

「ううん。こっちこそ、ありがとうございます。あなたがいなかったら私は向こうにいたし、それに弟を助けることができる……あのね、実際私はあの時、なんで弟とみんなを天秤にかけて、みんなを選んだのか分からないの。気づいたら私が不死鳥と言っていた。そして、言った途端、私は後悔した。これで弟を助けることができないと……結果的にあなたが助けてくれたけど、私は姉失格ね」

 ……僕は、何も言えなかった。

 どっちを選んでも必ず不幸になる。それは紛れもない事実だ。


 ……だから


「僕は、どっちも不正解だと思います。 どっちを選んでも不幸になる。それは変わらない。そして、僕にもお姉ちゃんがいるんです。でも7年前、襲撃に合い、お姉ちゃんも反乱軍になってしまった。だから、僕もお姉ちゃんを救うために、この学校に入った」

「……そうだったのね。なんか変な話しさせちゃったね」

「いいえ、大丈夫です。それで、お姉ちゃんと神楽さんは、似ていると思ったんです。」

「……えっ?!」

「自分のことより、他の人を優先するところとか……」

「……えーと、それで、何が言いたいの?」

 神楽さんは頬を赤くさせながら聞いてくる。……どうして赤いんだろう?まぁいいか

「僕のお姉ちゃんは、失敗したり悪いことをしたらまず、謝ってくれます。だから、反乱軍から弟を救ったらまず謝る。そうすればいいんじゃないですか? 僕のお姉ちゃんならそうしますよ」

 悪いことをしたら謝る……ね。気づかなかった確かにその通りだ。

「なーんでこんなことができなかったのかな」

 こんな基本的なことが分からなかったなんて私も姉としてまだまだね。 

「うん、ありがとう。カムイ、また貸しができたわね」

「貸しは大丈夫ですよ。アドバイスなので」

 はぁー、やっぱりなんかカムイはずるいや、でも、

「そういうのは貰っといて損はないのと思うよ」

「……わかりました。じゃあ貰っときます」

「よろしい。さて、まずは救うところからね」


 そうして、私は再び誓った。――絶対に助けるって――

 二章に入りました。一章では戦闘シーンが少なかったのでカムイたちの戦いを見てくれたらなと思います。面白ければブックマーク、☆の評価お願いします。

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