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氷血の魔法使い 〜死なない魔法と氷の魔法使い〜  作者: もりりん
一章 氷血の魔法使い
2/11

[1-1]反乱軍対抗魔法学院

 暖かな春、満開の桜が散る中、僕は入学式を行っている。しかし、この入学式はただの祝の場ではない。

 

「反乱軍対抗魔法学院」

 

 この高校は、反乱軍から世界を守るためにできたエリート学校だ。――目的は反乱軍に対抗できる魔法使いを育成すること。

 その高校に僕、吹雪カムイは入学をした。

「次に新入生答辞」

 そんな声とともに一人の少女が席から立ち上がった。

「新入生代表、四季咲神楽しきざき かぐら

「はい」

 そして、その少女はゆっくりと舞台へ上がっていく。

 その少女は髪の毛が真紅のように赤く、髪は長髪のストレートヘアであり、誰から見ても美少女と言えるような少女だった。

 この反乱軍対抗魔法学院の答辞は、試験での首席合格者が務めることになっているんだったなーなどと考えていると……

「……これからこの学園で過ごしていきたいです。これで答辞といたします」 

 気づいたら、答辞が終わっていた。そして大きな拍手が彼女に送られ、彼女は自分の席に戻っていった。

「……これにて入学式を終わります」

 そして入学式は終えて、僕たち新入生は体育館から退場していく。

 そうして入学式は終わりを迎え、各自の教室へ向かうことになった。


 ……教室に着き、自分の席へ座って隣の席を見ると、入学式で答辞をしていた少女がいた。

「確か、四季咲さんだったっけ?」

「僕はかなり人見知りだから……中々喋りかけにくいし、でも隣の席だから、最初に話しかけて交流を深めておきたいし……」

 そうして、思考を巡らせていると……

「なあ? お前どこの地方から来たんだ?」

 前の席から声を掛けられた。声を掛けた人物は、黒髪の少年で、顔が目の前にあったからとてもびっくりしたけれど……

「ち、千葉だよ」

 ぼくが答えると、前の少年はうなずきながら「千葉かぁ。あ、ちなみに俺は新潟だ」

 へぇー、この少年は新潟出身なんだ。まだ行ったことないなぁ……と思いつつカムイは、少年に新潟のことを聞いた。

「……新潟は、食べ物が盛んに取れて、なおかつ武器の製造が日本一なんだ」

 そして、少年は一拍おいて……

「特にな、新潟の米が別品なんだ。今度一回食べてみろよ。絶対にはまるから」

「わ、わかったよ。食べてみる」

 少年は、話をしながら興奮気味に、カムイの顔に近づけてくる。

「おっと、すまん」

そうして、少年はカムイから離れていったが、少年は続けて千葉のことを聞いてきた。

 少年は積極的に聞いてくるものだから、カムイをもつられて話し始めた。

「千葉は、市街地が多くて経済の中心と言われてるんだよ。あと、竜が見れるテーマパークとか、キャンプ場があるね。都会だけど自然もあっていいところだよ」

 カムイが話し終わると、少年は目をキラキラさせている。

「――りゅ、りゅ、竜が見れるのか?」

「う、うん。」

 またもなお、少年は興奮しながら、カムイの顔に近づいてきた。

「俺、まだ竜を見たことがないんだ。テレビとかでは見たことがあるんだが、やっぱり竜の(うろこ)は鉄のように硬いとアナウンサーが言っていたんだ、なぁ、どうなんだ?」

「……うーん」

 ほぼゼロ距離での質問に、カムイは困りながら……

「触ったことはないけど鉄と同じくらい。もっと硬いかも。」

「そうなのか。あっ、竜は炎を吐くだろ。実際に見たのか?」

「うん。すごかったよ。観客席のところまで熱気が来てね。あと竜の迫力がとてもすごかった」

「そっかぁー、一回でも見てみたいなー」

「……えーと、テーマパークまでここから電車で2時間ぐらいで行けると思うよ」

「そうなのか?今度行ってみる」

「うん。すごく良かったから、絶対に損はないよ。……あっ、そういえば君の名前は何?」

 カムイは少年に名前を聞くと……

「俺の名前は勝又裕翔(かつまたゆうと)、お前の名前は?」

「僕は、吹雪カムイ」 

「そうか、カムイ改めてこれからよろしくな」

「こっちこそ改めてよろしく、裕翔」

「――おう!」

 そして、カムイは学校初めての友達できてよかったと思うのであった。


 ……裕翔と話して数分後、先生が入ってきた。その先生は背が高く髪は水色の先生で、見た目はとても優しそうな先生だなと言うのが第一印象だった。

「今日からお前たちの担任になる蒼龍葵そうりゅう あおいだ。これからよろしく頼む。あと一つ言っておく」

 そうして先生は声音を下げて言った。

()()()()()()になりたくなければ、死ぬ気で努力しろ」以上。

 その言葉を聞いた周りのクラスメイトの顔は引き詰まったようだった。

「最初の授業は実技だ、校庭に集まるように」

 先生はそう言って先に行ってしまう。そうして入学早々クラスの雰囲気は重いものだった。


 ……そして一時間目、僕たちが校庭に着き、先生は授業内容を言った。

「これからお前たちの魔法の素質を見る。好きなやつから並んであの木に魔法を放て。ちなみに木には防御魔法が付与されているから全力でやれ」

 そうして自信がありそうな生徒は前へ行き、魔法を木に放っていった。

 

 この世界には下からE級魔法、D級魔法、C級魔法、B級魔法、A級魔法、そして最高ランクのS級魔法がある。

 E級魔法を使うのは難しくないがその分、威力が下がる。

 一方でS級魔法はとても扱いが難しいが、その分、威力は凄まじい。

 そして人には得意属性というものがあり、基本的に人々は得意属性の魔法で戦う。なぜなら、得意属性の魔法を扱うことにより、威力が上がり、なおかつ、魔法の制御がしやすいからだ。

 人によって様々な得意属性があるが、魔法は火属性、水属性、風属性、土属性、光属性、闇属性が基本属性で、約9割の人間がこの6つの中で得意属性が決まる。残り1割は多彩で、僕の得意属性の氷属性とかもこれに入る。

 そして、得意属性は一人につき、一属性であるが、イレギュラーな場合もあり、一人で複数の得意属性を持つこともある。

 ……そんな中、四季咲さんの番になり、周りの歓声は大きくなっていった。

「火の精霊よ。我に加護を与え、炎の渦となりて、敵を殲滅せよ――インフェルノブラスト!」

 詠唱を終えて、放った炎の渦は木を覆って爆発した。威力は絶大で、防御魔法を張った木には傷がかなり入っていた。

 そして、再び周りからの歓声が響いた。

 四季咲さんが放った魔法は、火属性の魔法でおそらくAランク魔法。

 Aランク魔法は一流の魔法使いでも扱うのが難しいとされる魔法である。

 

 そうして、次々とクラスメイトが魔法を放っていく中、最後にぼくの番が来た。

「最後に、吹雪カムイ始めていいぞ」

 先生はそう言って開始を合図を出したが僕は、葵先生に話しかける。

「どうした吹雪」

 そうして僕は、先生に言ったのだった。この禁断の一言


「僕は魔法が使えません」――と

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