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第八話……『ブレイング・バースト』

店内に木霊する大きな音で、 意識が浮上する……


「はっっ!!」


バッ!!と勢いよく状態を起こした


意外と意識がはっきりしている、 今の状況は……


「しゅみ!?」「しゅう!?」「みしゅ!?」


三体の鳥頭が俺を見る、 みな一様に驚いた様子だった


(バットを持った個体が居ない……)




……バットを持った敵は君がもう倒したよ………



「あ~、 倒したのか、 じゃあ……あと3匹か」


確かに不思議と倒した実感があった、 見ていないのにも関わらず………


「まあどちらにせよ、 やる事は変わらねぇ……てめえら覚悟しろよな?」


彼に恐怖心はもう無かった、 恐怖心は薪だ、 恐怖したからこそ今彼の内側では大炎が巻き起こっている


「っても、どうやってやったんだ?」


呑気な思考、 その間に敵は動き出して…………


「あっ、 思い出したわ、 叫ぶんだったな」


「ブレイング・バースト!!」


その瞬間、 目の前まで迫ってきていた敵の一体がすごい勢いで吹っ飛んだ


見た瞬間理解する、 空気圧だ……


(ブレイング・バーストは一瞬の内に空気を超高密度に圧縮して放つ攻撃なんだ……)


行ける!!


と、 既に2体の敵が迫ってきていた


鋭い爪が自分を捉えようとすぐそこまで………


「ブレイン……言ってる暇ねぇ!! ふおりゃ!!」


またしても不格好に横方向に飛び込む


爪が足を掠めるが、 擦り傷レベルだ、 どうとでもなる、 だからあまり気にせず跳ね起きの要領で起き上がる、 そして敵に向き直り、 今度こそ叫ぶ


「ブレイング・バースト!!」


「しゅみ!?」


またしても吹っ飛ぶ、 断末魔の叫びの何と情けない


「次!!」


力を示せ、 連続攻撃だ!!


「ブレイング・バースト!!」


バースト……バースト…………バースト………バー……………


…………へ?





……………………ブレイングバーストを再度打つには、 8秒のクールタイムが必要だよ…………




「もっと早く言えや!!!」


やばい、 やばい、 やば…………


「セイィ!!」


咄嗟の下段蹴り、 近接戦闘は散々練習した、 俺の土俵…………


大は小を兼ねるが、 大きな力を手に入れたからって、 小さな力を手放す必要は無い……


むしろ、 クールタイムがあるなら温存すべきで、 それまでは今まで通り、 肉弾戦だ!!


蹴りが入った敵はよろよろとふらついている……好機


今度は後頭部を狙って回し蹴りを放つ、 小さい子虐めてるみたいな感覚に思えて、 心が痛む………いや痛まねぇな、 こいつらモンスターだし


脳に強い振動が行ったためか、 敵は動かなくなる、俺は目を離さずに移動し、 自分のナタを回収、 慎重に再度近づき、トドメを刺した……


脳震盪を起こしてたな……そう言えば、 最初にタックルした敵はどうなった?


「しゅみヨ!!!!」


すぐ後ろから敵の気配、 起き上がってやがったか、 そりゃそうか…………


「温存しといて良かった」


「ブレイング・バースト!!」


「しゅみぃー?」


ドン、 ガラガラ


またしても棚にぶつかって崩れたらしい、 俺の欲しいもんまで駄目なってねぇだろうな?


まあ何にせよこれで、 万事解決……とは行かないよな


敵を倒した事による達成感が、 安堵をもたらす、 心にできた余裕が痛みを思い出させる……


「痛くなってきた……脇腹と背中の引っかき傷……」


でも……


「以外と背中の方は大した事無いな……なんでだ?」


周囲を見渡すとすぐに答えが見つかる、 背負っていたリュックが大きく裂けていた……


中身は………缶ずめが1つひしゃげて中身が溢れている……


そうか、 あいつらはリュックを知らなかったから、俺の体の一部だと思ってリュックの上から、 引っ掻いたり、 殴ったりしたのか


助かった………背中に伝わる衝撃で気絶はしたけど、

それも大したこと無かった……


この潰れた缶ずめが守ってくれたんだな……


一体何の缶ずめだ?俺の救世主は……


「ズ……ワイ……ガニ? ………ズワイガニ!?」


嘘だろ……こんなのって、 こんなのって……


「あんまりだぁぁぁぁ!!!」


店中に響くのも早速気にして居なかった、 強い力を手に入れたからか…………はたまた………食い物の恨みからか、 怒りが漏れるのを我慢は出来なかった……


…………


……………………


………………………………………………………………………




……さっきから聞いたことの無い声が、 騒がしい………


………侵入者だろうか?……


………子供たちは何をしている…………?


…………………反応が感じられない……死んでいる?


……殺されたのか?………またか………


………この一帯は我々、蛮鳥族の縄張りの筈なのに………


……最近は……我々と異なる種族の1人の戦士に、 子供たちがことごとく殺されている……


……重圧な刃をその手に持つ、異種族の戦士よ………ここに来ているのか…………


…………恨めしい……………


………お前は……………私が殺す…………………




深い闇の中で何かが動き出した……………



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