表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/153

第七話……「停滞」

ホームセンター『ココメリコ』の店内は人が多くても、 どこか静けさのある場所だった、 日用品、 雑貨、 家電、 園芸品、 工業用品、 衣服、 建築用品、 その他色々、 一見統一感のないように感じる所だが、 それぞれが主張し過ぎず、 色んな客層の人達が混じり合い、 未発見の楽しさと新鮮さを感じる、 何時までいても飽きない場所だ…………


そんな『ココメリコ』のある一店舗の中は、 嵐が過ぎ去ったような静けさが立ち込めていた


人影が1つその中で動く、 手には木製バットが握られた小学生位の輪郭


しかし、 悲しいかな、 本来そのスポーツで使われるその道具が打つべきボールはバットの置いてある棚の隣にあったのだが、 ボールでは彼らの興味は引けなかったらしい、さらに悲しい事に打たれたのは人間、 攻撃の為の武器にされてしまったようだ……


そして、 それを持つのは人間では無く、 恐ろしきモンスターであった……


そのバットを持つモンスターが、 今しがた打ち倒してやった1人の異種族の男に近づく


……動かない………


それを見て彼は、 楽しいと思った


勝利の高揚が彼の全身を刺激した、 とても叫んでやりたい気持ちに駆られる


「しゅみぃぃぃヨォふぁヤァァァァァ!!!!!」


決まった……そう思った


そう言えばこの異種族も叫んで居たな……


成程先程コイツが生き生きとして居たのは、 この感覚を知っていたからか……確かにこれは


………癖になる…………


もっと、 もっと戦いたい、 敵を倒したい、 今この体に駆け巡る興奮を、 もっと欲しい!!


望む力は、 どうすれば手に入るのかを脳に考えさせる、 多くの思考は脳の肥大化を引き起こす、 望む力が強いこの個体はきっと強くなる


そいつは思った、 強くなりたいと、 そう、 いつも我々に司令をしてくれる、 強く、 頭のいい、 母のように……いや、母すら超えて、 もっと、 もっと強く


不意に、 目の前に倒れる異種族がどんな顔をしているのか確かめたくなった……


強くなる為には、 必要な事だと思った


だからピクリとも動かない、 その異種族に顔を寄せて………………………


……………


「ブレイング……………バーースト!!!!」


驚いた、 その瞬間には吹き飛ばされていた


とてつもなく吹き飛ばされて……


ガシャン!!


背中を強打する、 痛い……


でもこの程度の痛み、 なんて事………………


バリン、 バリン


何かが降ってきて割れた、 一体なんだ……?


少ししてようやく自分がぶつかった物が何かわかった、 さっき自分達が蹴飛ばして倒してやったものと同じもの…………


それがぶつかった衝撃で崩れて倒れてきている


その個体はきっとこれからどんどん強くなる………


でも、 少なくとも今は、 動けなかったのだ……


ガシャン!ガシャン!ガシャガシャ!!


また店内に大きな崩れる音が木霊する、 さっきと違うのは、 そこに巻き込まれた奴がいた事……


咄嗟の時に身体の動かなくなった、 弱い個体が……



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ