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第十五話………「忍び失格」

抜き足 差し足 忍び足………………


(俺は忍者だ…………)


「しゅっ…………」「しゅみ!?」


(あ……………)


「あ……………」


一体を締め上げたら、 もう一体に気づかれてしまった……………


(こうなったら……………)


「もうなんでもありだ」


締め上げている敵はまだじたばたと元気だ、 締めを外し顔面に裏拳を打ち込む、 すぐ近くをランタンが照らしているから顔が見えない事も無いので当てやすい


「しゅみ!?」


(思いっきり声出しやがった、 もう無意味やん……)


彼の闇に紛れた戦いは未だ続いていた、 状況としては、 更に近づいてきた敵に対し忍び寄り、 片方を締め上げたものの上手くいかず、 結局薄暗い中近接戦に突入したとこである


(時間はかけたくねぇ………)


もう一体が攻撃を仕掛けてくる、 鋭い爪が当たり前みたいに身を掠める、 浅くとも痛い


「ちっ!! しねぇ!!」


「じじゅう!?」


前蹴り、 しかもつま先蹴を敵の鳩尾に突き刺す、 鳥頭はあからさまに悶え苦しむ


その姿を横目で見つつ、 先程顔面に裏拳を当てた敵を見る……………


(…………あれ? 普通にどこ?)


チクリ、 よく聞く刺された時の可愛らしい効果音だ、 これを2倍くらいにした痛みが足首に刺さる


足元に寝転がったままの鳥頭が嘴を広げて噛み付いてきていた、 そしてその体制のまま腕を伸ばして………


「ふっ!!」


掛け声とともにジャンプする、 噛み付いた嘴が擦れ足を更に傷付けるが、 お構い無しという事にする


ジャンプは噛み付いてる鳥頭の方に飛んだ、 嘴が引っ張られたためが、 すぐに鳥頭は嘴を開く


でも逃げない、 度胸とかじゃない、 先が読めてない……


俺は鳥頭にジャンプした、 そのままの体重が上から降ってくることを予想できないのか?


「しゅんん!?」


予想どうり鳥頭を全体重で踏みつける、 この体格差、 痛みで動けないらしい、 体制がいい、 こいつの頭も踏み抜き首の骨をおる


「次………」


爪先蹴を食らわせてやった敵は思い切りせいている、 立ち上がらないので慎重に蹴りを食らわせ、 虫の息になったのでトドメを刺す


「上手くいかねぇよ、 もう近接戦で戦った方が早いか、 死ぬのも早くなるかもだけど」


そう言いながらも、 ランタンを手に取り、 少し遠くに投げる


鈍い音を響かせながらまた地面に転がる、 今度はそこが狩場だ


足が痛い……………


ランタンが落ちた場所は光っているのですぐ見つかる、 光に寄せられる虫のように既に敵が4匹居る、 多い……


面倒くさくなってきた、 音を立てずに近づきながら、 地面の小石をひとつ拾う


それを4体いる敵より更に2メートル程奥を狙って投げる


音に気づいて2匹が向かう


(全員でも行くか、 1匹に行かせる、 または残される展開を望んでいたが…………)


更にひとつ石を取り、 敵の横方向に適当に投げ、 2匹がそっちを振り返ると、 死角になる逆方向へと回り込んだ


近い方にまた手を伸ばす、 声を凝らさねい方法、 喉を潰す…………


固く拳を作りながら、 強めに手を鳥頭の口元に当てる、 驚く敵に余裕を与えまいと、 拳を鳥頭の喉に思い切り打ち付ける


変な感覚が手に伝わる、 喉を潰してやった、 声も出ず、 もう一体も気付いていないようだ


(ふんぬ!)


敵の足を優しく払い音が立たないよう気をつけて寝転がし、 顔を踏み抜く


バキッ……… 鈍い音でもう一体が振り返るも、 俺は勢い良くしゃがみ、 反動を利用して立ち上がり顎目掛けて掌で打ち上げる


顎から脳へと振動が伝わり、 気絶する


「しゅみ!?」 「しゅん!?」


それを尻目に離れていったもう2匹が3メートル付近に近づいていた、 俺は光に少し照らされて居るのでこの中では目立つだろう


2体が更に迫ってくる、 だが…………


「もうめんどくせぇ…………ブレイング・バースト」


「じゅ!?」 「しゅみ!?」


鳥頭2体が吹き飛ぶ、 でかい声出しやがって……


(もういいや、 隠れながら襲って、 バレたら肉弾戦、 勝てればいいや)


彼の中の忍者は早速行方不明点になっていた……………


その後またランタンを投げ、 集まった所に開幕ブレイング・バーストを撃ち、 派手に音を立て、 ブーストで加速し、 隠れてからまた、 バーストを撃ち


変な表現だが、 派手にちまちま敵を削った、 確実性は死んだ、 陰気な感じは似合わないと言い訳しながら叫んでもやった、 結局いつも道理だ


暗闇の中、 自分は考えまくった上にゴリ押しも出来る、 鳥頭は考える頭がなく常にゴリ押し


その後30分程叫び散らしながら、 ランタン片手に走り回っても敵が姿を表さなくなった頃、 ようやく前に進む事が出来た


「へへへっ最高!! 上手くいってる!!」


上手くは行っているが、 考える事は山ほどある、 頭を冷やさなくてはこの先の勝利は見込めないぞ………


それは分かっていても……………


「やっぱ、 ド派手が気分良いぜぇ!!」


そんな事を言いながらキャラにも合わずピースサインをするのだった


………………………………………………………………………………


……………………………………………


………………………


………………やかましい声が聞こえる………


………………殺してやりたいぞ小僧………………………………


…………………


………………


………お前もそう思うだろ?………………………


巨大な闇が低い声を響かせ、 問いかける


小さな影がひとつ頷くように揺れたように見えた………




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