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第十一話……『暗闇照らせ』

落ちていく………………落ちていく………………………


「いや、 どこ行くねーん!!」


不思議な事がありました、 何と『ココメリコ』の床下には広大な地下空間があったのです…………


「そんな事あるーーーーーーーー!!!」


叫んでも、 音の反響すらしない程広い空間、 何もかもを覆い尽くして離さない程濃い闇の中彼は今……


「まじでーーどこまで落ちんだよーー!!!!」


信じられない事に落下していた


床下に空洞が有るとわかった彼は、 敵の挟み撃ちを回避するためにトイレの床を破壊した


何故それで地面が陥没しなかったんだ? と思う程簡単に床が抜け、 その下に広がっている闇へと落下していた


「な~んて分析が出来る程もう既に落下して居ます!!」


と、 言っているがぶつかってくる空気の圧が強すぎて実際はもごもごとした音が聞こえるのみであった


彼には今心配事があった、 それはこの下の地面がどうなっているかと言う事だ


「地面は無くて、 一生このまま………地球の神秘じゃ有り得ない………却下、 じゃあ漫画みたいにグツグツとしたマントルが見えてくる? …………まさか…………」


その瞬間、 下方向から物凄い突風が吹き、 加速していたであろう自分の体が少し減速する、 一瞬空中で体が停止したように感じた……………


「何? まじでぇぇぇぇぇぇ???」


刹那の疑問が沸いた瞬間風がやみ、 自分の体はまた重力に従い落下を開始した


「風ぇ!! もう1回!! もう1回ちょうだい!!」


その気持ちも虚しく体が加速する、 でもさっきより遅い


「あとどれ位だ?」




……………………5……………………4…………………………


(え?何が?)


………………………3………………………………




「ブレイング・バースト!!!!」


地面衝突まで、 それを理解する前に力を放つ、 前方向に空気の圧が発生し放たれる、 その勢いで自分の体は緩く減速した


どっさぁ、 よく分からない何かに突っ込む、 かなり体が痛いけど


「死んでねぇ……」


突っ込んだ何かがクッションになってくれた


「死んでねぇ……死ぬとこだった…………」


地面と衝突して確実に死ぬと思っていた為、 生存した事による安心感が軽い興奮状態を引き起こしそうになる


「ハハハッハハッハヒィッひぃぃ、 ゲホッゲホ」


普通にむせた、 興奮が冷めていく


「死ぬとこだったって、 いつもの事やん、 もういいや、 動こう」


体は素直に立ち上がる、 そうして気付く


「暗すぎ……何も見えない」


暗闇に落ちて暗闇にいる、 何も見えない事によって何をしたらいいか分からない、 持ってきていたライトもリュックにまんま置いてくる痛恨のミス………困惑する


「どうしようっぶげっらぁ」


踏み出そうとしてバランスを崩し転がる、 クッションになってくれた何かの上に彼は居たのだ、 数秒転がり、 固いものに頭をぶつける


「いってぇ!!何なんだよまじで」


頭を擦りながらぶつけた固いものに手を伸ばす


「これ……この形状、 ランタンだ、 多分オイルランタン」


アウトドアが趣味だった、 非日常な雰囲気が非現実的な雰囲気を味あわせてくれた、 だから軽くわかる


「火さえあれば…………」


何となく使い方は分かる


少しランタンの表面を弄ってみる


「ん? なんかこの摘み回せるな……………」


ぽわぁっと優しい光が周囲を照らす…………………


「………これアンティーク調の電池式ランタンやん………恥っずぅ、 知ってる感出しちゃったよ」


もう少し摘みを回す、 回すほど光が強くなっていく、 よくあるタイプだ


「まあいいや、 明るいし、 すぐ消せるし、 こっちで良かったまである」


言いながら周囲を照らす、 そして驚く……………


「死体やん…………しかも人間の………」


人間の死体の山いくつもができている、 その中の一つに突っ込んだのだろう


「今まで鳥頭が殺した人間たちか? こんなにいるの? ……………きも、 吐きそう」


死体は粘ついた半透明の何かで覆われて防腐処理されているようだった


家族もここに居るかも………そう思うと予想以上に堪える、 でも予想以上に何も思わないこの景色を見ても


「まあいいや、 俺のことじゃねぇし、 ランタン借りて………貰ってくぜ」


一様全体的に手を合わせていく、 それ以上どうする事も出来ない、 いや…………


「食われる為にここに置かれてるってんなら、 まあ安心しとけよ、 そいつらは全部俺が殺してやる、 その予定だからな」


考える事はまだ多い……それでも進め、 自分が信じた道をただひたすらに……………















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