表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

№4 吟遊詩人マリーは仕官したい~後編~

 昭和の歌姫降臨。


 ※あらすじ・・・マリー採用試験後編どえっす。


「なんでだどぉ~」

 と、カ〇ジ演じる藤原〇也ばりに、絶望感をあらわし、その場に膝をつき、うずくまるマリーだった。

「ワシはキュンとしたど」

 ディオラ王はすでに感化されている。

 親指と人差し指で「きゅんです」をやっちゃっている。

「父上、訛りが・・・マリー・・・あなた・・・」

 エリザは言葉を濁す。

「歌ヘタですね」

 エスメラルダは容赦なく言った。

「そんなおらぁの歌は、世界一だと!」

「甘いっ!」

 ぴしゃりとエスメラルダは言ってのけた。

「そんなんじゃ、世界は救えない・・・まず、あなたの歌には傲慢さが見えたわ」

「ぞんなあ・・・」

 2人はマリーの前に進み出る。

「聞きなさい」

 エリザは高飛車にうずくまるマリーを見下す。

「ああ♡」

 恍惚の表情を見せるマリー。

「私たちの歌を・・・あっ!・・・せーのっ!」

 やや首をしならせ、高圧的な表情を見せるエスメラルダだったが、慌ててエリザにアイコンタクトを送り決め台詞を言おうとした時、ごくり生唾を飲み込むマリーの音が2人に聞える。

「おふう♡」

 よ〇れを右手で拭うマリー。

「私たちの歌を聴いて~っ!」

「おひょ♡おひょ♡」


 それは懐かしい奏でる珠玉のハーモーニー。

 まるで由紀さ〇りと安田〇子のような郷愁といたわり安らぎ誘う歌声。

 銀河系ライブがはじまるのか思いきや、まさかの昭和歌謡的なコンサートであった。

「♪夕焼けこやけの~赤コォジィ~♪」

「なんやそれっ!」

 親父王がツッコミを入れる。

「感動したど!」

 2人が歌い終わった後、滂沱とマリーは涙をこぼす。

「だあにぃ!」

 目ん玉ひんむくディオラ王。


 そして、マリーは土下座して訴えた。

「おらぁ、2人に神を見たど、金なんていらねぇ、弟子に・・・弟子にしてけろ、おらぁなんでもする!するだあ!だいじょぶだあ!だから・・・だから・・・」

 マリーは涙を拭おうともせず、幼子のようにだだをこねた。

 懇願につく哀願・・・そして。

「駄目」

「なんでだとぉー!」

 絶望・・・。

 からの・・・。

「ああその絶望に打ち震える顔」

「素敵」

 2人は満足気に微笑み、札をあげる。

「採用よ」

「やったどぉー!」

 圧倒的至福っ!


 こうして、マリーはエリザ専属のメイドとなったのであった。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・。


「良かったですね」

 エスメラルダは悪戯っぽい笑みをエリザに見せる。

「なにが?」

 彼女は素っ気なく答えた。

「ふふふ」

「なにが?」

「楽しそうでしたよ」

「・・・ん、うん」

「ライヤさん」

 ぴくりエリザの身体が敏感に動く。

「ふふ、マリーさん彼女に負けないくらいのいいコンビになりそうですね」

「そんなこと・・・ないんだからねっ!」

 ぷいっとエリザはそっぽを向いた、だけど、その顔はほおを紅潮させ、まんざらでもなく笑っていた。


 マリー採用。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ