表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

リア充め、爆ぜろ!

作者: 朝木 花音


やってやった!

後悔は、結構している…


少し早いけど

皆さま Merry Christmas☆





 今日は土曜日。でもただの土曜日じゃない。今年最後の土曜日。そう12月25日! クリスマス! にもかかわらず、私は部屋着のまま化粧もせずにリビングでゴロゴロしている。生憎と出掛ける予定なんて無い。


 今朝は何時もの土曜日と同じように少し寝坊して、体温で暖まった布団から名残惜しいけれども抜け出した。カーテンを勢いよく開け突き刺さる日光に目を細める。お出掛け日和、なんだろうな。そのままの流れで窓を開けた。思わず出た寒いの文句を聞き流す。昨日まで雨続きで部屋の中がジメジメしてたからどうしても換気がしたかった。


 洗面所へ向かい歯ブラシを咥えつつリビングのカーテンと窓も開ける。雨で大気がリセットされたのか清々しい。陽当たりだけで三年前に決めたこのアパートは南に面した斜面に建ち、2階の部屋にもかかわらず景色がとても良い。運が良ければ遠くに小さく富士山が見える。ちなみに今日は運が良い。


 少しウキウキしながら洗面所に戻り洗顔して化粧水を塗りたくる。アラサーに足を踏み入れたからには面倒でもケアはしないと将来が怖い。前髪は洗顔した時のまま上げっぱなしでダイニングへ向かい、バナナを頬張り牛乳で流す。腹に入ればオシャレなバナナシェイクだって同じ内容物。ブレンダーなんて使った日には掃除が面倒ですぐ納戸行き。お気付きの通り、私は干物。効率重視でぐうたら大好き。


 一週間で溜まった洗濯物たちを洗濯機に放り込んでいる時に年末だということを思い出し、しょうがないやるかーとお風呂場掃除を始める。掃除は上からの基本に則り換気扇カバーに手を掛けた。うへぇ意外と汚ない。ここで駆使するネット情報。一番良さげな手順で掃除開始。あー、コーヒーの良い香り。飲むなら紅茶派の私だけどコーヒーの匂いは嫌いじゃない。おっと洗濯機が私を呼んでいる。アイロン掛けはめんどくさいと形状記憶のYシャツたちを皺になる前に洗面所に干し除湿機を稼動する。基本部屋干しな私。乾いたとこから着ていくずぼら。


 お風呂場の掃除を済ませれば既に昼。今日はちゃちゃっとチャーハンで。朝から頑張って掃除をしたからもうやる気が出ないのだ。ここで冷凍のカット野菜が大活躍。野菜って普通に買うと高いよね。道の駅とか安いって言うけどさ、行くまでの旅費を考えるとどうなのって。少し興が乗って玉子スープも作ってダイニングへ。今日はインスタントじゃない。私えらい。


 食べ終えれば流しを片付ける。当然の様に鎮座している朝に使って出しっぱなしのコップやマグも一緒に。食洗機欲しいな。でも土日しか料理しないしな。一年間非常にお世話になった電子レンジの中をクリーナーで拭いて、コンロは、明日でいいや。換気扇はよくわかんない機構のだからとりあえず手前の不織布だけ替える。これは絶対素人が手を出すと痛い目みるやつ。お金は掛かるが業者に頼もう。今は繁忙期で高いから来年に持ち越しで。気を取り直し冷蔵庫の中も片付ける。うへぇチューブ生姜が賞味期限切れてる。水分も無くなってカピカピじゃん。


 気付けば15時を回ってる。あーもー今日は頑張ったと、いつものように()()()に背を預けゴロゴロ開始。友人たちのSNSを見始めた。


 年末と言うか、クリスマス駆け込みと言うか。いつも以上にキラキラ女子が発生してる。


 横浜クルーズでプロポーズ。一生の思い出だよ!

 彼氏はこの前自慢してたあの実業家かー。

 クソッ、リア充め。ポチっ


 後輩と外回り中に見付けた紅茶専門店でテイクアウト。次は紅茶シフォン食べに来たいなー。

 これ後輩と言いつつ社内恋愛中の彼氏じゃん。

 フン、リア充め。ポチっ


 見て! この夜景! 一人占め!

 って、ガラスに彼氏写ってるから! このまま朝までよろしくするんでしょ!


「リア充め、爆ぜろ!」

「何物騒なこと言いながらイイネ押してるの」


 ()()()が後ろから体重を掛けてくる。


「だって周りのみんなリア充ばっか」

「ふーん。これはリア充じゃないの?」


 思わず後ろを振り返る。そこには私の旦那さま。


「何きょとんとした顔してるのさ」

「当たり前過ぎて忘れてた」

「クククク、ブハッ、ハハハハ」


 いやいや、そんな笑わなくても。確かに忘れてた私が悪いけどさ。結婚してもう三年だよ? 普通になるよね? もはや空気だよね!?


「ハハハ、じゃあさ、夫婦にしか出来ないリア充、する?」

「え? 何それ?」

「こ・づ・く・り」

「こづっ!?」

「そろそろ子供が欲しいなって。勤続年数的にそろそろ昇進するし、会社的にも順調だから給料も安定してるし。育休も取れるし俺は技術者だからテレワークに切り替えも可能だよ。なんなら産休中からテレワークでも良いね。ねぇ奥さま、いかがでしょうか」

「な!? ねぇ奥さまとか、プレゼンみたいに言うな!」

「プレゼンだよ? さすがに俺一人じゃ決められないからね」

「そんなんよろしくお願いしますしかないでしょうが!」

「あー、そうなんだ?」

「え、ちょ、今から!?」

「うん。気が変わらないうちに、ね」

「ひえっ」



 来年のクリスマスは家族三人で過ごす予定みたい (まる)



さあ皆さまご一緒に

『リア充め、爆ぜろ!』



注)旦那さま、叩き起こされて文句も言わずにちゃんとエアコンとか照明とか床とかトイレとか掃除してたからね!なんなら旦那さまの方が手際良し!



お読み頂きありがとうございました。

結構後悔している理由は活動報告にて。

2021/12/16  朝木 花音

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ