表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/310

「いってええなコラァ!」


 大声で威嚇するヤンキー君、なんかアレだ 精一杯吠えまくるチワワみたいだな。コイツは全然可愛くないけど。


「弱い犬ほど良く吠えるって言うけど…プッ」

「あああ?ブッ殺すぞお前らぁ!」


 煽り耐性が全然ないなー、そんなんじゃ社会に出たら詰むぞ? もう帰れないかもしれないけど。


「せっかくの雨なんだ、その臭くて汚いの洗ったらどうだ?」


 更に煽りながらUZIの銃口を向けた。

 俺の後ろでは、美鈴と霞も馬車から出てきて俺の持つサブマシンガンを見て固まった。


「はあ?なんだそりゃ、いい年しておもちゃで遊ぶなんて馬鹿じゃねーのか?オラァ」

「ん?これはおもちゃじゃないぞ?試してやろうか?」

「ああん? 撃てるもんなら撃ってみろや!」

「そう? んじゃ遠慮なく」


 ヤンキー君の右足を狙って引き金を引く、パパッ! っと乾いた音が2回して、ヤンキー君に2発命中した。


「ぐわああああああ! いてえええ!」

「どうだ?おもちゃじゃないだろ? お前のようなゴミクズを相手にするのは嫌なんだよ、一度だけチャンスをやる、二度と俺に関わるな。関わらないならこれ以上は止めてやるし、聖女様に治療してくれるようお願いしてやろう。俺の言う事なんか聞けないって言うんなら…まぁとどめを刺すかな」

「ま、待ってくれ ください! 言う事聞くからもう止めてください!」


 フンっと鼻で笑い 振り返り美鈴の方を見る。


「え?あの臭いの治すの? 正直近寄りたくないんだけど」

「いてええよう、お願いしますうう」

「うるさいから治療してやってくれる? 次なんかしたら急所に撃つから」

「んー まぁおじさんの頼みなら仕方ないね、もう二度と近づかないでね」


 美鈴がヤンキー君に近づき、鼻をつまみながら右手を傷口に差し出す。パァァっと光ったと思ったら、すぐに傷口は塞がったようだ。聖女様すげぇ…

 ふと見ると、ヤンキーちゃんは青い顔をして呆然としてるし、隣の馬車から普通ちゃんと陸上ちゃんも見ていた。

 それらをスルーしてヤンキー君に話しかける。


「わかったか? お前らが何をしようとこっちも関わらないから好きにやればいい、だからこっちにも二度と関わらないでくれ。頼むな」

「ひっひいいいい」


 ヤンキー君は走り出して隣の馬車に乗り込んでった。 それを確認して俺達も馬車に戻る


「おじさん、その銃は?」

「ん?俺の唯一の武装だ。 秘密兵器だな」


 美鈴はUZIを見ながら不安げな顔をしている


「その秘密兵器、見せても良かったのかしら?」


 霞も俺が銃を持ってる事に驚いてるようだ、まぁ今まで隠してたからな。


「今後のために、俺にちょっかい出すと痛い目に… もしくは命に係わるって事を体に教えておく事にしたんだよ。あの中途半端なヤンキー君ならこれだけで近づいて来なくなると踏んだんだけど」

「まぁ あの口先だけのチンピラ風情なら、十分な脅しになったと思うけど」

「だろ? まぁ今回の無茶振りに付き合わせた事は謝るよ。すまんかった」


 2人に向いて頭を下げる。


「あの鬱陶しいのが無くなると思えば、対価は十分にあったからいいけど。でも兵隊にも見られたんじゃない?」

「いや、ちゃんと死角になるように位置取りしたから大丈夫だ、音はしょうがないけどな」

「一つだけいいかしら?」


 霞が覗き込むように見ながら声を出す。


「なんかあった?」

「あの体操着…というかユニフォーム着た子と、普通っぽい感じの子 多分こっちに流れて来そうな予感がするんだけど、どう考えてるのかと思って」

「ああ… 流されやすいんだろうね、こっちで保護したとしても、もっと都合の良い事があればすぐにそっちに行くと思う。だからマイホームの事は教えてやれないな」

「うん、それなら何も言わないわ。あのヤンキーが食料奪った時も何も言わずに向こうについたんだから、明確に敵対したと私は思っていたから」

「うんうん、沈黙は肯定と同意だよ、俺もヤンキー君の意思に同意したと思ってる。ただまぁ 同郷の者として情けをかけるなら、せいぜいおにぎりをあげるくらいかな」

「それでいいと思うわ」

「美鈴はどう思う?」

「私もその考えに賛成だよ。私達から食料奪ってるのに被害者みたいに振舞いそうだよね」

「それにしても美鈴さんのヒール? 実際に怪我人に使うとすごいのが良くわかるわね。さすがは聖女様」

「やめてよー 正直言って、私を含めたこの3人以外に使いたくないからね。聖女はここにはいません!」


 雨が止む気配は無く、結局そのまま野営となった。今日の夕食の当番は俺、なんだかんだと肉体的な訓練もしてるためか、女性陣も良く食べるので、みんな大好きカレーにしようか。俺も好きだしね!


「おじさんって… カレーとラーメンとチャーハンでループしてるよね」

「え? おいしくなかった?」


 美鈴がジト目で俺のメニューに文句を言いたそうにしてたので、話を逸らしてみる。


「いや、おいしいんだけど ループしてたら飽きない?」

「いやぁ俺は別に、毎日カレーでもいいくらい」

「美鈴さん、私達で栄養バランスを考えればいいのよ」

「そうだね、明日からは早めにマイホームに入って準備したいな」


 霞はすでに諦めてるようだ、失礼な! 


「それにしても、あのヤンキー臭かったよね。 まぁ8日もお風呂に入らなければ仕方ないかもしれないけど、あっちの馬車に近づきたくないね」

「ええ、正直言って 蹴った時、靴が腐るかと思ったわ」

「ぅおお辛辣だなぁ」

「だってそうでしょう? 私はおじさんの能力がマイホームって聞いてすぐに仲良くしなきゃ!ってくらいは把握できたのに、あんな見通しの悪い男について行こうって気が知れないわ」

「私は…ここまでとは思わなかったわ。 でも、おじさんについてきて良かったと心の底から思ってるわ。全然ひどい事しようとしないし」

「いや、霞はすでに手が出せないほど強いから」

「まぁそこは武闘家だし? 銃弾も一応見えてたからね」

「え?あれ見えてんの? マジすげぇ」


 はぁぁ こっちこそ敵に回さなくて良かった… 恐ろしい子。


「でも、よくよく考えたら うまくバランス取れてるよね。 前衛の霞さんに 遠距離攻撃のおじさん、ヒーラーの私」

「そういう事なら、装備を作ってもらいたいわ。 腕当てとか」

「あー 腕当てはあったな、怪我されちゃ大変だし作っておくか」

「どんなデザインがあるか見せて欲しいわ」

「あーそうね、でも手早く決めてね」


 それでもたっぷり30分悩んでやっと決まった。ポリカーボネート製の腕当てを選んだ

早速装備して訓練をするようだ、俺はどうしようか… とりあえずUZIは持ち歩くのにはちょっと大きいので、ハンドガンでも見てみるか。知識が無いからどれがいいのかさっぱりわからんが、無いよりずっとマシだろう。

 

 ふむふむ、回転式と自動式ってのがあるのか。あっ 44マグナムは知ってるぞ!

よし、M1911ってのとデザートイーグルってのを作るか、ホルダーもセットで。これなら常時持ち歩けるから護身用として持っておこう。


 こうして8日目が終わるのだった。

こちらもよろしく

https://ncode.syosetu.com/n1415fx/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] や、普通に面白いしマイホームの有能さ好きです [気になる点] 最初反動がとか言っていたのに、いきなりデザートイグルー!!! ロマン武器枠ですよね。ですよね。 MP5とかアサルトライフルとか…
[一言] いきなりマシンガンってアホか、兵士に見られるだろ。
[一言] 俺の知ってる武闘家は銃弾なんてミエナイ…バキワールドの武闘家カナ⁇⁇
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ