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 しょうがないので2人を連れてやってきましたマイホームベース。中の間取りは頭に入ってきてるので、さくっと2人の部屋を決めてしまう。なぜかコンセントがあるのでスマホの充電はやっておいた方がいいと教え、それぞれのスマホで時計を合わせた。


「一応4時には起きる予定だから、各自目覚ましをかけておいてくれ。それで 霧本さんだっけ? 料理の腕前はどんな感じ?」

「霞でいいわ、 料理はまぁ…自分のお弁当を作ってた程度だけど」

「私も自炊してたから そこそこ?」

「おお、まじすか! それじゃあ料理はローテーションにしようか、このメモ用紙に嫌いな物と アレルギーとかあるんだったら書いて、あそこの冷蔵庫に貼り付けよう」

「はーい、 後、私は美鈴って呼んでね。聖女ちゃんじゃないから」

「ふむ、それで俺は?」

「「おじさん!」」

「ですよね。じゃあ俺はやる事があるから、あそこの扉がトレーニングルームになってるから使っていいよ。寝坊しないようにだけ注意してくれ。寝坊したら叩き起こすからね」

「え、おじさんは何するの?」

「このスーツは割と良いやつなんだよ、だから着替えを作ろうと思ってね」


 そう言い終わった直後、2人の目がギラリと光った気がした


「私のもお願いします! 学校の制服じゃ色々と防御力低いから!」

「私も制服じゃ不都合がとても多いわ、なのでよろしくお願いします。できればどんな物が作れるのか知りたいのだけど」

「うんうん、知りたい」

「はぁ…確かに制服じゃキツそうだね… しょうがないか」


 正直面倒だけど、確かに…と納得してしまったので仕方がない。衣服を制作する機械は日本では見たこともない装置で、使用する者を自動で採寸し その体に合わせた服が完成品で出てくるのだ。 稼働させるのにどれだけ魔力を使うのかは試してないので不明だ。


「はい、じゃあ採寸するからそこのカプセルに入ってくれ」


 『そこ』には、SF映画とかで良く出てくるコールドスリープとかで、人が中で眠っているカプセルのような物があった


「身長体重スリーサイズまで計測されるから覚悟しろよ、嫌なら断わってくれればいい。これも俺の魔力で動くんだからな」

「「むぅ…」」


 美鈴と霞がお互いを見合う


「つ、使い方を教えてくれれば自分でやるよ?」


 美鈴が抵抗を見せる


「何言ってんだ、教えたら勝手にバンバンつかうだろ?冗談じゃない。寝てる間に魔力が枯渇してたなんてありえそうだからな」

「そんな事しないよ うん」

「で、それは拒否するって事か?そういう事なら今回の話は無かったって事で」

「わかったよぅ、 全く貧相な体つきなのは自覚してるから教えたくなかったんだけど」


 美鈴がブツブツ言ってる間になぜか霞がカプセルに入っていた。


「計測をお願いするわ」

「お? じゃあ1分くらいじっとしててな」


 装置のモニター画面にある計測ボタンをポチっとする、ほんの30秒くらいで全身の計測が完了した。いやこれすごい装置だな… このスキルを持ったまま日本に帰れたら簡単に一旗揚げられるぞ。

 その後、美鈴も計測を終え、モニターに製作可能な衣服の種類を見せる。


「汚れが目立たない色のパンツスタイルがいいよね、スカートはちょっと無理かな」

「そうね、私は武闘家だし 足を上げる事も多そうだから、動きを阻害しないような素材がいいわ」


 2人でモニターを見ながらあれこれと言い合っている。これはアレだ、女性の買い物と同じ状態だな? いつまでも決められずものすごい時間のかかるアレ。


「悪いがのんびり選んでる時間はないぞ、俺も風呂に入りたいから大至急決めてくれ。決められないんだったら俺が…」

「じゃあこれ!」


 最後まで言わせてもらえなかったが、俺に決められるくらいなら…と、あっさり妥協する2人。2人をどかしてモニターから制作ボタンをタッチする。完成まで2時間ほどかかるらしい。


「2時間かかるみたいだな、じゃあ俺は風呂に入ってくるから勝手になんでも触るなよ。もし触ったりしてたら本気で追い出すからな」

「わかったよ」

「私はトレーニングルームを少し使わせてもらうわ。馬車の中じゃ武闘家の訓練はできないから」

「ああ、それは構わない ただオーバーワークだけはしないようにな」


 そう言い残して風呂に向かった


 女子2人にシャワーしか使わせなかったのに、自分だけちゃっかり湯船に浸かる


「ふぃ~ おっさんだから声が出ちゃうのは仕方がないね」


 40歳なので十分おっさんである自覚はある。今日1日で考えられない出来事がありすぎた、精神疲労も相当な物だろう。お風呂の熱さが身に染みる…


「いや~しかし、この先どうなってしまうんだろうな 全員の職を考えると、全員揃って初めて1つの部隊になる感じだったよな。勇者に大魔導士、賢者に聖女と斥侯、そしてそれぞれ同系の補助職がいて、俺が輜重車兼旅館って所か」


 お湯に浸かりながら考え事が声に出てしまう、疲れているんだな。


 それにしても、国の名前は聞いてないからわからんけど、勇者、賢者、大魔導士の3人だけ引き抜いたのは何のためだ? 聖女だって斥侯だって非常に役立つ人材なはずなのに… きっちり3人いた姫様っぽい女にあてがうために選んだのか? それなら他の人材は不要だし、特に女性は必要ないよな。

 しかも 召喚された者が非業の死… つまり理不尽に処刑とかをした国には次から召喚できないからって隣国に送り込んでから処刑って… 過去にもそんな事やってたのかこの国は、ありえんな。

 強そうな職を選別したあたり、姫様っぽい女に篭絡させて兵器として利用しようとしてるとか… ラノベで出てくる悪徳王国ならよくある展開だな。魔王だとか魔物の侵略ってのは恐らく嘘だな、今日ここまで一度も襲われてないし、兵達からも危機感が感じられない。という事は、どこか別の国にでも侵略戦争でも仕掛けようって魂胆なのか… まぁわからんけど、うまく逃げ出せたならあの国が召喚を行ったって事は広めないといけないな。不要と判断した異世界人を隣国で処刑しようとしたって事も含めて… あー気持ちいい、そろそろ上がるか。


 風呂から上がり、ロビーに戻ってくるとそこには誰もいなかった。あれ、そういえば部屋割りをしてなかったな。という事は2人共訓練してるのか? 

 ぽやぽやと考え事をしながら厨房に向かう、朝が早いので今のうちに朝食を作っておきたいのだ。朝はサンドイッチでいいな、どういう原理かはわからないけど食材は冷蔵庫と保管庫に入っている。残念ながら完成品はないようだ。

 鍋でお湯を沸かし茹で卵を作り、別の鍋でじゃが芋も湯でる。玉子サンドとポテサラサンドだ、 とりあえずこれで十分だろう。

 茹で卵にマヨネーズを加えながらゴリゴリとすり潰していると、霞と美鈴がやってきた。


「おじさん? 夜食か何か作ってるの?」

「いや、明日の朝飯だよ。 朝早くに戻りたいから今から作っておくんだよ」

「なるほど、ところで私たちはどこで寝たらいいの?」

「ああ、部屋割りを忘れてたな。 先にやっておくか」


 2人を連れて部屋が並んでいる通路に出る 


「俺はここを使うから 少し離して…こことここを使ってくれ、目覚ましを忘れないようにね」 

「うんわかった、食事の当番については明日話し合おうね」

「そうしよう それじゃあお休み」

「お休み~」

「お休みなさい」


 2人は少し話をして部屋を決め、入っていった。さぁサンドイッチの残り作業を終わらせて俺も寝よう。本当に色々ありすぎだよ…


 そうして残りの作業を終わらせ、静かに寝床に着いた。こうしてよくわからない、そして理不尽な異世界召喚の初日が終了した。 


国境までおよそ14日。 

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― 新着の感想 ―
得意料理炒飯なオッサンにポテサラサンドとたまごサンドはレベルたかすぎよ
ビッチ二匹と行きなりセットかよ、、、ヘイトしか無い最悪の出だしの作品出したな、、、お腹いっぱいだ、、、マジかよ、、、ホント最悪だった、、、
[一言] それにしても厚かましい女の子達だこと。おっさん、大丈夫か?
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