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誤字報告いつもありがとうございます。
階段、通路の捜索を一時中断し、マイホームに入って昼食となった。
さて、昼飯を作ってくれてる間に何か良いアイテムがないかを調べてみるかな。確か空洞とか埋設物とかを検知する機械があったはずだが、果たしてその機械が俺のマイホームの製造にあるのかどうか… あったら非常に捗ると思うんだけどな。
5階層の階段… というか梯子を隠していたのだって宝箱を置いての物理的な方法だったから、恐らく魔法的な何かで隠す事は出来ないんじゃないかと予想している。
まぁダンジョンの仕組みなんて全然知らないから、これが正解かどうかなんて分からないがな。
とりあえずアレだ、俺の記憶を辿ってみようか。
なんていったか… 確か地中探査レーダーだったかな、空洞や埋設物、管や遺跡まで調べられる素敵なマシンが地球世界では存在していたはず。台車のようなスタイルで、地面にレーダーを発しながらコロコロと転がしながら調べていくやつ。
しかしそれだと床下にある場合しか調べる事は出来ないか… 壁に関しては何か良い案は無い物か、いくら優等生で委員長な雰囲気を持つ霞でも、これだけ専門的な知識となれば知らないと思うしな。
まぁとりあえずその辺を見てみるか。
「マジか… まぁ確かに壁にある空洞を探るなんて一般建築でも普通に使うもんな、結構手軽なサイズであるんだな」
うん、壁裏探知機というのが普通に製造の項目に載っていたのだ。本来の目的は壁の裏にある下地材の位置を特定し、釘打ちやタッカーなどの工具で仕事をしやすくするための物… 果たしてそれがダンジョンの壁に有効かどうかは正直言って分からない。
だけど何もないよりずっとましなはずだ、そもそも試してみてダメだったらあっさり諦めればいいからな、よし、3個作っておこう。
「大樹さんお昼出来たよーって、何か作ってるの?」
「ああ、壁裏探知機ってやつだ。床や壁に何かしらの細工がしてあって見つけにくい状況だからな、地球科学の力を見せてやろうと思ってな」
「あははは、まぁ確かに見事なまでに隠蔽されてるもんね。無駄に広いボス部屋ってのも効率下がるのに拍車をかけているし、良いかもしれないね」
「もちろん試してみないとダンジョンの壁に対して使える物かどうかは分からないけどな。でも試すくらいはいいだろ?」
「うん賛成、当然人数分あるんだよね?」
「ああ、3個作っているよ。もし使えそうな物なら何個か保険として作り置きしておこうかと思ってるよ」
「よし! じゃあお昼食べて少し休憩して、午後からも頑張ろう!」
昼食が終わったので製造した壁裏探知機を3人で持ち、それぞれ壁と床を調べる事にした。午前中の作業中に、この場所には魔物が現れなかったので3人は分散して動く事になったのだ。
まぁそれでも機械を使っての作業なので、壁に対してそれ程集中する訳でもないから大丈夫だろう。早速俺も壁に向かって探知機をあてがって見る…
この壁裏探知機という機械は、非金属の壁を通して、その向こう側に金属や木材があった場合にL.E.Dで知らせてくれる他、ブザー音も鳴る。
つまりだ、ダンジョンの壁を探っていると、壁の向こう側にも岩っぽい物が詰まっているので常に音が鳴りっぱなしになる… なので、音が鳴らない場所があればその向こう側には空洞があるって事になるな。
本当であれば、空洞が見つかった場合に音が鳴ってくれる方がありがたいんだが、性能上仕方のない事だ。本来であれば空洞を見つけるんじゃなくて、空洞が前提にあり、柱などの物体を探す物だからな。
まぁブザー音はON-OFFが出来るので、L.E.Dだけを頼りにやってみよう。鳴りっぱなしだと他の音に気付くのが遅れたりしそうだしな。
そんな感じで、足元から背伸びして手の届く範囲までを端から順に探っていく。うん、これはなかなか地味であり、思ったよりも精神的にきつい作業だな。
まぁ作業と言っても日本にいた時のように、言われて行う仕事ではないからそこだけはマシかな… 休もうと思えば途中で休めるしな。
そして2時半を過ぎた頃、俺の持っていた壁裏探知機の反応が消えた。
「お? 反応が無いって事はこの奥には空洞があるって事か? そう言えばこの壁… なんか手触りも他の場所とは違うな」
そう、他の壁のように冷たい岩の感触ではなく、何か木材のような… 目に見えているものと違和感が凄まじい事になっているのだ。
「おーい! 怪しい場所を発見したぞ!」
離れた場所を捜索していた2人に大きな声で声をかける、2人がこっちに振り向き、小走りで動き出した。
いやぁようやく見つけられたか、1人でこっそり壁もどきを壊して先に進んでみても良いんだが、それをすると2人はきっと拗ねてしまうだろう… なんかもうゲームのイベントでもやっているような感じだもんな。
ん? 壁の向こうから何か気配が? うわっ! なんかヤバそうだ!
慌てて横に飛びのくと、壁だった場所が爆発したかのように一部だけはじけ飛んだのだった。
SIDE:ガスト帝国、皇帝
「むむ? 敵兵が下がっていくだと? 撤退… ではないようだが、ああなるほど、使者を出そうという事か」
戦況に変化が訪れた、しかし思ったよりも敵兵は死んではいないようだな。まぁ魂を搾取するのに敵兵も帝国兵も関係無いのだが、ここで中断されてしまうとこれ以上魂の回収は難しくなるな。
「ふむ、1万以上の魂が集まったか… まだ少ないが仕方あるまい、緊急時故この辺にしてダンジョンコアを守りに行くとするか。これだけ力が戻ったならば、ダンジョンまでの転移は行けるだろうからな」
そうと決まれば我がダンジョンに侵入してきた連中を処分する準備をせねばな、ある程度とはいえ力が戻った以上対処は可能だと思うが、黒竜を倒されている以上こちらもしっかりと準備をしなければいけないだろう。
まぁ黒竜のように力だけで知恵の足らない魔物を倒したからと言っても、我が策謀には敵わないだろう。伊達に何百年も生きてはおらんわ!
宝物庫へと足を運び、攻撃魔法が込められた魔道具を何個か持ち出し、杖と剣も一応所持する。
「ふふん、人間を騙すなんて容易い事… さっさと侵入者を殺してやれば、戻ってきた頃にはこちらの戦闘も再開されているであろう。そうすればまた魂が手に入る… フフフ」
こうして準備を整えてダンジョンコアに向かって転移魔法を発動した。
「おーい! 怪しい場所を発見したぞ!」
おっと危ない、隠蔽していた通路を見つけたのか。しかしこちらの方が先に気づけたという事は、侵入者には運が無かったという事だ。
ふふん、壁の向こうにいるのが分かるぞ。ついでに殺しておいてやるとするか。
杖を構え、杖の先から炎の魔法が飛び出していく。炎の魔法は、通路の先に置いてあった木製の板を破壊しながら突き破っていった。




