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誤字報告いつもありがとうございます。
トカゲ男(仮)は霞の突進を前に盾を構えて防御の姿勢を取った、これまでの魔物とは違って知性が感じられる行動だ。だが…
「せいっ!」
霞の放った横蹴りが盾に直撃、その衝撃でトカゲ男は吹き飛んでいきダンジョンの壁にぶつかった。トカゲ男はまるで脳震盪でも起こしたかのようにふらつきながら頭を振っているが、その隙を逃さず放たれた回し蹴りが頭部を直撃し、そのまま倒れてダンジョンに吸収されていった。
「お疲れさん霞。しかし随分と人間っぽいというか、生物っぽい動きをしていたな」
「そうね、盾で身を守ろうとする魔物は初めて見たかもしれないわ」
「なんか脳震盪になったみたいな動きをしていたが、あいつにも脳があったという事か?」
「まぁ今のを見たらそうとしか思えないわね。今の魔物… 単体だったから余裕だったけれど複数いたら連携して来るかもしれないわね」
「そうなると、こっちも前衛だけが前に飛び出すのは得策じゃなくなるかもしれないな」
「とりあえずさ、今の魔物は仮でリザードマンにしようよ。トカゲはちょっと…」
そういうものか? まぁ俺にとっては呼び方なんてどうでもいいからリザードマンでも一向に構わないんだが。
しかし6階層とは思えない練度の魔物だったことは確かだな。これは今までには無いレベルのダンジョンかもしれない、気を引き締めないとだな。
「よし、じゃあ次は銃が効くのかどうかの検証をしたい。次に現れたら俺が撃つけど良いよな?」
「それはもちろん構わないわ、でも銃を使うよりもマチェットの方が良いんじゃないかしら? 戦闘経験的に」
「確かにそうかもしれないが、あまりにも大量に出て来たら接敵までに数を減らしたいだろ? それが出来るかどうかの検証だ」
「なるほど、承知したわ」
「よし、私もハンマーを出しておこう。盾ごと打ち抜いてやればイケるよね?」
「まぁそうかもしれないが、様子を見てからだな」
俺はリザードマンが吸収されていった場所まで移動して、何がドロップしたのかを確かめる。しかし…
「なんだ? ドロップは宝石か? でも見た事のない石だな」
「どれ? ちょっと見せてもらって良いかしら?」
すぐに反応した霞に宝石を渡すと、霞はそれの観察を始めた。
ああそうか、鑑定すればそれが何なのかすぐに解るんだったな… すっかり忘れてたよ。
「鑑定の結果、これは魔石のようね。これだけ大きいのは初めて見るわね、色も黒いし」
「これだけ黒いと石炭にも見えるよな。あれも割れた直後の断面は結構綺麗なんだよ」
「そうなの? さすがに石炭は現物を見たことは無いわね」
「でもまぁせっかくだから拾って行こうよ、他で見る魔石とはちょっと感じが違うし希少なのかもしれないしね」
まぁこれは確かに見た事が無い物だから、道具箱へと放り込んでおくか。各自が収納してしまうと、誰が何を持っているのか本人ですら分からなくなってしまうからな…
それはともかく、懐からデザートイーグルを抜いて先頭を歩こうか。トラップというのは注意して見ていれば俺でも見分けがつくからな、まぁ本職ほど素早く発見は出来ないが、被害を抑える事は何とかできる。
床や壁を注視しつつも聞き耳を立てて足音を探る。先ほど出てきたのはリザードマンだったが、その魔物だけとは限らないからな… もしかしたら猫とかのように足音を出さないタイプの魔物だっているかもしれない、でもやっぱりカオリが先頭を歩くような速度は全然出ないんだよな… 斥候職も重要だって事だ。
しかしまぁいない者をとやかく言ったって始まらない、それよりもダンジョン内で発砲するんだから耳の保護をって話だよな。
さすがに鼓膜が強化されたりはしないから、こういった通路での発砲は結構気にしていたんだがこればかりは仕方がない。リザードマンの鱗の硬さを俺の基準で知っておかないとダメだからな…
「それにしてもさ、ダンジョン内の魔物が持つ装備ってきれいさっぱり消えてしまうけど、残してくれても良いよね」
「それな、俺も思っていたんだよ。もういっそドロップ品扱いにしてくれよってな」
「欲しいのならアレね、いつぞやのミスリルゴーレムの時のように倒す前に奪って収納しかないかもしれないわね」
そこまでして欲しいとは思わないが、盾が残るんなら盾の強度だけは先に知る事が出来るんだよな。まぁ良い、次に接敵したらまずは盾に向かって撃ってみて、次に本体だな。
「お、この先に何かいるな。見えるか?」
「いるね… さっきと同じタイプのリザードマンだね」
「じゃあここにおびき寄せて撃つとするか、耳だけは各々塞いでいてくれよ」
直線の通路の先に2体の人型が見える、その距離は200メートルといったくらいか。直線で障害物も無いこの距離なら当てられるとは思うが、やはり無難にもう少し近づいておこうかね。
リザードマンとの距離が120メートルほどまで近づいた時、相手の方も俺の存在に気づいたようだ。あまり目は良くないって事なのかな… まぁ良い、2体揃って俺を目がけて動き出したからここで迎え撃つとするか。
膝をついて自身の体幹を固定し、両手を伸ばしてしっかりと照準を付ける。反動も抑え込めるし手ブレもしていない… よし、ファイヤー!
バンッ! カツッ!
盾を狙った1発目、盾に当たった音は聞こえたがそのまま貫通していったみたいだな。狙った1体目が直後に前かがみになって倒れていくのを確認できたのでもう1体に狙いをつける… 次はヘッドショットだな。
しかし、残った方のリザードマンも攻撃された事に気づいたのか、その場で立ち止まって大きな盾を構えて膠着状態になる。まぁ貫通するようだから盾の影に隠れられても平気だろう、ヘッドショットは諦めて盾の向こう側にあるだろう胴体に向かって2発目を撃ち込んだ。
バンッ!
やべぇ… 狭い空間だと2発撃っただけで耳が壊れそうだ、反響しすぎだろ! 消音機の取り付けも考えないとダメかもしれないな。
当たり所が良かったのか、2体目のリザードマンはそのまま倒れ込み、そしてダンジョンに吸収されていった。場所によってはワンパンでイケるんだな、これだと大集団と遭遇したとしても遠距離から数を減らせることが可能だな。うん、これは良い収穫だ。
最初に撃った方のリザードマンはまだ吸収されていない、致命傷ではなかったって事なんだろうな。だが腹部に被弾しているせいか、どうやら動けないようだ。とどめを刺しておこう。
バンッ!




