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誤字報告いつもありがとうございます。
カオリも王女の1人に近づいていき、髪の毛を掴んで持ち上げる。うむ、中々のパワーだな… しかし本当にどうなっているんだかな、この中では一番小柄な美鈴ですらミスリルのハンマーを軽々と振り回すし、割とスレンダー体型な霞なんかは蹴りで魔物を爆砕するし… そんでもって斥候のカオリもこれだと。
斥候ってどちらかというと忍者系統だよな? 力とかよりも速さとか隠密性とかを重視する… まぁ気にするだけ無駄かな? 今更だがここは異世界だからな。
「痛いっ! ちょっと止めてよ」
「んー? 聞こえなーい」
「カオリの悪役っぷりが堂に入りすぎていて引くんだけど…」
「そうかな? でもようやく会えたんだよ? 私達をこんな目に遭わせた張本人達と」
「そうね、私もキレそうなのを我慢するのが辛いわ。まぁあの王は必ず殺すからそれで満足するしか無いわね」
そんな恐ろしい会話を聞いてしまったアニスト王、体をビクつかせてすっかり蒼白な顔をしている。
「待て! 待つのだ。儂は王だ、何でもできる。どうだ? お前達の願いを儂が叶えてやろう… そうだ、まずはこの手枷を外すんだ。そうすれば我が国の国庫から好きなだけ金貨をくれてやるぞ?」
こいつも何言ってんだか… 学習しないというかやっぱり馬鹿だよな。
何をするべきかとうろうろしていたレイコがアニスト王の言葉を聞き、ぐるりとその顔を見つめて睨みつける。
「え? なんで金貨なんかで解決できると思ってんの? バカなの?」
「馬鹿なんだろうよ、どうしようもなくな」
そう言いながらアニスト王に近づいてくるレイコの姿に、更に体をビクつかせて後ずさりをする。
「な、なんだ? 金貨では不足か? では何が欲しいのだ、言ってみろ… 儂がその願いを…」
「そう? じゃあお願いするね。今すぐ私達を元の世界に帰して。そうすればあんた達もすぐに助かるし、両得だと思わない?」
「元の世界に帰す…だと? そんな事できる訳が無いだろう! 大魔導士の奴が死んだせいで召喚陣まで消えてしまったというのに! 一体どうしてくれるんだ!」
「ほぅ? 召喚陣があれば出来るのか? それなら他の国に頭を下げて頼めばいいだろう」
「そんな事が出来るなんて聞いた事も無いわい! それ以前に召喚陣は呼ぶだけしかできないから召喚陣というのを理解できんのか!?」
まぁ確かに、その名の通りであればそうなんだけど… ここは異世界だからな、試しに聞いておきたいじゃん? まぁ俺的には元の世界に帰れる可能性って言うのは絶望的だと感じていたからそれほどダメージは無いが、他の子達はどうかな?
「なんか、こんなゴミ王に理解できんのかとか言われるのすっごい腹立つんだけど?」
「まさしくそうね、イラっときたから1回殴っておこうかしら」
霞がススっと近づいてきて王の頬に平手打ちをかます。
「うげっ!」
大きく肥えた体が2メートルくらい吹っ飛び、痛みに震えている。
「まぁアレだ、アニスト王よ、お前が生き残れる方法はそれ一つしか無いんだわ。俺達をこの世界から帰すって事しかな。ま、それが出来ないって言うなら仕方が無いだろう? お前がやって来た事に対する報復を受けるだけだ」
「ねぇおじさん、私も殴っていい? 王女を殴るよりコイツを殴った方がスッキリしそうなんだよね」
「金棒は絶対に使うなよ? ここは俺のスキルの中なんだから、こんな奴の血で汚したくないんだからな」
「大丈夫大丈夫! 霞みたいにバッチリ手加減するからさ!」
カオリがニヤニヤしながら王に近づき、脂肪が厚すぎて蹴りの威力すら吸い込んでしまいそうな尻を蹴り飛ばす。どうやらそれほど強く蹴っていないようで、王も我慢が出来ている感じだな。
「まぁそう言う事だから、今はこのくらいで我慢するけど… アンタを処刑できる場所に着いたら容赦なくやらせてもらうからね」
「あっ、王の奴… また気絶しやがった」
「本当に根性が無いわね… 呆れてしまうわ」
「まぁまぁ、それより予定通りこっちをどうにかしようよ」
王が気絶した事により、女性陣の意識は王女達に向いていく。
ふと見ると、美鈴が仕切って3人の王女を正座させていた… 異世界に正座なんて姿勢はせいぜい罰を与えられる時くらいなのだろう、王女達の顔は屈辱に耐えているかのようであり、しかし怒りもあるようで真っ赤になっている。
レイコは太ももや尻を蹴りながらブツブツと文句を言っているようだが… しかし蹴りで体を壊さないよう肉の厚い場所を選んで蹴っているあたり、やはり体育会系だという事なんだろう。
今の世では随分少なくなったと聞いているが、俺が高校生の時は先生やコーチによる体罰はそこそこあったからな… しかも体罰で選手生命を脅かしてしまわないよう肉が厚くて壊れにくい場所を選んで攻撃していたもんだが、レイコの所属していた部活もそういった事でもあったのだろう。
「さて、ちょっと聞きたいんだけど。勇者と賢者はどこにいるの? 大怪我をしたって所までは聞いてるけど」
「それと大魔導士が死んだという話も聞いたわね」
「それは…」
長女と思われる王女が唇をかみしめている… 何だ? 何かあったのか?
「あなた達は勇者マサキと同郷なのでしょう? 私は勇者マサキの子を宿しているわ、だから… 私に手を出すと勇者マサキの逆鱗に触れる事になるわよ! 今すぐ拘束を解きなさい!」
「そうよ! 私だって賢者ジュンジの子を…!」
ほほぅ、異世界人の血を取り込もうとしていたって事か。でも果たしてそれで勇者達が怒るのか? どうせハニートラップでもやったって事なんだろうし。
「うわ、気持ち悪い。だから何だという訳? 私達にとって敵となるんなら勇者も賢者も相手するつもりだけど?」
「ええ、私は最初からそのつもりだったから勇者達の居場所を教えてくれないかしら? そしてあなた達が子を孕んでいたと伝えてあげるから」
「そ、それは…」
急に王女達がオロオロしだす… もしかして勇者達もすでに死んでいたりするのか?
「お姉様、もうこれ以上口論しても無駄だと思うわ。それにこんな状況になっている以上私達に勝ち目も無い… だから私は降伏しますわ」
「降伏? そんな物を私達が受け入れるとでも思っているの?」
「私の知っていることは話すわ。勇者と賢者、この2人は傷の回復と共に姿をくらましたわ。少なくとも今現在ではどこにいるのかは分かっていない… そして大魔導士の男は、私が命令して部下に殺させたわ」
短編を書いてみました、よければどうぞ┏oペコッ
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