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予約が抜けていました… 申し訳ありませんでした┏oペコッ
SIDE:レイコ
朝食を済ませて早速カオリとダンジョンへと向かった。
私は50階層までの転移陣を解放しているけれど、カオリはこのダンジョンは初めて来る。当然1階層から順に開放していかないとダメなので、今日の所は20階層を目標に進んで行こうと思っている。
多分カオリ1人でも20階層程度なら進めるだろうし、とにかく転移陣を解放しておかないと先に進むのに時間がかかる。
「それじゃ一気に20階層まで行くつもりだよ、そこまでの道のりは何となく覚えているから大丈夫だけど、不意打ちにだけ遭わないよう索敵してね」
「分かったよ。ちなみにレイコはこのダンジョン、どこまで進んでるの?」
「私は60階層まで進めたけれど、60階層のボスに勝てなかったから転移陣は50階層までかな」
「ほー! ソロででしょ? すごいね」
「私の魔法と相性が良かったからね。オークとかオーガとかは不意打ちさえなければ瞬殺できるし、岩でできたゴーレムや鉄っぽいゴーレムも特に問題は無かったかな」
「でも60階層のボスには勝ててないんでしょ? どんな奴だったの?」
「ゴーレムだったのよ… しかも青っぽい色でやたらと硬い奴。岩でできたゴーレムや鉄っぽいゴーレムなんかは普通に倒せたのに、ボスだけ防御力高かったなぁ…」
「魔法に対しての防御力って事?」
「うん、結構色々と属性変えて魔法を使ってみたけど、傷付けるのが精一杯だったね。物理的に関節とか狙っていくしか無さそうな感じだった」
「物理的に…か。それって私が役に立つかもって事?」
「それを見るために、まずは通常のゴーレムが出る階層まで進まないとね。ギルドの記録では、おじさん達のパーティが70階層までクリアしてるみたいだから、多分物理攻撃であってると思う」
「なるほど… あの3人パーティなら魔法攻撃できる人はいないもんね、分かったわ! まずは急いで進む事だね!」
とりあえず急ぎ足でビリーカーンダンジョンへと入っていくのだった。
SIDE:来栖大樹
3人揃ってマイホームから出て、探索を開始する。
40階層に入ってからは各色のトカゲがなぜか3~4匹でパーティを組んでいて、ブレスというか魔法というかの攻撃を広範囲で吐き出すようになっていた。
まぁ、だからと言って… ウチの前衛である霞を止める事は出来ていないがな! ブレスを回避しながらズンズンと距離を詰め、ミスリルマチェットでスッパリと首を斬り落としていく。俺達がブレスを回避している間に戦闘が終わってしまうのだ。
「これってさ、この階層まで到着したっていうパーティはどう対処してるんだろうね?」
「うーん、やっぱり王道的に盾とかで受けてるとか?」
「盾で受けても被害は出そうじゃない? あのブレスなら」
「だからこの階層から先に進めていないんじゃないかしら、上手く対処できているならクリアしているだろうし」
「なるほど! 確かにそう言われると納得だね」
確かに色付きトカゲのブレスは結構速い速度で迫って来る、アレを鎧を着たままで食料を背負ったまま避けろというのはかなりキツイかもしれないな。
まぁ身体能力的に、異世界補正が付いているだろう俺達と比べるのも違う気がするし、見てみないと何とも言えないが、おおよそ霞の言う通りなのだろう。
「あ、あそこに見えるトラップ… なんか発動済みっぽいんだけど?」
「あらそうね、確かにトラップ発動した形跡があるわね」
「え? って事はつまり…」
「この階層… それも近い所に別のパーティがいるって事になるね」
マジかよ… この階層は40階層、つまりここにいるという事は最深部ホルダーのパーティしかいないって事だろうな。
「なんていったっけ、このダンジョンの最高到達点を記録しているパーティって」
「なんだったかしら… 興味無いから覚えていないわ」
「2人ともひどいな… 確か『レップー剣』ってパーティだったはずだぞ。何人構成とかは書いてなかったから知らないが」
「どちらにしても興味無いわ。でも近所にいるかもしれないというのは問題ね、もしも途中で遭遇して瀕死の重傷とかだったらどうする?」
「うーん、さすがに見捨てるのは精神衛生上良くないけど、このダンジョンに出入りしている冒険者を見る限りじゃ… 多分厚かましく接してくるだろうな」
「そうね、特に回復魔法に長けている美鈴に対してアプローチしてくると思うわ」
「じゃあこうしよう! 今にも死にそうな人だけ適当に回復してそれ以外は放置という事で!」
「それが一番無難かな、美鈴にとっても回復魔法の練習台に出来るだろうしな」
「そうなんだよね、おじさんも霞も全然怪我しないから練習のしようがないからね。ああでも、決して2人に怪我してって言ってるわけじゃないからね?」
「いや、言われたってお断りだぞ」
まだ遭遇すると決まったわけじゃないが、一応行動方針だけは決まったな。
多分だが、何も考えずに美鈴の魔法で回復してやったりすると… うん、粘着してくるよな。この40階層でも平気な顔で進んでくるヒーラーなんて貴重だと思うし、そして魔力も豊富に持っていて、回復魔法を使ってもまだ進軍を続けられる人材… まぁ欲しいわな。
「まぁアレだ、重症者だけを回復したとして、それでもまだ他のメンバーの回復を言われたら… 魔力の都合って言っておけば良いんじゃないか? 知らんけど」
「まぁそうだよね、普通なら他人のために大事な魔力を無駄に放出する事なんて無いんだろうし、通用すると思うよ」
「そうね、でもこの程度のトラップを発動させているあたり、かなりの確率で怪我人がいると思うから注意しましょう。向こうも必死だろうし」
「そうだな、最悪は蹴り飛ばすくらいの意気込みで行こうか」
「「了解!」」
そして探索を再開したが、トラップの跡地を追いかければ多分ボス部屋に辿り着くんだろうけど、俺達はこの階層に来るのは初めてだ。なのでマッピングを兼ねて、宝箱なんかがあればという期待も込めて脇道に逸れていく。
ボス部屋に直行する予定だったけど予定が変わったからな、なるべくなら先行パーティと遭遇しなくて済む方法で行こう。
そして脇道の探索も終わってしまい、ボス部屋に続くだろう道を歩いていると… 予想していた通り、数人の怪我人が座っているのが見えた。
誤字報告いつもありがとうございます。




