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誤字報告いつもありがとうございます。

「もう暗くて良く見えないな、今日はこの辺にしておこうか」

「そうね、ちょうどお腹も空いてきたところよ」

「それじゃあちょっと街道からそれてから止まろうか」


 西へと向かう街道、その道中で日が暮れ、ライトを点灯して走らせていたが… とうとう運転するのが面倒になってしまった。

 これが日本国内であれば、道は舗装されているので段差などに気を配る必要は少ないが、この国の街道はダメだ… ハイビームにしても時々段差を見落としてしまう、ボヨンボヨンと跳ねさせてしまうのだ。


「ふっふっふ、コベルコダンジョンに着くのは明日以降かな? 楽しみだね」

「美鈴は楽しみでしょうけど、私は… ゾンビは蹴れないと思うわ」

「そこんところは任せてよ、骨はお願いするから」


 マイホームに入り夕食にする。

 とりあえず次に行くダンジョンはアンデッド系… そうなるとまず考え付くのがゾンビの匂いだよな。ゾンビに限らず腐肉の匂いという物は非常にキツイ、防臭マスクなんかあったっけな… 普通のマスクでも良いから作っておかなくちゃいけないな。


「しかしこうして1日中車に乗るのも久しぶりだったね、お尻が痛くなったよ」

「それは仕方がないわ、狭い空間で体勢が固定されてしまうから」

「トレーニングルームに行って体をほぐしておかなくちゃ寝れないかもね」


 確かにその通りだ。まぁ道が悪くて跳ねるせいで、着地に備えて体が固まっちゃうからな。ホント一瞬も油断が出来ないような道だった… あんな道をよく馬車で走ろうとするよな、ゴムタイヤにサスペンションがあってもあんなに跳ねるのに… 異世界の馬車恐るべし。


「さて、俺はマスク関係を調べて良さそうなのがあれば作っておくよ。臭いのは嫌だからな」

「あっ! そういえばそうだよね、ゾンビと言えば腐臭がすごいって映画やゲームでは言うもんね」

「ああ、俺もそれを危惧しているんだ。倒すのは美鈴が遠距離からやれば接触することは無いかもしれないけど匂いだけはな…」

「本当よね、もしあるのなら軍用みたいなマスクでもいいわ。見た目はひどいかもしれないけど臭いよりもマシだと思う」

「わかった、そんな感じで作業するよ」


 美鈴と霞はさっさとトレーニングルームに入り、動けなかったストレスを発散してくるんだろう。俺も後で体を動かさなきゃな…


 制作用のモニターの前に座り、リストを眺めていく。

 マスクなんて使うと思っていなかったから全然気にしてなかったんだよな… しかしまぁ作業服や安全靴があるくらいだ、きっと作業用のマスクとかがあるはずだ! 希望的観測だけどな…

 一番間違いないのはやはり軍用のアレなんだろうな、毒ガスすら防げるんだから信頼性はきっと高いんだろう。見た目は確かにアレだがな…


 あの頬についている袋みたいなのは一体何なんだろう… 興味無いから今まで調べもしなかったけど、多分重要なパーツなんだろうな。

 おっと、ちゃんとあるじゃないか。防塵防臭ガスマスク… しかし名前とか品番だけで表示されてもどんな物かは分からないってのはキツイよな。

 とりあえず性能の良さそうな物を一通り作ってみるか。



 2時間ほどかけて、20種類ほど製作してみた…が、見た目が普通のマスクからダースベイダーのようなアレまで勢揃いだった。

 しかしぶっちゃけどうなんだ? 目元まで覆っているタイプのガスマスクの方が良いのかな? ファン付きとかあるんだけど… 最近のマスクってすげぇな。


 フルフェイスで覆うタイプの奴は多分軍用なんだろうな。これはちょっと女性陣に聞いてみた方が良いかもしれんな、こんなマスクをするなんて… 仮装大賞でもなければ無理じゃね?


 そんな事を思いながらトレーニングルームに顔を出す。


「サンプルというか、何個か作ってみたんだ。どれを付けるか希望は聞くけどどうする?」

「え? おじさんの独断で作れないようなのもあるの?」

「ああ、もう映画に出てくる悪役のようなやつがあったからな… 性能は良さそうだが」

「なるほど、それはちょっと見ておきたいわね」


 ゾロゾロとロビーに戻ってきて、先ほど作ったマスクを見せてみる。


「おおー! これ! 絶対ダースベイダーだよね! 私これでも良いかな!」

「本気で言っているの? 誰もいないっていうならともかく、他の冒険者の目だってあるのよ?」

「あっそうか。これだと魔物に間違われそうだね…ふひひ」

「なんで喜んでるんだよ美鈴は… っておい!」


 なんと美鈴が一番ゴツイガスマスクを装着していた! ちっこいダースベイダーがそこにおる…


「やめてくれ、聖女のイメージがとんでもない事に…」

「ふふっ、これが… これで聖女って… ふふふふ」


 あかん、霞までなんかツボっている。


「これでハンマー引きずって歩いてたら冒険者に襲われるかな?」

「ありえるな… かなりマジで」


 なんだかんだ協議の結果、口元を覆うタイプでダブルフィルターというやつを選んだ。

 しかし、美鈴たっての希望と、冒険者がいなくなる階層以降使えるように、フルフェイスのガスマスクも人数分作る事に… 確かに人目さえ無くなれば高性能の方が良いからそれには納得。


 さ、俺も軽く運動して、風呂に入って寝てしまうか。



 異世界生活73日目


 今日もひたすら西に向かって移動する。辺境に向かっているせいか、街道を走っていてもすれ違う馬車などはいない… いや、いなさすぎないか?


「ちょっとあれ見て? ものすごい人がいるんだけど…」

「あら? あの黒い鎧… もしかして帝国軍なのかしら?」

「マジか、しかしすごい人数だな。万単位じゃないか? アレ」

「おじさんどうするの? このままだと接敵してしまうわ」

「いやいや、さすがにあんなのに構っていられないだろ。迂回するぞ!」


 街道の南側は森になっているので、とりあえずそっちに向かい、車を降りてガレージにしまう事に。


「あの人数をやり過ごすのは厳しいかな、マイホームに入ってしまうか?」

「それも有りだけど、行軍速度と人数を把握しておかないと、通り過ぎていく時間が予想できないよね」

「というか、あの人数だといくら王都でも奇襲を受けたらヤバくないか?」

「確か帝国との国境には辺境伯の領地があったはずだけど… もしも戦って抜かれたのなら、増援とかの連絡は王都に出してると思うわ。もしかしたら今頃着いているのかも」

「そうか、目測で5キロくらい離れているか? もう少し様子を見てからマイホームに隠れようか」

「「賛成!」」


 帝国軍がこんな所に… 先日襲ってきた連中と示し合わせての事だと予想できるけど、一体どうなるやら…

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