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お盆期間、所用のため1週間ほど投稿が止まります。ご迷惑をかけて申し訳ありません┏oペコッ
詳細は活動報告に書いておきます。
「しかし、合計で3個も見つかるとかね… これだけの数で魔物を呼び寄せたら、どれだけ集まるんだろうね」
「さぁな、魔道具に関しては使った事が無いから何とも言えないな。ただ… これらを設置した誰かが本気で王都に攻め入ろうとしているってのはビンビンに伝わってくるな」
「そうね、多分魔物は陽動で、王都にいる騎士とかが対応に動いた途端、反対側から攻め込んでくるってパターンじゃないかしら。私達のようにテレビや映画なんかの娯楽を見た事があるのなら、これが陽動だとすぐに気づくと思うけど… この世界の人達はどうかしらね。最悪明日ギルドに行った時に、それとなく進言してみると良いかもしれないわ」
「それもそうだな。俺達みたいに想像力が逞しい人がいないかもしれないからな… 一応忠告しておくか」
それにしても魔道具かぁ… 身体強化は何とか使えているけど、その他の魔法はからっきしだからな… 俺もなんか魔法を使ってみたいんだが、魔道具はどうやって作るのかね。
まぁ、この世界の人間にしてみたら、銃火器なんかは魔道具に見えるんだろうけど、魔法的な要素は無いからな… 調べてみたいが情報は隠蔽されているし、これも無い物ねだりなのかね。
悩んではみたものの、解決策など思い浮かばずに眠る事にした。
異世界生活69日目
今日は朝から王都に向かうつもりだ。ギルドに魔道具を渡し、ハワード伯爵の所に行ってみようと思っている。
ま、当日に行って当日に会えるかどうかは分からないけどな。それでも、今回の事についてグリムズ王国サイドはどのように考えているのかを探りたい所だ。
そして、覚えていたらだけど、ビリーカーンダンジョンの攻略についても話しておきたいね。
最深部まで攻略が完了するとダンジョンが消えてしまう… この件についてはビリーカーンを統治している伯爵家にとって死活問題になるかもしれない、勝手に動いて下手に恨みを買うくらいなら、攻略する前に聞いておこうかという事だ。
もしも、ダンジョンの存在が迷惑で、すぐにでも消してほしいという事なら遠慮なくやれるが、ダンジョン資源を当てにして、それを財源として見ているならばクリアする事に対して『NO』と答えるだろう… その辺の意志だけは確認しておかないとな。
そんな事を考えながら、日課である製造の確認をしている。
昨日新しい物が増えていたから、さすがに今日は増えてないだろうと思いつつも、ついつい見てしまう。
「いっそ攻撃ヘリとか増えてたらいいのになぁ、航空燃料と。操縦は出来るわけないけど、あったら練習して覚えたい所だよな」
ちょっと前に、戦車やらヘリやらが擬人化して遊ぶシミュレーションゲームをやってた時期があったけど、AH-64Dという攻撃ヘリが美人で良く使っていたなぁ。
アパッチって言ったっけ、兵装はどんなものを使っていたかは忘れたけど、確かヘルファイヤ対戦車ミサイルを搭載していたはずだ。
この世界でヘリに乗り、上空から攻撃するなんて… 卑怯にも程があるな。
まぁ魔法で対空攻撃は出来るのかもしれないが、射程が違いすぎて無双できるだろう。確かヘルファイヤ対戦車ミサイルは制御システムが優秀で、射程が7~9㎞とかってレベルだったから… いやぁ卑怯だね。だがそれがいい…
大体見たけれど、特に変化は無いようだ… 残念。まぁRPG-7でも十分に火力があるから良いんだけど、どうせなら色々と見てみたいもんだ。
銃火器については、ゾンビを撃ち殺して脱出するあのゲームで見たものくらいしか分からないけど、最強だったロケットランチャーとか撃ってみたい…
アレ? もしかして俺の思考も結構過激になっている?
トリガーハッピーなつもりはないけれど、デザートイーグルやKSVKを撃つのって結構楽しかったりするんだよな… あーヤバいヤバい、少し自重を覚えないといけないな。
時計を見ると4時半だった。なんかむずむずしてきたのでデザートイーグルを持ってトレーニングルームに入る。
「よし、射撃訓練と見せかけてストレス発散と行きますか!」
この後めちゃくちゃ発砲した。
アニスト王国近郊のダンジョン
勇者、賢者、大魔導士の3人は、護衛の騎士を伴って順調にダンジョンを攻略していた。到着して2日目には10階層の守護者を倒し、1階層への転移陣を解放したところだった。
「このダンジョンは何階まであるんだ?」
「確か冒険者ギルドの情報では、最高到達地点は30階層となっていますね」
余裕そうに剣をぶらぶらさせている勇者の問いかけに、護衛についていた騎士が答えた。1階層から10階層までに出現した魔物はゴブリンがメインで、進むごとに弓持ちや魔法を使うやつが出てきていた。それらを相手に特に苦戦する事も無く、順調だったと言えるだろう。
勇者が前に出て、自由気ままに動き回るせいで、後衛である賢者と大魔導士が魔法を使う事があまり出来ていなく、傍から見ると、とてもじゃないが訓練にはなっていないのでは? という感じだった。
「せっかくここまで来たんだ、その最高到達地点を更新して来ようぜ」
「ああ、もう勝手にすればいい」
「……」
勇者が元気よく振る舞い、進む事を進言するが、賢者と大魔導士の態度は悪い物だった。
(この辺の雑魚が相手じゃ勇者の奴は無双できてしまう、奥に進むなら少しは手ごわい魔物も出てくるだろう… そうすれば、魔物に攻撃するふりをして、でかい魔法を勇者に当ててやろう。俺TUEEEE風に調子に乗ってるから上手くいくだろう、後は賢者の立ち位置に注意だな。コイツもまとめて始末してやんよ)
大魔導士の目が勇者を睨みつける…
前に進み、その隙を伺いながらもダンジョンの攻略は進んでいき、ゴブリンの上位種を相手に戦闘が繰り返されていく。
レッドキャップと呼ばれるアサシン系の上位種が出現した時だった、素早い動きのレッドキャップに攻撃をうまく当てられない勇者、賢者がそれをフォローするように魔法を撃ちながら立ち位置を変えていく… それを最後方で見ている大魔導士はひたすらチャンスを待っていた、勇者と賢者が1本の射線に入るその時を。 第3王女の命令を受け、自身の命を狙う刺客が後ろにいる事に気づかないまま…
そして、その時は来た。
「(今だ!)サンダーアロー!」
大魔導士の指先から放たれた雷の矢が、背後から賢者を襲い、その身を貫通。その勢いのまま勇者にも向かって行った。
「ぐわっ!」
「ぐえっ!」
2人分の悲鳴が響き、賢者が倒れる。それに気づいた勇者が雷の矢に気づき、回避するために体をひねるが間に合わずに腕に刺さる。
「何が起きた? 勇者達を守るんだ!」
護衛騎士が叫びながら前に出て、レッドキャップの相手をし、その間に助け出そうとしたが… 腹部を魔法で撃ち抜かれた賢者は瀕死、なぜか最後方で倒れている大魔導士はすでに事切れていた…
「おいおい、一体何が起きたって言うんだ」
腕を撃ち抜かれて身動きが取れなくなっていた勇者は膝をつく…
「どうしてこうなった…?」
大魔導士の首には針が刺さっていたが、第3王女の部下は、そっとその針を抜いて、懐にしまったのだった。
誤字報告いつもありがとうございます。