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クリタン族の話

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。

・・・というわけで(?)、一発目から暗い話です。

わたしは、クリタン地区で生まれ育った。自然が豊かで、とてもいい場所なの。


クリタン地区には、わたしたち猫族の他に、熊族とか狐族とか、色んな種族がいた。

農家の家が多くて、私の家もそうだった。裕福じゃなかったけど、すっごく楽しい毎日だったのは覚えてるな。

わたしはまだ小さかったけど、お母さんとか、お隣さんとかの作業を手伝ってた。とっても喜んでくれたよ。


あと、領主さんがいてね、収穫したものは領主さんにあげるの。そしたら、渡した分お金をくれるんだ。領主さんは、育て方を丁寧に教えてくれて、ちょっと厳しかったけど、優しい人だったよ。

領主さんは魔女のおばあさんなんだけど、魔法は楽しむものだって言って、小さい子たちに見せてたの。魔法を教えてくれたりもしたよ。


クリタン地区に住んでる種族は、クリタン族ってまとめて呼ばれることが多いんだけど、使える魔力がほかの種族より多くて質もいいみたいで、魔法はすぐ使えるようになって、みんなで見せ合いっこしてた。


あとね、お祭りもたくさんやってたよ。周りの地区からも色んな人が来て、食べ物をいっぱい売るの。来てくれた人はみんな笑顔で帰ってくれたな。



・・・そうだね。「あの時」の話、ちゃんとしないと。


そんな楽しい毎日を送っていたクリタン族のみんななんだけど、ある日、狐族のコウくんが行方不明になったの。そこからが始まり。


コウくんはまだ魔法を使えるようになったばっかりで、確かまだ5歳くらいだった。

みんなでいくら探しても見つからなくて、結局、領主さんに頼ることにしたの。子どもたちも含めてみんなでつめかけた。でも、領主さん家のドアをいくら叩いても返事がないの。


おかしいなと思って、熊族の男の人が無理やりドアを開けると・・・う・・・ううん、大丈夫。

殺されてたの。それも酷い殺され方。見てられないくらいだった。すぐにお母さんが目隠ししてくれたけど、やっぱり、1度見ちゃったらもう、忘れられないよ。


領主さんの近くにはコウくんが転がってた。慌てて確認したけど・・・冷たくなってた。

コウくんのお母さんは叫び声を上げて、お父さんは呆然として、みんなはわあわあ泣いた。

部屋には杖と魔法書が散らばってたから、きっと、一緒に魔法の練習をしてたんだと思う。その途中に誰かが・・・。



弔いの儀式が終わって数日後、事件は起こったの。情報通の狸族の人が、「大変だ」って叫びながらこっちに来た。

「情報誌」って分かるかな。月に1度、その月にあった出来事をまとめてる冊子なんだけど・・・よかった。

あれにね、こう書いてあったの。

「クリタン地区の領主殺害される!クリタン族の仕業か」って。

わたしたちは目を疑ったよ。だって、そんなわけないもん。みんななんだかんだ言って、領主さんのこと大好きだったし。


でも、それから、その情報誌を信じた人たちが、わたしたちを悪者だと言うようになった。

「クリタン族は魔物だ」、「クリタン族は人間の敵だ」って言う人たちもいた。

家に石を投げ込まれたり、落書きされたりした。街を歩いたら唾をかけられた。出かけたっきり帰ってこない人もいた。


亡くなった領主さんの代わりに来た人は、わたしたちを道具として扱った。育てた植物は全部持っていかれて、お金もくれなかった。

そのせいでいい肥料を作れなくて、育たなくなってくると、「もっと働け、魔物風情が」って鞭を打たれた。



・・・これが、「あの時」の話。

ミーニャちゃん。。。涙涙涙涙

かくのがちょっと辛かったけど頑張りました。


次話もよろしくお願いします!

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