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任務完了

ようやく、任務完了です。長かった・・・

中央工場を出た時にはもう、すっかり暗くなっていた。

あのスライムは研究に使われているもので、飼育用の機械の暴走であんなことになってしまったようだった。


「なんか釈然としない終わり方ね」

「仕方ないだろ。為す術なしだ」

「申し訳ありません。こちらの不手際で・・・」


チカさんは、肩をすぼめながら歩いている。


「仕方ないですよ。これは予期できないことだったんだから」


ランさんがそう言うと、チカさんは涙目になり、ため息をついて俯いてしまった。


「あの声は一体誰だったんでしょう?」


ミーニャちゃんがサラさんに訊いた。


「多分、ゴドツ魔王国の連中よ」

「ゴドツ魔王国って、あの?」

「あれしかないじゃない。・・・魔物の国よ。しかも多分、あの声は魔王の声だわ」

「え、魔王って、直接出向くものなんですか?」

「あ、そっち?・・・そうね、確かに。あと、いくら強いからってこの地区の壁を通って来るなんて、只者じゃないわ。まあ、当たり前だけどね。なんてったって魔王だし。機械を暴走させたのもきっと彼よ」

「あの壁って確か、魔物が入れないような結界が張ってあるんですよね」

「そうね。正確に言えば、魔物の持ってる魔力を削ぎ落とすから入ろうとする魔物がいないのよ」


・・・あれ?ぶーちゃんは?


「ぶー!!」

「ぶーちゃんは、なんか分からないけど入れちゃった、だって」


ぶーちゃん(ミーニャちゃん)がすかさず答える。・・・ぶーちゃんってもしかしてすごい魔物だったのかな。


「それは、私たちが入ってきた所は結界が途切れた所だったからよ」


サラさんは呆れながら言った。そういう事だったんだ。


「それにしても、魔王って・・・」

「この世界では最強って聞くよ」


私が疑問を思わず口に出すと、ランさんが答えてくれた。


「カイさんは、人間界では最強だけど、やっぱり魔王の持つ魔力の量には叶わない。人間でいる限りは、魔力の量には限界があるからね」

「最強って。あんなやつにそんな言葉似合わないわ」

「・・・サラさん、会ったことあるんですか?」

「1度だけね。ほんと、なんていうか、うん。やっぱり似合わないわ」

「どんな感じなんですか?」

「それは・・・口では言い表せないわね」


ますます気になってきた。


「ゴドツ魔王国・・・行ってみたいね!」


ミーニャちゃんがキラキラした目で言う。確かに、魔王には会ってみたいな。


「私はオススメしないわ」


サラさんが暗い声で言った。


「どうしてですか?」

「危険だからよ。魔物は人間を嫌ってる節があるから。魔王は、自分の邪魔をするやつには容赦をしないっていう姿勢だけどね」


人間と魔物。仲良くすることは出来ないのかな。


「仕方ないわ。人間と魔物は、根本的に違うんだから」

「・・・そうですか」


ミーニャちゃんはしゅんとした顔で、ぶーちゃんの頭を撫でていた。



しばらく歩くと、最初に入ってきた小さな窓が見えた。やっと任務完了だね。

窓を出ると、沢山の人が出迎えてくれた。スープをごちそうしてくれて、とても美味しかった。

私がちょっとした手品を見せると、みんな喜んでくれた。

なんだかんだ、いい日だったかもしれないな。


テクナ地区では建物がほとんど壊れているので、地区の外にテントを立てて寝ることになった。

そしてまだ、やることは残っている。


「テルちゃん、わたしのこと、話してもいい?」


私は、聞かなきゃいけない。みんなを笑顔にするために。

ミーニャちゃんは昔、どんな仕打ちにあっていたのか。。。これは、決めてました!ちゃんと!多分!

次話もよろしくお願いします!

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