おすすめスポットを回ろう
おすすめスポット巡りってなんか楽しそうですね。私は聖地巡r…
泊まった旅館はとてもいいところだった。素泊まりだけどベッドはふかふかで、すぐ眠ってしまった。
・・・人をダメにするベッドだ。前泊まったホテルを思い出した。値段もこの地区にしては安く、銅貨7枚だった。
「テルちゃん、早く行こー!」
私たちは、とりあえず朝ごはんを食べることにした。メモしたおすすめスポットを見ると、「おいしいごはん」という店名が書いてあった。
旅館を出て、しばらく歩くと、そこに「おいしいごはん」と書かれた看板があった。
店に入ると、カウンター席と個室の席に別れていて、居酒屋のような雰囲気だった。
「いらっしゃいませ。こちらのメニューから料理をお選びください」
カウンター席に座ると、エプロンをつけた女の人が教えてくれた。
私たちは、メモしたおすすめのメニューを選んだ。・・・ぶーちゃんは温泉卵5つ。
「はい、こちらが温泉ドリアです」
出てきたのは、一見普通のドリアだった。上に温泉卵が乗っかっている。
「向こうにある温泉山でとれた山菜や魔物を使っています」
確かに、温泉ってことは山もあるよね。
「山に魔物いるんですか?」
「はい、いますよ。だから麓の方にギルド支社があるんです」
「そうなんですね!」
ミーニャちゃんの目はキラキラと輝いていた。
「・・・ちょっと行ってみる?」
「いいの?」
「私はいいんだけど、ここまで来るのに時間かかってるし、目的地に行くの遅れちゃうけど大丈夫?」
「うん!元々行く予定じゃなかったし」
「そっか」
そこまで話したところで、ドリアが冷めることに気がついたので、2人で食べ始めた。
「・・・おいしい!!」
ミーニャちゃんが歓喜の声を上げた。
ゴロゴロシャキシャキした野菜がたくさん入っていて、魔物の肉がフワフワしていて、食感が楽しい。ソースも食べたことのない味で、本当においしかった。
「ごちそうさまでした!」
大満足で店を出た私たち(もちろんぶーちゃんも)は、ギルドへ行く前にとある場所へと向かった。そこは、教会だ。
「あ、あれだ!」
ミーニャちゃんが指さしたのは、地区の中心にそびえ立つ、大きなお城のような建物だった。
「あれがこの地区でいちばん有名な、温泉教の教会だよ!」
「そうなんだ」
「プリーストの人たちが相談に乗ってくれたり、未来を占ってくれたりするの!」
その教会に入ってみると、そこにはたくさんの人が並んでいた。
「銅貨5枚かかるけど、よく当たるらしいよ」
並んでいる間は暇だったので、私たちはしりとりをしていた。私がミーニャちゃんとぶーちゃんに教えたのだ。
そうすると、他の人たちも真似し始め、色んなところでしりとりをしている、異様な光景になってしまった。
・・・まあ、暇つぶしになったからいいかな。
順番が来ると、私たちは別々の部屋に案内された。ぶーちゃんはミーニャちゃんについて行った。
部屋に入ると、そこには顔が隠れたプリーストがいた。
「ようこそ、温泉教教会へ」
・・・ん?何か聞いたことあるような声・・・
そう思ったと同時に、そのプリーストは顔を隠していた布を取った。
「これ、すごく邪魔なのよね」
え・・・!?
「女神さん!?」
「しー」
そこにいたのは、私を転生させてくれた女神さんだった。
「どうしてここに?」
「いやー、あのね、あなたたちがここに来ることが分かって、ちょっと忍び込んでみた、じゃない、バイトよバイト」
「バイト・・・」
「それより、旅は順調?」
「・・・まあ、それなりに」
「実はね、前あなた、悪魔を倒したじゃない?」
「はい」
「それに怒った仲間達があなたを追いかけているのよ」
「え・・・」
知らなかった。
「だから気をつけてってことと、あとは仮面ね」
「あ、あの仮面、」
「そう。お気づきの通り、あの仮面には、あなたの全ての魔力が込められている」
やっぱり・・・
「でもあなた、まだ使いこなせていないようね」
「はい、なんか気持ちが昂ったときしか魔法が使えなくて」
「それよ」
「・・・え?」
「あなたは、ずっと気持ちを昂らせる訓練をしなさい。仲間を思って、強くなれるように」
「分かりました」
「あと、お道具箱の秘密は、ただただ軽いだけよ。何を入れてもね」
・・・薄々気づいてた。
「じゃあ、またいつか会いましょ。お代は結構よ」
「はい、また。ありがとうございます」
部屋を出ると、外でミーニャちゃんとぶーちゃんが待っていた。
「聞いて!わたし、テルちゃんと一緒にいれば、どんなことでも乗り越えられるって言われたの」
「本当?」
「うん、ほんとだよ!嬉しいな」
「テルちゃん、次はお待ちかねのギルドだね」
「そ、そうだね」
ミーニャちゃん、すごく目が輝いてる。
「レッツゴー!」
何か見たことあるような……と思ったそこのあなた!私が気づいたのは書いたあとだから違う!……ヤバそうだったら消しますね。はい。