異世界に上陸!
新元号が発表されましたね。「令和」。
いい響きですね。
異世界に上陸します。道化師要素が出てきそうです。頑張ろう。
女神に見送られて私は異世界へと飛び立った。
・・・これは比喩ではない。ユニコーンのような動物に乗って本当に飛んだのだ。
青い空間にたくさんの島が浮かんでおり、美しい景色が広がっていた。島はきっとそれぞれ違う世界で、私はそのうちのどれかに行くのだろう。
やっと着いたとき、私はもうくたくただった。だって怖かったんだもん。・・・ユニコーンめ。
ユニコーンは私を降ろすとどこかに飛んでいった。
辺りを見渡すと、ここは丘の上のようだった。私はどこに行けばいいのだろう。
何やら後ろの方から音が聞こえてきた。馬車だろうか。
「おーい、そこの嬢ちゃーん!」
・・・私?
振り返るとやはり馬車に乗ったお兄さんが手を振っていた。
そして私の目の前で馬車は止まった。
・・・この世界、馬いるんだね。
「嬢ちゃん、こんなところで何してるんだい?」
「えーっと・・・」
「ここは魔物がたくさんいるから危ないよ。ここからは離れた方がいい」
「あなたは・・・?」
「俺はリュウ。商人さ。君は?」
「私はテルです。実は私、ここがどこなのか分からないんです。」
「そうか。俺はこれから王都に行くんだが、そこまでなら乗せて行ってもいいぜ?」
王都なんてあるのか。まあ、悪い人じゃなさそうだし付いて行こうかな。
「お願いします。助かります」
「いいってことよ。ついでだついで」
「ありがとうございます、リュウさん」
私は馬車に乗り込んだ。
「テルっていったかい?」
「はい」
「なんであんなところに一人でいたんだい?」
「・・・私、旅人なので、色々なところを回ろうとしていたんですけど、迷ってしまいました。」
「そうかい。大変だったな」
信じてくれたようだ。まあ、嘘は言っていない。
・・・今気づいたけど、言葉通じるんだね。
王都まではそんなに遠くないようである。
幸いなのか魔物に出会うことはなかった。
「俺は商人だからたくさんの国を回ってきた。そのなかには魔物に埋め尽くされた国や、飢えに苦しむ国もあった。
・・・なんとか助けてやりたいが、俺には力がないのさ」
「そうですか・・・」
私も助けに行きたいな。できるだろうか。
「着いたぞ。ここが王都だ。」
「うわあ・・・」
そこはたくさんの人々が行き交い、活気に充ち溢れていた。
店が並び、向こうには大きな城がある。
じゃあまずはお金を集めるために大道芸を披露しに行こうかな。
歌を歌ってお金を集めている人もいるから大丈夫だろう。
「では私はここで。ありがとうございました」
「お、おう。また会おうな」
「はい。また」
お兄さんとはお別れし、私は準備を始めた。
道化師の服を着て、仮面を付ける。道具箱を開けると、生前使っていた大道芸の道具が入っていた。
言うまでもなく変な格好なので、注目が集まった。
よし、始めよう。
まずは肩慣らしにジャグリング。次は大きなボールに乗って片足立ち。あら、ちょっと失敗。
最初静かに成り行きを見ていた観客たちは、だんだん笑顔になっていき、拍手も起こった。
弓を投げてリンゴに命中させると、歓声が上がって、たくさんのお金が飛んできた。
それを全部バケツのなかに収めると、また歓声が上がった。
・・・みんなを笑顔にできて良かった。
銅貨(?)が12枚、銀貨(?)が8枚、金貨(?)も3枚ほど集まった。よし、宿を取りにいこう。
少し歩いたところに小さな宿があった。
すみません、と言うと、お姉さんが出てきた。
「何泊しますか?」
「一泊いくらですか?」
「朝と夜の二食付きで銅貨5枚です。どちらか食べられなくても値段は変わらないので気をつけて下さいね」
・・・思ったより安かった。そして銅貨で合ってた。
「とりあえず三泊します。」
「分かりました。では、こちらへ。ここは冒険者や旅人さんでも泊まれるように安くしているんですよ」
案内された部屋は、小さな個室だった。ベッドとテーブルが一つずつ置いてある。
「では、ごゆっくり。夜ご飯は二階の食堂です」
お姉さんは笑顔で去っていった。
お釣りで分かったけど、銀貨1枚=銅貨10枚の価値なんだね。
夜ご飯までまだ時間があるので、街を散策してこよう。
王都ってどんなところなんだろう。楽しみだな。
まだまだ序盤。早く戦闘シーンを書きたいところですね。しばしお待ちを。