表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/50

人気店でお手伝い

あけましておめでとうございます!

みなさん、先月は申し訳ございませんでした。……なにが「今年中に更新する」じゃいこの!冬休み減らすぞ!


はい、今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

「ねえ!あっちあっち!!」

「ぶー!!」


私たちは今、ケミト地区の商店街に来ていた。

ミーニャちゃんとぶーちゃんは、とても楽しそうに走り回って(?)いる。

・・・もうすでに私は疲れている。


「温泉の他にこんな商店街があったなんて知らなかった!」

「ぶー!!」


「あ!あの服屋さん、あの有名な『しゃれおつ』だ!・・・ここにあったんだね」

「・・・しゃれおつ?」

「この地区で1番人気の店なんだよ!」


店の近くに行くと、その場所だけ異様に人が多くなっていた。・・・というか多すぎて道が塞がれている。


「こちら最後尾でーす!並んで下さい!!」


店の人が一生懸命叫んでいるが、その声は人々に届いていないようだ。並んでいる人は並んでいるけれど、多くはごちゃごちゃになって固まっている。

さすが人気店。


「・・・これは・・・すごいことになってるね」

「ねえ、手伝って来ない?」

「ぶー!!」

「うん、そうだね。・・・でも遊ぶ時間少なくなっちゃうけどいいの?」

「うん!みんなを笑顔にするのが仕事でしょ?」

「ぶー!!」


私たちは店の人の所に行くことにした。


「あの、店員さん」


もみくちゃにされながらも必死で叫んでいたので、辿り着くのが大変だった。・・・疲れた。


「店員さん!わたしたち、旅人なんですけど、お手伝いしましょうか?」

「・・・すみません!もう一度お願いします!」

「お手伝いしたいです!!!」


ミーニャちゃんが頑張って何とか伝わったようだ。

私たちは、店の中の、従業員スペースへ案内された。

さっきとは別の人が迎えてくれた。



「本当にお手伝い頂けるのですか!?」

「はい」

「助かります!今日は1年に1度の大安売り祭なので、人が多いんです。普段値段が高くて中々手の届かない商品も、今日だけ買えるんですよ・・・では、この制服を着てください」


渡されたのは、さっき呼びかけていた人と同じものだった。

白いブラウスに赤いチェックのベスト、紺のタイトスカートだ。さすが服屋で、とてもおしゃれだ。

・・・ぶーちゃんは不思議な帽子をかぶっていた。


「報酬などはどうすれば?」


店の人が訊ねてきた。そんなの考えてなかったな。


「報酬なんていりません!所詮わたしたちがやりたくてやっているんですし、今日しかできないので!」


ミーニャちゃんが答えてくれた。


「本当にありがたいです!」


「じゃあわたしたち、店の外で呼びかけをすればいいですか?」

「・・・すごく体力を削られますが・・・」

「大丈夫です!わたしたち、体力には自信あります!」



店の外に出ると、まだ人だかりは絶えていなかった。

店の人はもう倒れそうなほど体力を消耗していた。・・・何かちゃんと呼びかけられる方法は無いかな?


「ねえ、今あの人に聞いてみたんだけど、みんなどこに並べばいいか分かってないらしいの。だから我先にと店に入ろうとしてるみたい」

「そうだったんだ」

「だから、みんなに教えられるように出来ないかな・・・?」


人混みの中の人に聞いてくるなんて、ミーニャちゃんすごい度胸だな。


「そういうことなら、店に沿ってロープかなにかを張ればいいと思う」

「ロープ?」

「うん、人を誘導出来るロープを張るんだよ」

「あ、そうか!テルちゃんすごい!店員さんにロープと、あと棒もらってくる」

「ありがとう」


前住んでいた世界だと普通だったんだけどな。まあこれで、これからも楽に人を並べられそう。


「店員さんにロープと棒もらって来たよ!」

「よし、ロープをこんな風に巻き付けて・・・」

「おお!じゃあわたしが魔法で張るね!」

「・・・え?ちょっとまっ・・・」

「ロープさん!行っけー!!」


ロープは瞬く間に張られ、人々は瞬く間に並ばせられていた。客はもちろん、店の人も唖然としていた。


「み、ミーニャちゃん・・・ちょっとやりすぎかな?」

「ごめんなさい・・・」


我に返った人たちは、ざわざわしだした。

店の人も遅れて我に返り、こちらに走ってきた。・・・うん、これは謝らなきゃいけないかも。


「ごめんなさ・・・」

「あなたたち、素晴らしいです!こんなに簡単に人を並ばせるなんて!あとは私が、最後に並ぶ人がどこか示せばいいだけですね!」

「そ、そうですね」



こうして、私たちは、店の手伝いを終えた。・・・最後の方はもう商店街を回って宣伝をしていた。


「やっぱりなにかお礼をさせて下さい!お願いします」


頭を下げられてしまった。


「そんなに役に立ってませんし、楽しかったので、本当に大丈夫です・・・」

「そんなこと言わずに、お願いします!」

「・・・そこまで言うなら・・・」

「ありがとうございます!なにか欲しいものはありませんか?」

「うーん、これといってな」

「そんなこと言わずに!!」


「あ、じゃあわたし、おすすめのスポットを教えて欲しいです!ここに来たの久しぶりで、温泉とか旅館とかありすぎてどこに行けばいいか分からないんです」

「・・・そんなことでいいんですか?」


私たちは、おすすめのスポットを教えてもらい、おまけにおすすめの服を一着もらえた。絶対似合うからと押し切られてしまったのだ。


とりあえず、教えてもらった旅館に泊まって、明日回ってみようかな。もう疲れたしね。


そうして、旅館に着いた私たちは、夜ご飯も食べずに寝てしまったのであった。

ぺたぺたにんじんのことをすっかり忘れていた私でありました。

次回は懐かしい人が出てくる予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ