癒しの街・ケミト地区
寒くなって来ましたね。風邪やインフルエンザには十分お気をつけください。
新章に突入します!これからもよろしくお願いします。
「「ありがとうございました!」」
私たちは、泊めてくれたおばあさん、レナさんにお礼を言いに来ていた。
「いいのよ。コノちゃんが無事だったのはあなた達のおかげよ。私は当たり前のことをしただけ」
「本当にお世話になりました」
「ふふふ……あ、そうだわ。これ、お土産よ」
袋を渡され、中を見てみると、大きなにんじんが3つ入っていた。
「これがぺたぺたにんじん。茹でたり、焼いたりして食べてね」
「うわあ!美味しそう」
「ありがとうございます」
「このにんじんの名前の由来は、火を通してみれば分かるわ」
「へえー!やってみます」
「ふふふ、きっとびっくりするわよ」
そうして私たちは、ワドル族の集落を後にした。
その後、何匹か魔物が出たけれど、あのうさぎほど強くはなく、難なく倒すことができた。
「──そういえばコノちゃん、すごく驚いてたね」
「うん。喜んでくれて本当によかった」
「いやー、でもテルちゃんがあんな技が出来るなんて知ったら誰でも驚くよ!」
「そうかな?」
コノちゃんと別れる際、道化師の技を少し披露したのだ。
・・・ミーニャちゃんに押し切られて。
「あ、この地区を出たら、次はケミト地区だよ!」
「ケミト地区?」
「うん!聖水とか、薬草とかの生産が盛んなの」
「へえー、行ったことあるの?」
「うん!前お母さんに連れてってもらった。妹が病気にかかったときにね」
「妹いたんだね」
「いるよ!1人だけどね。わたしより5歳下なの」
そんなことを話しているうちに、ウィダー地区の出口が見えた。
「ここともお別れだね!またいつか来たいな」
「そうだね」
門番的な人に、挨拶をし、出口の門をくぐり抜けると、すぐにケミト地区の入口が見えた。
そこを超えると、テクナ地区に辿り着くらしい。
「・・・ふふふ」
「どうしたの?」
「わたし、三日で辿り着くと思ってたのに、もう既に三日たっちゃったね」
「確かに・・・でも、いい経験になったかな」
「うん!」
ケミト地区の入口の門には、沢山の人が並んでいた。
「この地区は、とっても人気だから、並ぶのも仕方ないね」
「そうなの?」
「うん。温泉とか、有名な教会とかもあるから、観光目的の人が多いよ!・・・わたしたちもちょっと遊びたいな」
「そうだね。どうせ予定より長く掛かっちゃったし、楽しそうだしね」
「ぶー!!」
・・・ぶーちゃんはようやく起きたようで、ポケットから出てきた。
すごいな。みんなにお別れの挨拶に行く前からずっと寝てたよね。
しばらく待っていると、列が進み、門の所にたどり着いた。
そこには、その地区の景色を遮るように、大きな建物があった。多分なにかの手続きが終わるまでのお楽しみということだろう。
「次の方ー!お入りください!」
アナウンスが鳴り、私たちはこの大きな建物に入った。
建物の中は、大きな銀行のような感じで、沢山の人が行き来していた。
因みに、この地区に入るには銀貨3枚が必要らしい。
「では、手続き致します。こちらの石に手を乗せてください」
「はい」
乗せると、この小さな黒い石が、青く光った。
「手続き完了です。こちらのカードを持ってゲートまで行って下さい」
「分かりました」
・・・意外と簡単だったな。
ミーニャちゃんとぶーちゃんと合流し、銀貨を払ってゲートを通ると、この地区の景色が現れた。
「すっごーい!!」
そこはまるで、どこかのテーマパークのような所だった。
中心に大きな教会があり、周りにはリゾート施設やら旅館が沢山建っている。
・・・よし、少し奮発して遊ぼうかな。
はい。。。始まりませんでした。
次話からはちゃんとこの地区のこと分かりますんで。。。良かったら読んでってください!
ぺたぺたにんじん食べたい。