コノの護衛をしよう【5】
お久しぶりです!
もうすぐ冬ですね。早いもんです。
風邪には充分ご注意を!
テルは道化師なので風邪ひきません!(?)
私が思いついた方法、それは、とにかく後ろを狙う、という事だ。
なぜなら、正面からだとあの人の体を盾にされてしまい、攻撃が出来なくなるからだ。もう何があっても後ろに行こう。
「よし、いくよ」
私はまず、素早くうさぎの後ろに回り、背中を切りつけた。
すると、後ろを振り返り、うさぎは攻撃してこようとする。私はまた後ろに回り、足や首を中心に攻撃する。
まあ、いたちごっこみたいな戦法だ。
これで多分あとちょっと持たせられる!
しばらく格闘していると、声が聞こえて来た。
「おーい、大丈夫かー!?」
これは・・・あのベテランさんの声だ。
頼もしいな。ベテランさんが来てくれたなら安心だね。
「これは・・・えりーとでぶうさぎじゃないか!一人で戦うなんて無謀なことするんじゃない!・・・全く。すぐ行くぞ!」
仲間もたくさん連れてきているらしく、たくさんの足音が聞こえて来た。さすがにこの大人数には勝てないよね。そして・・・
「「うおおーー!」」
雄叫びと共に、瞬きをする間にうさぎは・・・縄で縛り付けられていた。なんで?
「よし、できた。・・・あの馬鹿の手当は進んでいるか?」
「はい!腹を大きく損傷していましたが、直せる範囲ではあります!」
あの馬鹿?あ、咥えられてた人か。
・・・思い出した。私たちの前の時間に護衛をしてた人だ。
「すまなかった」
私の前にやって来たベテランさんは、頭を下げた。
いいのに。
「あの馬鹿が捕まったせいであんなに手こずってたんだろう?」
「・・・ああ、まあそれもありますけど」
「すまない!」
「いえ、大丈夫です・・・それより、どうしてあのうさぎ、縛り付けられてるんですか?」
「ああ、それはな・・・ちょっとこっちに来てくれるかい?」
「はい」
人気のないところで話すことのようだ。私たちは少し移動した。
「最近、この地区で魔物が多くなっているという話だろう?」
「そうですね」
「その理由が、デーモンの仕業じゃないかっていう噂なんだ。というより、ほぼ確信なんだがね」
「え?」
デーモンって、前戦ったやつだ。
「デーモンは、魔物を使役するのが得意で、魔物を操ったり呪いをかけたりするんだ」
「・・・あのうさぎもそのせいってことですか?」
「ああ、間違いない。今みんなで呪いを解こうとしているところなんだ」
「ひどいですね・・・」
「魔物には全く罪はない。だから、魔物が襲ってきたらできるだけ呪いを解いてやって、生きて自然に返してやってるんだよ」
そうだったんだ・・・
というかこの地区の人達すごい。なんでも出来ちゃうんだ。
「そう言えば、私たちの他の護衛の人達は?」
「ああ、それが、何か催眠のようなものをかけられてたみたいだ。それで気を失っていたらしい」
「もしかしてそれも・・・」
「デーモンかも知れないな」
「デーモンって、どこから来てるんですか?」
「知らないのかい?あの有名なゴドツ魔王国の中だよ」
「そうだったんですか」
集落の方へ戻ると、ミーニャちゃんとぶーちゃん、そして、コノとお母さんもいた。
「本当に、本当にありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
コノとお母さんは、揃って私に頭を下げた。
「平気です。それより、コノはもう大丈夫なの?」
「はい!もう完全復活しましたよ!」
「それならよかった」
・・・あ、そうだ。ぶーちゃんに言わなきゃ。
「ぶーちゃん。あのうさぎだけど・・・」
話そうとすると、ぶーちゃんは耳を塞ぎ、首を振った。
ミーニャちゃんがすかさず話を聞く。
「分かってるよ、殺されちゃったのね。しょうがないわ、だって」
「いや、違うんだけど」
「そういう運命だったのよ」
「だから」
「私は大丈夫。また一緒に出かけましょう」
「いや、助かったよ?」
「・・・え?」
「今はロープで縛り上げられてるけど、早く会いに行かないと郷に帰っちゃうよ」
私がそう言った瞬間、ぶーちゃんは怒涛の勢いで走り出した。
・・・変な方角へ。
「ぶーちゃん、あっち!!」
指をさして知らせると、急旋回して、うさぎのもとへと去っていった。・・・なんかかわいい。
私たちも少し遅れてうさぎの元に到着すると、ぶーちゃんとうさぎは親しげに話して(?)いた。
「あのうさぎさん、助かってよかったね!」
ミーニャちゃんは笑顔で言った。
そして、私の方を向き、その表情を少し曇らせた。
「テルちゃん、わたし、心配したんだよ?すごく。テルちゃんが強いのはわかるけど、やっぱり、一人で危険なことはもうしないで欲しいな」
・・・心配させちゃったな。
「分かった。これからはちゃんと、みんなで戦おう」
「うん!」
その後、ぶーちゃんの友達であるえりーとでぶうさぎは、郷へと帰っていった。
この章は今回で終わり!
次話からは新しい場所へ向かいます!
これからもよろしくお願いします。