新しい仲間と行こう!
20話目ですね。
いつも読んでくださりありがとうございます。
変な名前はまだまだ登場してしまうと思いますが、よろしくお願いします。
次の日、ギルドの前に行ってみると、ミーニャちゃんがもういた。
まだ日が出たばかりの朝なのに、早起きだね。
「おはよう、テルちゃん」
「うん、おはよう」
「ぶー!」
ぶーちゃんがミーニャちゃんのポケットから顔を出した。
・・・このコンビいいね。
「わたしたちは、どこを目指すの?」
「うーん、この国を回るか、隣の国に出るか、迷ってるんだ」
「それなら、もうちょっとこの国にいない?少しなら案内できるよ」
「・・・じゃあ、お願いしようかな」
「うん!」
「わたしの故郷は、クリタン地区なの」
「クリタン地区?」
「そう。わたしのような、ねこ族とか、くま族もいるよ」
「そうなんだ」
「そうだ!行きたいところがあるの。・・・テクナ地区なんだけど、わたしの地区の隣なのにまだ行ったことがないんだ」
「どんなところなの?」
「友達が住んでるんだけど、技術が発達しててすごいところなんだって」
・・・気になるなあ。
「分かった。じゃあ、連れていってくれる?」
「うん!」
「・・・よし、目的地も決まったことだし、早速行こう。ついでにクリタン地区にも寄ろうか」
「・・・いいの?」
「うん、気になるし」
「じゃあ、レッツゴーだね!」
「ぶー!」
テクナ地区は、王都から結構離れているようだ。
・・・地図によると、3日はかかりそうだ。
「テクナ地区に行くなら、ウィダー地区を通ると近道だよ」
「そうなんだ」
「でも、ちょっと魔物が出るから、気をつけて行かなきゃ」
「分かった。じゃあ、気をつけながらウィダー地区を通ろう」
「まあ、三人なら大丈夫だよ」
「ぶー!」
「そうだね」
しばらく歩くと、ウィダー地区らしき場所の門が見えた。門番的な人が立っている。・・・また何か手続きとかあるのかな。
「あの、ここがウィダー地区であってますか?」
「はい。今ここは、冒険者か旅人登録していないと入れません」
「どうして?」
「危険だからです。魔物が最近、人を襲って大きな怪我を負わせたので、このような措置を取りました」
「そうだったんですか。あなたも大変ですね」
「・・・まあ、人々を守るのが私たちの役目ですから」
冒険者カードを見せ、私たちはウィダー地区へと足を踏み入れた。魔物が出るから気をつけないとな。
「ここらへんで出そうな魔物ってどんなの?」
「うーん、よく聞くのはデブパンダかな」
「へー・・・」
素晴らしい名前だね。
「そういえば、ぶーちゃんって、なに食べるの?」
「ぶー、ぶぶー」
「そこら辺の草とか木の実とかを食べるんだって」
「そうなんだ」
・・・じゃあエサは買う必要ないね。
近くにあった丘に登ってみると、小さな集落のようなところが見えてきた。
「あれはワドル族の集落だね」
「ワドル族?」
「うん、魔物を狩ったり木の実を採ったりして、ワイルドな暮らしをしてる民族だよ」
規制をされているくらいだから、誰も住んでないのかと思った。
「ワドル族は、昔から魔物に慣れてるから大丈夫なんだ」
そうだったんだ。
「・・・会ってみたいな」
「いいと思う!冒険者とか旅人とかに親切な民族なんだって。行ってみようよ」
「ぶー!」
「そうだね。じゃあ、この丘を下ろう」
「うん!」
「ぶー!」
丘を下ると、一本道でワドル族の集落に続いていた。なので、すぐに到着することができた。
「家は十軒くらいだね」
「うん、民族自体少ないから」
話していると、向こうの方から、怪しげな歌が聞こえてきた。
・・・なんだろう。
――神はこの世界を作り 私たちは発展させる
神のためにこの世界を より良くしていかなくてはならない
「・・・ワドル族の儀式かも。行ってみようよ」
「そうだね」
「ぶー」
どんな民族なんだろう。
相変わらずのネーミングセンスですが、見捨てないで下さい。