サイエン国のギルド支社
サイエン国は、フーダリア王国よりも静かでいいところです。ぜひ、行ってみてね。
私が仕事をしやすい場所は、「ジネル広場」というところらしい。宿主さんはとても優しく、この周辺のことを教えてくれた。
ありがたいなあ。
人が多く集まるのは夕方頃らしいので、それまでちょっとギルド支社に行ってみようかな。
大きな通りから二十分歩いたところにギルド支社はあった。
本社より少し小さいけど、やっぱりホテルみたいだ。
「こんにちは。あなたも冒険者?」
話しかけて来たのは、小さな女の子だった。
頭から小さなネコミミが生えている。・・・しっぽも生えていた。
「私は、旅人だよ」
「へぇー、じゃあどうしてギルドに来たの?」
「ギルドの本社に知り合いがいて、こっちも気になったから」
「なんだー、わたしね、今一緒に仕事をするパーティーを探してるの。3日位募集してたんだけど、なかなか見つからなくてさ。
わたしが猫族のせいかな・・・」
女の子はしゅん、と耳を下げた。
・・・かわいい。
「わたし、夜目が利くし、結構使えると思うんだけどな・・・」
うん、そうだと思った。
・・・よし、決めた。
「よかったら、パーティーメンバーが見つかるまで私がなってあげようか?」
「・・・いいの?」
「うん。私は旅人だけど、冒険者と戦ったことがあるんだ」
「・・・ありがとう!」
早速私は、ギルドで冒険者登録することにした。ふしぎさんの仕事はまた今度でいいかな。
「わたしはミーニャ。よろしくね」
「うん、私はテル。これから頑張ろう」
「では、これが冒険者カードです。ここにレベルが書かれ、ここに魔物討伐数が書かれます」
「はい」
「今はお二人のパーティーということで、ここに登録しておきましょう」
「ありがとうございます」
受付を担当してくれたのは、優しいお姉さんだった。
無事に冒険者登録を終え、早速依頼を探すことにした。
ミーニャちゃんは、気配を感じ取ったり、格闘したりするのが得意らしい。・・・その見た目で格闘ってすごいな。
ギルド本社のように依頼がなくなっていることはなく、依頼を選ぶことが出来た。
「・・・どれがいいかな」
「これとかどう?」
ミーニャちゃんが指差したのは、ウルトラタイガーの討伐依頼だった。初めてにはいいかも知れない。
「よし、それにしよう」
「うん!」
ウルトラタイガーが出るのは隣の地区らしい。
仕事する前に、お昼にすることにした。
ミーニャちゃんの行き付けは、「キュート」というレストランらしいので、そこに行くことになった。
「いつも何を頼んでるの?」
「わたしは、ミルクザクザクをよく頼むよ。
すっごくおいしいの。」
「へぇー」
私もそれを頼むことにした。
ミルクザクザクは、その名の通り何かザクザクしていておいしかった。
その後レストランを出て、私たちは隣のオキシ地区へと向かった。
オキシ地区は、自然が豊かな場所だった(ほぼ森しかない)。魔物がたくさんいそうだ。
私たちはウルトラタイガーを倒しに来たので、探すことにした。
・・・どこかな?
「何か音が聞こえる!ウルトラタイガーかな?」
「え?」
私には何も聞こえない。
「こっち来るよ」
がさがさ、と音がしだし、見えたのは・・・
「め、メガブタ!?」
「え・・・」
この仕事は、少し長くなりそうだ。
新キャラ登場!ミーニャです。珍しくいい名前じゃないですか?うん、いい名前!
テルの食レポが雑になったと感じたそこのあなた!気のせいが過ぎるぞ!
次話もよろしくお願いします。