スライ山にて
今回は、スライ山で登山します。
どんなのが出てくるかな?
スライ山にはたくさんの冒険者が通るようで、大きめの道ができていた。
ところどころに小さな広場のような場所があるのは、休憩するためだろう。
・・・あれ、足音が聞こえる。
振り向いてみると、驚くことにそこには・・・
「サラさん!」
「・・・テルちゃん!こんなところで何してるの?」
「私は、サイエン国に向かっているところなんです」
「へえ、よくこんなところ一人で来たね」
「え?」
「ここ、よく魔物が出て、国も手を焼いてるほどなんだ」
「冒険者でも一人で来ないよ」
そうだったんだ。・・・何か起こる前にサラさんたちに出会っていてよかったな。
「私たちはこれから、カレラ地区に行くの。そこまで一緒に行きましょう」
「はい、ありがとうございます」
「思ったより早い再会だったな」
「そうですね」
「カレラ地区では、ゴブリンによる被害が相次いでいて、私たちが依頼を受けたのよ」
「ゴブリン?」
「ああ。さらにゴブリンロードがいるかも知れないらしい」
「普通ゴブリン退治は、初級者に依頼されるんだけど、今回は中級者に依頼が来たから、私たちが行くことにしたの」
聞くところによると、ゴブリンは畑の農作物を荒らしたり、女性や子どもをさらったりするらしい。
「子どもが四人もさらわれたって大騒ぎになってるから、早く解決してあげなくちゃ」
しばらく歩くと、川が見えてきた。
「ここで水を汲みましょう」
「魚でも釣るか」
レオさんとランさんは釣竿を取り出し、魚を釣り始めた。
・・・本当にやるんだ。
サラさんは水筒に水を汲んでいる。
「・・・釣れた!」
レオさんが釣ったのは、鮮やかな青色の魚だった。
・・・なんか、不味そう。
「これはブベリ魚か」
「見た目に反しておいしいんだよね」
「・・・これだけ釣ればいいだろ」
「だね」
レオさんたちは、魚を十匹ほど釣ってきた。
「今日の晩飯は魚だな」
「この国の川魚は、栄養があっておいしいのよ」
「そうなんですか」
その後しばらく歩くと、広い場所が見えてきた。
「今日はここで休みましょう」
「そうだな」
「明日には山の頂上に着くわ。絶景なのよ」
焚き火をして、その上で魚を焼く。
いい匂いがしてきた。
・・・早く食べたいな。
その時、カサカサっと音がした。
「気をつけろ」
そう言ってレオさんは剣を抜いた。
・・・でかいネズミだ。目が赤く光っている。
「コイツはでかネズミだな。ちょっと凶暴なんだ」
・・・名前そのままだね
私も剣を抜いた。
「私も手伝います」
私はネズミを引き付けるため、近くに走り寄る。
「ちょっと!・・・俺もやるぞ」
私がネズミの正面から戦い、その内にレオさんが背後から忍び寄る。そのまま、首に剣を突き刺した。
「テルちゃん、運動神経良すぎだな」
「ありがとうございます」
「でかネズミ、あまりおいしくないのよ」
サラさんは残念そうだ。でも、倒せてよかった。
その後に食べた焼け魚は、この世のものとは思えないほどおいしかった。
次の日、私たちはひたすら歩き続け、ようやく頂上にたどり着いた。
「景色、とてもきれいですね」
「ええ、この為に危険を冒してでもこの山に登る人もいるくらいよ」
「それはないだろ」
「・・・いいのよ、細かいことは」
山を下っている途中、何度か魔物に出会った。
・・・全部おいしく頂きました。
そうして私たちはスライ山を越えたのであった。
でかネズミが出てきましたね。他の魔物は書きませんでした。(名前無理だったからじゃないよ!)サラさん、お久しぶりです。
次はカレラ地区。どんな出会いが待っているのか。次話もよろしくお願いします。