住む場所が決まったよ!
テルの家が決まります。ほぼ番外編です。ご了承下さい。
ギルドに行くと、カイさんが出迎えてくれた。
「お疲れ様でした。テルさん」
「いい経験になりました」
「それは良かった」
ミキさんともここでお別れである。
「色々教えて下さり、ありがとうございました」
「いえいえ。いつでも弟子になりに来て下さい」
「はい」
「では、あなたに報酬を渡さなくてはなりませんね」
・・・忘れてたわ。そんな話したね。
「まずは、地図ですね。
・・・この世界には4つの国があります。
ここはフーダリア王国で、一番大きな国です。たくさんの地区に分かれているので、色々な場所を回ると楽しいですよ」
カイさんは、指で指しながら教えてくれた。
「後は住む場所ですね。・・・いくつか候補を挙げたので、とれあえず行ってみてもらってから決めて頂いてもいいですか?」
「はい」
「不動産屋のユウヤが案内するので、来るまでしばらくロビーで待っていて下さい」
「分かりました」
この世界にも不動産屋ってあるんだね。
ロビーへ行くと、マリさんが驚いた顔でこっちを見ていた。
ギルドマスターと話してたからかな。
しばらくすると、爽やかな男の人がやって来た。
「あなたがテルさんですか?」
「はい」
「案内いたします。こちらの馬車にお乗りください」
「分かりました」
まず向かったのは、ギルドから馬車で20分ほどのところにある場所だった。
「こちらです」
「・・・え?」
待って、ここ!?
「カイ様はよくうちから、家を買って下さるんです。別荘として。ですからここは、ギルドマスターの私有地なのです」
いやいや、こんな住宅地に別荘建てる人初めて見たよ。
・・・そして何より、でか過ぎる。
一人で住むところじゃない。
「・・・ここはちょっと大き過ぎですね」
「そうですか。では、違うところに行きましょう」
「はい、すみません」
「いえいえ。カイ様がこんなに人に肩入れするの珍しいんです。なので、丁寧にご案内しないと、怒られてしまいますよ」
「そうなんですか」
次に行ったのは、城が見える丘だった。
「こちらはとにかく景色がいいですね」
そこにそびえ立っているのが候補の家だった。
そこも大きいけれど、さっきのほどではなかった。
でも・・・
「ここ、すごく目立ちません?」
「そうですね。なんせ丘のてっぺんに立っているものですから。」
ちょっとここは無理かな・・・
「ここが最後の場所です」
「うわあ」
最後に行った場所は、王都から馬車で30分ほど離れたところにあった。
「少し田舎になりますが、ここならあまり目立ちませんよ」
「そうですね・・・」
そこは、メルヘンチックな家で、中から魔女かかわいいお嬢さんが出てきそうな雰囲気だ。
・・・ここが一番いいかな。大きさ的にも。
ようやく家が決まったので、中に入ることにした。
「こちらにリビング、こちらにキッチンがあります」
「はい」
掃除が行き届いていてびっくりした。
「カイ様は、全ての別荘に掃除屋さんを置いています。ですので、外出中でも安心ですよ」
・・・まじか。頼んでないのに・・・すごい人だなあ。
「では、私はここで」
「カイさんによろしくお願いします。この家とても気に入りました」
「ありがとうございます。・・・では」
「さようなら」
ユウヤさんが去った後、私は少し休むことにした。
ベッドは2つあった。・・・この家は2人用のようだ。
・・・お休みなさい。
起きると、もう夜だった。
外に出ると星が出ていて、とてもきれいだった。
・・・あ、夜ご飯買ってないや。
家も決まり、地図も手に入ったので、そろそろ旅に出ます。よろしくお願いします。
ちなみにフーダリアの由来はフード(食べ物)です。どうでもいいね。