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ピンキーボーイ  作者: 笠原圭子
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一学期《春》

「よっ!同じクラスね一茶」

 幼なじみの有栖川アリスが俺の肩を叩き言う。まったく腐れ縁にも程がある。

 オレンジの長いツインテールの頭を揺らしながら

「先生どんな人だろうねぇ」なんて上機嫌に話す有栖川アリスとは家が隣ということもあり俺が物心ついた頃にはもう常に一緒にいるという感じ、お互いの母親なんかが会話すると「お腹の中にいるときはどう」とか「産まれたときはこう」とかって、なり。生々しく話すから所謂思春期みたいな時期はどうも歯痒いやら鬱陶しいやらで一時有栖川アリスを避けたこともあったが、鈍感なのか、幼いんだか有栖川アリスはどうも俺に付きまとって付きまとって、そのまま高校まで同じこの【私立名門現実高校】通称メモリアル校に入学することになった。

 登校し掲示板に貼り出されたクラス表は一組から八組まである。一組は経済科、二組は体育科、三組は美術科、四組から七組が普通科、八組は音楽科となっている。俺と有栖川アリスは五組、普通科だ。

 クラス替えは一年ごとにあるが、毎度のように有栖川アリスと一茶は同じクラスでもう中学三年は自分の名前、タ行の地井一茶を探すより、出席番号一番、ア行、一組安倍、二組ア、《アリスガワ》そして地井…あ、俺いた。と、いう目印に有栖川アリスを使った。まさか高校でも同じクラスとは。

五組の人数は全員で二十八人だ。

「はーい、席表貼りまーす。見て座ってくださーい」

 銀縁メガネの男性教員が教室に入ってきて黒板に座席表をマグネットで貼る。

「じゃあね、一茶」

有栖川アリスはそう言うと一茶の横をスッと通り、出席番号一番、教室の黒板に向かって左端窓際の列の一番前に座った。



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